RBのダニエル・リカルドはF1マイアミGPのスプリントで4位入賞と、開幕からの苦戦を払拭するかのようなパフォーマンスを見せた。これについてチーム代表のローレン・メキーズは「予期していたこと」だと語った。

 8度のF1レースウイナーであるリカルドは、今季マシンVCARB01のドライブに苦しみ、2024年シーズン開幕からチームメイトの角田裕毅の後塵を拝し続けた。リカルドは2025年のレッドブル昇格の候補だと言われてきたが、その可能性は絶望的となった。

 ただ中国GPで新しいシャシーを投入して以降、リカルドは競争力を取り戻している。

 追突により最終的にはリタイアとなったものの、中国GP決勝でリカルドはポイント争いを展開。マイアミGPのスプリントではフェラーリのカルロス・サインツJr.やマクラーレンのオスカー・ピアストリを抑えて4位フィニッシュを果たし、今季初ポイントを獲得した。

 メキーズ代表は、リカルドは結果こそ出せていなかったものの、ここ数戦で改善を続けていたため、マイアミGPスプリントでの結果は青天の霹靂ではなかったと語った。

「彼にとって、アメリカは第2のホームレースに近いから、大きなプレッシャーがあったはずだ」とメキーズ代表は語った。

「彼はカルロスとマクラーレンに対して信じられないようなディフェンスを見せて、見事にそれをやってのけた。彼にとっては素晴らしい瞬間だった」

「公平に見て、以前から改善の兆しは見えていたが、それを外に説明するのは非常に難しかった」

「サウジアラビアはバーレーンよりも、オーストラリアはサウジアラビアよりも、日本はオーストラリアよりも、中国は日本よりも良いパフォーマンスだった」

「小さなステップを何度も何度も踏み、こうなることは予期していた。彼に合ったマシンにしていくため、次の数戦ではさらなるステップを踏んでいけると思う」

 リカルドが苦戦していた理由について明確な答えがあるかと訊かれたメキーズ代表は、次のように答えた。

「彼が不満に思い、スピードがかなり奪われているところを特定した」

「この足かせを外すため、我々は全てのリストにチェックを入れた。これからの数レースで、さらに改善したいことがいくつかある」

「第6戦(マイアミGP)の前に新しいシャシーを投入することは常に計画されていた。ダニエルがより快適に感じるよう、我々が抱えていた問題を解決するための良い確認事項だった。そして彼は中国とマイアミですぐに良くなった」

「ドライバーに何が起きているのかを理解し、分析できることはチームにとって大きな価値がある。常にデータで見える訳じゃないからね」

「それまで彼の足かせになっていたモノが何なのか、我々はまだ理解しようとしているところで、現在進行系だ」

 リカルドはスプリントで輝きを放った一方で、その後行なわれた予選ではQ1を18番手で敗退。決勝は15位フィニッシュとなった。

 メキーズ代表曰く、この結果の振れ幅は、ドライバーやチームがほんのわずかなミスを犯しただけで、いかに簡単に中団争いからはじき出されてしまうかを示しているという。

「週末のあらゆる局面をトップレベルでクリアしなければならない。もしそれができなければ、すぐにQ1敗退だ」とメキーズ代表は言う。

「スプリント予選とスプリント自体では、ダニエルが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた」

「メインの予選ではタイヤの作動ウィンドウから少し外れてしまい、ちょっとしたミスですぐに脱落となる。それが現実なのだ」

「だからレースが好きなのだ。10〜12台が争っているが、チームにとっては非常に強いプレッシャーになる」