バーレーンで行なわれている3日間のプレシーズンテストは、ターン11にある排水溝カバーの固定が緩んだことで2度に渡って赤旗の原因となった。

 このターン11の入口は、ドライバーたちが左コーナーに向けて走行ラインを右側の縁石いっぱいまで広げる部分であり、縁石外側にある排水溝の上を通過する可能性も高い箇所となっている。

 テスト2日目午前のセッションでは、このポイントの排水溝カバーが浮き上がってしまい、シャルル・ルクレール(フェラーリ)やルイス・ハミルトン(メルセデス)がそれに接触してしまった。

 その後、FIAのF1レースディレクターのニールス・ウィティヒの監督下で修理が行なわれ、セッションが赤旗終了に。各チームが失った走行時間を取り戻すため、午後のセッションは予定より1時間早く始まった。

 そして翌日、テスト3日目午前の走行開始から30分もしないうちに、レッドブルのセルジオ・ペレスが通過した際、再び同じポイントの排水溝カバーが破損。1時間以上に渡ってセッションが中断された。

 当該箇所が修復された後、走行再開。中断期間を昼休みに充てる形で、セッションが7時間以上連続で行なわれることになった。

 1週間後には同地で開幕戦バーレーンGPが開催される予定だが、この排水溝はすべての関係者にとって大きな懸念となっている。

 特に昨年のラスベガスGPでは、同様のトラブルでカルロス・サインツJr.(フェラーリ)がマシンに大きなダメージを負ったのもまだ記憶に新しい。

 motorsport.comの調べによると、テストが金曜日に終了した後、開幕戦で同様のトラブルが発生するのを避けるため、請負業者によって周辺の排水溝がコンクリートで埋められる予定だという。

 長期的な天気予報によれば、レース週末に雨が降ることはないとされているため、この解決策が実行されることになる。しかし、この問題を回避する別の方法も同時に検討されていることが示唆されている。

 FIAはバーレーンでのテストや過去のF1レース、テストイベントの映像を調査し、ドライバーたちがターン11のトラックリミットを以前よりも超えていないかどうかを確認しているようだ。

 ただ、2023年バーレーンGPで、ポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のオンボード映像を見ても、このラインが以前から使われていたのは明らかだ。

 テストにおいてFIAは、ルールを強制するのではなく、アドバイザリー的な立場で関与しているが、来週のバーレーンGPではこの場所にある白線を塗り替えることでトラックリミットを移動し、ドライバーがその上を走るのを一切防ぐという選択肢もあり得る。

 2023年のカタールGPでは、タイヤが縁石から何度も衝撃を受け、トラブルが発生する兆候が見られたため、同様の措置が取られたことがある。