ペドロ・アコスタ(GASGAS)は、MotoGP第5戦フランスGPの3周目に転倒リタイアを喫したが、勝てるマシンがあったとクラッシュを悔やんだ。

 アコスタの資質は以前から明らかだったが、それでもルーキーシーズンからこれほどの活躍をするとは誰も思っていなかっただろう。開幕から5戦でアコスタはすでに2度表彰台に上がっている。

 アコスタは速いだけでなく、一貫性があり、リカバリーの能力にも優れている。しかし、このフランスGPでは、アコスタはその資質を十分に発揮することができなかった。

 3周目、アコスタはファビオ・ディ・ジャンナントニオ(VR46)の後方5番手につけていた。ジャンアントニオは、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)を追い抜こうとしたが、ターン8のブレーキングで2台が失速。これに詰まった形になったアコスタは、たとえ転倒することになったとしても混乱を避けようとしてブレーキをかけ、転倒してしまった。

 このリタイアはアコスタにとって今季初。下位クラスも含めれば、フランスGPはこれで3年連続のリタイアとなった。

「ル・マンでゼロになるのは伝統になってしまっているね」

 そうアコスタは語り、クラッシュの原因自体についてはあまり重要視しなかった。

「でも、ここから先、物事はたいてい良くなっていくのも事実だ」

「アレイシとディッジャ(ジャンアントニオ)が僕の前で争っていて、彼らが少し遅くなった。コーナー進入で僕より先にブレーキをかけたんだ。僕は誰かのレースを壊したくなかったから、転倒したんだ」

 アコスタは、バイクの感触が良く大きなチャンスを逃したかもしれないということに、フラストレーションを感じていると語った。

「僕たちは競争力がある。どんな状況でも、ある程度速さがあるんだ。勝てるような速さがあるバイクだったから、このクラッシュは痛手だった」

「多くのことが起こり得ただろう。でも僕は、ホルヘ・マルティン、フランチェスコ・バニャイヤ、マルク・マルケスのトップグループに入ることができたと思う」

「まだ学ぶことがたくさんある。僕たちはとても自信を持っている。でもまだ望んでいるほどではないんだ」