5月18日、19日には九州のオートポリスでスーパーフォーミュラ第2戦が開催されるが、大会直前になってドライバーラインアップの変更があった。ITOCHU ENEX TEAM IMPULの19号車のドライバーとして参戦していたテオ・プルシェールが、インディカー・シリーズ参戦によりチームを離脱。代役としてベン・バーニコートが起用されることになったのだ。

 昨年のFIA F2チャンピオンということで、注目ドライバーのひとりであったプルシェール。開幕戦ではセットアップなどが噛み合わず18位という結果に終わったが、チームとしてもプルシェールを高く評価しており、第2戦でのリベンジに意気込んでいるという話も聞こえてきていた。

 しかしながら、デビッド・マルーカスの代役としてアロー・マクラーレンからインディカーにスポット参戦していたプルシェールは、マルーカスのチーム離脱に伴い、アロー・マクラーレンの正ドライバーとしてインディ500を除いた残りレースに参戦することが発表された。この発表があったのが、オートポリス大会1週間前の日本時間5月10日(金)だ。

 TEAM IMPULはその4日後の5月14日(火)、代役にベン・バーニコートを起用することを発表した。バーニコートはかつてはジュニアフォーミュラで活躍し、現在はレクサスを駆りアメリカのIMSAでGTD Proクラス王座に輝いたドライバーだ。

 プルシェールの離脱、そしてバーニコートの代役起用の舞台裏ではどういったことが起こっていたのかは非常に気になるところだが、TEAM IMPULの星野一樹監督はこの件について多くを語ることはせず、「お話しできるのは、テオ・プルシェール側がインディにいくことを決めて、チームを離脱したこと。そして今回は代役にベン・バーニコートを起用して挑む、ということです」とコメントするのみだった。

 ただ聞こえてくる話によると、プルシェールの離脱はかなり急なことだった様子。プルシェールのインディカー参戦発表からインパルの代役発表まで4日のインターバルがあったことも、それと無関係ではないはずだ。なお、チームからの公式発表にあるように、6月の第3戦SUGO以降の19号車のドライバーについては全くの白紙とのこと。バーニコート本人も今回のレースに向けて、「堅実な仕事をして、彼らがフルタイムの後任を探している間にその穴を埋めたい」とmotorsport.comにコメントしていた。

 ドライバーラインアップを急遽変更せざるを得なかったものの、星野監督は昨年12月のルーキーテストでトムスから参加して好タイムを出したバーニコートに期待しており、苦しいレースとなった開幕戦のリベンジをしたいと語った。

「チームとしては鈴鹿でハマってしまった部分がありました。それに対して何がいけなかったのかを探ることに時間を費やし、ハードワークをしてきました」

「その答え合わせを同じ体制でしたかったのですが、それはできなくなりました。ただバーニコート選手はルーキーテストでものすごく速かったですし、(スーパーフォーミュラが)全て初めてという状況の中であそこまでやってくれたので、すごく期待しています。チームとしては、鈴鹿でダメだったことのリベンジをしにきたという感じです」