オートポリスで行なわれたスーパーフォーミュラ第2戦。PONOS NAKAJIMA RACINGの山本尚貴は、予選で3番グリッドを確保した。

 首の大怪我を乗り越え、開幕戦鈴鹿では予選5番手、決勝3位と好結果を残した山本。これはウエットコンディションの中で優勝を果たした2022年のもてぎ戦を除けば、NAKAJIMA RACING移籍後最高のリザルトであった。

 そして今回の第2戦でも予選3番手。2戦連続で予選トップ5に入ったことで2戦連続表彰台のチャンスも高まる位置からのスタートだ。3度のスーパーフォーミュラ王者である山本は往時の輝きを取り戻しつつあるようにも見える。

 予選後の記者会見で、山本は次のようにコメントした。

「予選に向けて尻上がりに調子を上げていくことができました。正直3番手になれるとは思っていなかったのですが、結果的に3番手になることができて、非常に良い予選になったなと思います」

「前回の予選は5番手で、チームメイトの佐藤(蓮)選手に負けてしまったので、今回の予選では『5番手以上、チームメイトに勝つ』ということがひとつの目標でした。ですので個人的にはそれをクリアできて良い予選になりました」

 良い予選であったと繰り返した山本だが、この2戦連続での予選トップ5入りはリザルト以上に大きな意味を持つ可能性がある。

 というのも、NAKAJIMA RACINGは涼しい低温コンディションでのパフォーマンスが高く、逆に高温のコンディションでは相対的にパフォーマンスが落ちる傾向にあった。今季も2月のテストで好調で3月の開幕戦でも好成績を残したが、山本はじめチームの面々は気候が暖かくなってからのレースへの懸念や心配を隠していなかった。

 今週のオートポリス戦は路面温度が40℃を上回る暑さとなったが、それでも山本は予選3番手を手にした。高温なコンディションでのセットアップで何か手応えを掴んだのかと尋ねると、山本はこう答えた。

「僕もそこに関しては心配していました。朝から既に開幕戦よりも路面温度の高い状態でしたが、その時の調子はあまり良くなかったので……暑くなってくると、NAKAJIMA RACINGの苦手な部分が出てきちゃうのかなというのは感じていました」

「終わってみたら3番手ということで、そこまでのリカバリー、アジャストを含めてかなり良いステップを踏めたと思います。一方で佐藤選手がQ1で落ちてしまいましたが、NAKAJIMA RACINGとして2台のセットがちょっと違ったりとか、運転の仕方も違ったりしているので、何をやったらタイムが出るのか出ないのかという点で、チームとしては良いデータが取れたのかなと思います」

「次のSUGO戦や富士テストに向けて良い材料は揃ったのかなと思います。64号車(山本号)に関しては調子が比較的良いので、まずは決勝で良いデータを取って、シーズンを通して上位で戦い続けるという今年最大の目標に繋げたいです」

 なお山本が言及した通り、開幕戦で好調だった佐藤はQ1でノックアウトとなり15番手だった。チームメイトの山本が好調だが、当然山本と同じセットアップを採用したからといってフィーリングが同じになるとも限らない。状況を改善しようとセットアップを変更したがむしろ悪化してしまったといい、お手上げといった様子。「原因を究明して、明日挽回したいです」と話した。