F1エミリア・ロマーニャGPは、今季のF1ではヨーロッパでの初戦。ファクトリーからも近いため、複数のチームがアップデートを持ち込んでいる。アストンマーティンもそのひとつで、まだ全容は明らかにはなっていないものの、フロントウイングには独特の処理が施された。

 メインの写真を見ると分かる通り、アストンマーティンはフロントウイングの最も上のフラップを3分割。最も内側のエレメントと、最も外側のエレメント、メインのエレメントを分けた構成にし、メインのエレメントと外側のエレメントの接続部分に、V字型の切り込みを設けた(メイン写真の◯の中の赤い矢印の部分)。

 このV字の切り込みの部分は、タイヤの内側のサイドウォールとほぼ同じ位置になっている。これを考えると、ダウンフォースの発生に過度の悪影響を与えることなく、より多くのアウトウォッシュを生み出す手法だと考えられる。

 また、フロントウイングの翼端板にも変更が加えられた。以前のタイプでは、各フラップの最も外側の部分が、アウトウォッシュを生み出す様に外を向く様になっていたが、新しいモノは3枚のフラップとの接続部が集約されるようになった。これにより、この箇所が持つ機能が変わったと見るべきだろう。

■フロントウイングの各エレメントに変更?

 フロントウイングの中央部分も変更されている。メインプレーンの位置が変えられたことで、ノーズ先端の形状を若干変更。これまではメインプレーンの後端が1枚目のフラップの僅か後方に存在していたが、新しいバージョンではメインプレーンがフラップの僅かながらも前にあるようだ。

 このノーズの変更に際し、チームはこの部分を覆うパネルを変更。ドライバー冷却用の開口部を組み込むことができる、小さなパネルが存在している。

 また、フラップとメインプレーンを繋ぐブラケットのレイアウトも変更。従来はノーズの左右に2本ずつブラケットが存在していたが、新仕様ではノーズ左右のブラケットが1本ずつになる、そのぶん中央に太めのブラケットが追加されている。

 なおアストンマーティンは、新しいフロアやサイドポンツーン、エンジンカバーなども変更するモノと見られる。その全ては、金曜日に明らかになるはずだ。