レーシングカーデザイナーとして数々のF1チャンピオンマシンを生み出してきたエイドリアン・ニューウェイが、チーフ・テクニカルオフィサーとして20年近く務めてきたレッドブル・レーシングを離れ、2025年はじめにはレッドブル・テクノロジー・グループからも離脱することになった。発表に際し、チーム代表のクリスチャン・ホーナーも惜別のコメントを寄せた。

 ニューウェイはウイリアムズ、マクラーレンでチャンピオンを経験した後、2006年にレッドブルに加入した。その後レッドブルは強豪チームの一角に成長し、2010年から2013年にかけてセバスチャン・ベッテルが4年連続でタイトル獲得。2021年からはマックス・フェルスタッペンが連覇を続けており、4連覇も確実視されている状況だ。

 創設初期からニューウェイと共にチームを支えてきたホーナー代表はプレスリリースの中で、レッドブルの黄金時代に貢献したニューウェイにはこれからも感謝し続けるだろうと語った。

「過去20年、我々にとっての素晴らしい瞬間は全て、技術面の舵取りをしてきたエイドリアンの手によってもたらされた」

「彼のビジョンと才能によって、我々は20シーズンで13ものタイトルを獲得することができた。F1の枠を超えた幅広いインスピレーションをグランプリカーのデザインに落とし込む彼の卓越した構想力、変化を受け入れ、ルールの中で最もやりがいのある分野に焦点を当てる彼の驚くべき才能、そして勝利へのあくなき意志が、故ディートリッヒ・マテシッツの想像を超えるような大きな力をレッドブル・レーシングに与えた」

「そしてそれ以上に、エイドリアンとのこの19年間は非常に楽しかった。エイドリアンがレッドブルに加入したとき、彼はすでにスーパースターのデザイナーだった。あれから20年、13回のタイトル獲得という実績によって、彼は真の伝説としてその名を残すことになった」

「彼は私の友人でもある。私は彼がこのパートナーシップにもたらしたものすべてに、永遠に感謝し続けるだろう」

「彼が残した遺産は、ミルトンキーンズに燦然と響き渡るだろう。そしてトラックカー(ハイパーカー)のRB17は、彼が我々と過ごした時間を物語るにふさわしい遺産として残るだろう」