RBの角田裕毅は、2026年のF1でホンダを相手に戦うことになったとしても、それはそれで素晴らしいことだと語ると共に、完全にホンダとの関係が切れるわけではないと語った。

 6月27日、アストンマーティンはドライバーのランス・ストロールと”2025年以降”まで契約を延長したことを発表した。既にアストンマーティンはフェルナンド・アロンソとの契約も更新しており、これで新レギュレーションが導入される2026年シーズンの同チームのラインアップが確定したわけだ。

 このアストンマーティンは2026年からF1に正式復帰するホンダのパワーユニットを使うことが決まっている。ホンダは常々、新レギュレーションが導入される1シーズン目には1チームにのみPUを供給すると主張しているため、ホンダPUを搭載するマシンのドライバーが全て決まったということになる。

 つまり角田裕毅が、ホンダPUを使用する可能性が潰えたというわけだ。

 これについて角田は、ホンダPU搭載マシンをドライブする可能性が完全に潰えたわけではないとしながらも、ホンダと戦うことになってもそれは素晴らしいことだと語った。

「まだ絶対にというわけではないと思いますが、どうなるか分かりません」

 オーストリアGPの木曜会見で、2026年は初めてホンダと共に働かないシーズンになるのではないかと尋ねられた角田はそう語った。

「ホンダが僕が倒さなきゃいけない最強の相手のひとつとなるのか、それは興味深いことですよね」

「もしそうなっても、僕は楽しみにしています。ホンダと戦えることに興奮すると思います。実際、ホンダは良いエンジンを持っているのが分かっています」

 しかしホンダPU搭載マシンを走らせる可能性も、角田は少し匂わせた。

「でも、何が起きるか分かりません、僕がホンダエンジンを搭載したマシンをドライブするなら、それも素晴らしいことだと思います」

「今のところ、ホンダはアストンの所に行き、僕がレッドブル・ファミリーの一員であり続けるなら、それはエキサイティングなことです」

「でもご存知のように、完全に別れを告げるようなことはありませんよ」

 なおホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長は以前、motorsport.com日本版の取材に、角田の将来について次のように語っていた。

「角田選手には、まずは今のRBでしっかり活躍してもらい、レッドブルに昇格してもらう……それが非常に美しいストーリーだと思います。もし仮に、それが我々がいなくなった後(レッドブルがホンダ/HRC製PUを使わなくなった後)だとしてもです」

「日本人ドライバーがトップチームに登り詰めていくこと、それは我々もしっかりと見守っていきたいです」