キャデラックの2号車V.シリーズ.R(アール・バンバー/アレックス・リン/アレックス・パロウ)は、2024年のル・マン24時間レースで7位フィニッシュ。パロウは、ミックスコンディションにおける苦戦が際立っていたとレースを振り返った。

 予選でリンが2番手を確保して決勝へ挑んだ2号車。序盤は17番手までポジション下げてしまったが、それ以降は堅実なレースを展開した。

 非常に不安定なコンディションの中、夜間にノーズを交換したこと以外は大きなトラブルもなく、2号車はポジションも徐々に回復。レース21時間経過時点では、トップに立っていた。

 ただ2号車はピット戦略がライバル達とはズレていたため、ピットストップによって順位を下げていくことも多かった。

 終盤、再び雨が降り路面を濡らすと2号車は苦戦。最終的には優勝したフェラーリの50号車から49秒差の7位フィニッシュとなった。

 パロウはレースを振り返ると2号車が調子良く走れたところもあったものの、全体としてミックスコンディションにかなり苦労してしまったと語った。

「当然だけど、優勝を争えなくて残念だ」と、パロウはmotorsport.comに語った。

「残り10時間あたりから、僕らはかなりいい感じだったと思う。最後の2時間もそうだったね」

「残念だけど、最後は必要なだけのペースがなかった。雨でグリップには全体的にかなり苦戦していて、ミックスコンディションでもそうだった。とても楽しかったし、凄く良いスティントもいくつかあった。だけど最終的には、必要なだけのペースがなかった」



 また今回のル・マンでのパフォーマンスから自らとキャデラックの改善できる部分について尋ねられると、パロウは「いつだってあるよ!」と答え、次のように続けた。

「短いレースでも、常に改善ができることはあるんだ。24時間レースならなおさら、ね! みんなが同じ気持ちだと思うよ」

「ミックスコンディションではかなり苦労していた。僕らは完全なウエットやドライコンディションなら良かったんだけど、ミックスコンディションではあまり良くなかったんだ。それがマシンのセットアップなのかドライビングなのか、BoPのせいなのかを見極める必要がある。今のところは分からないけど、理想的ではなかったのは間違いないね」

「(ミックスコンディションでは)ペース不足に尽きる。僕らは速く走れなかったんだ。頑張ろうとプッシュしたら、タイヤをダメにしてしまった。ペースが足りない状態だった。周りのペースについていこうとするまではマシンも大丈夫だった。その後、凄くグリップを落としてしまったんだ」

 2015年と2017年にポルシェでル・マンを制した経験を持つチームメイトのバンバーもパロウの言葉に同意している。

「僕たちはドライコンディションでは素晴らしいペースがあった。でも結局、ウエットではそうではなかった。そのことによって、僕らのレースは最後に台無しになった。僕たちは間違いなく競争に加わっていたし、目標に向けてまたもう一歩近づいたよ」

 なお残るキャデラック勢の3号車と311号車は、パロウ達よりも苦しいレースになった。3号車はオイル漏れのトラブルを抱えてリタイアし、311号車はインディアナポリス・コーナーでのクラッシュを経験し、29位に終わっている。