日本GPが開催される鈴鹿サーキットにオープンしたレッドブルの特別ラウンジ「Red Bull Front Row」。F1マシンがコーナーを駆ける様を間近で見ることができるとのこと……おいおい、そんなの行くしかないじゃないか! という訳でmotorsport.com編集部員がパスを頂き潜入。そこは新たなF1観戦スタイルが体験できるスペシャルな空間だった。

 Red Bull Front Rowは、海外の主要グランプリではRed Bull Energy Stationなどとして知られている、VIP向けの観戦エリアだ。これまではモナコやオーストリア、マイアミ、ラスベガスなどに設けられてきたが、2024年は日本GPにも登場した。

 Red Bull Front Rowが設置されたのは、鈴鹿サーキット屈指の高速コーナーであるターン7(旧ダンロップコーナー/現NIPPOコーナー)脇。その名の通り、猛スピードで駆け抜けるF1マシンを“最前列”で見ることができる。

 建物はプレハブの2階建て。1階には地元三重の特産を用いた豪華な料理が楽しめるビュッフェとバーカウンターが用意されている。レッドブル・レーシングの20年の歴史を振り返るホール・オブ・フェイム(殿堂)ならぬウォール・オブ・フェイムを横目に2階へ上がると、ヘルメットやレーシングスーツなどの展示が目に飛び込んでくる。

 2021年日本GPで勝者に贈られるはずだった(最終的にチャンピオン獲得後にマックス・フェルスタッペン/レッドブルへと贈られた)トロフィーや、角田裕毅(RB)の2022年日本GP用特別ヘルメットの展示などは必見だ。

 そして2階にはコースを見渡せる観戦用のバルコニーがある。ダウンフォースモンスターであるF1マシンの異物さ、異様さを一番肌で感じることができるのはコーナリング。このRed Bull Front Rowは猛スピードで高低差のあるコーナーを駆け上がるF1マシンたちを通常のスタンドよりも高い位置から目撃することができる。

 Red Bull Front Rowの楽しみ方はそれだけではない。2階にもバーが設けられ、DJプレイや特製レッドブルカクテルやモクテル(ノンアルコールカクテル)も楽しむことができるスペースになっている。一応、仕事中という都合からアルコール摂取は自制したが、コース上でアクションが行なわれていない合間も飽きさせない仕組みはアッパレだった。

 なおRed Bull Front Rowでは日本GPの3日間をかけて、モダンアート作家である池内信介がマシンパーツを使用したライブペイントを実施。金曜日にはレッドブル・レーシング/RBのリザーブドライバーであるリアム・ローソンや2度のスーパーフォーミュラ王者である野尻智紀が会場を訪れる。

 また土曜日にはフェルスタッペンとレッドブルアスリートである笹原右京、日曜日にはRBの角田裕毅のファン交流イベントも予定している。日曜日には西窪友海によるトライアルバイクのショーケースも実施される。F1マシンの迫力アリ、そして音楽やアートなどのエンタメや食べ物、飲み物の楽しみアリ。そのシナジーが、レースだけではないF1の楽しみ方を作り出していた。

 レッドブルさん、来年の日本GPでも是非お願いします……!