トヨタのカッレ・ロバンペラは、WRC第7戦ラリー・ポーランドを優勝。代役参戦で準備期間がない中で勝利したことの重大さを理解するには時間がかかると語った。

 レッキ中にセバスチャン・オジェが交通事故に遭ったことで欠場を強いられたことから、トヨタは急遽ロバンペラを招集した。

 2年連続でWRCチャンピオンに輝いたロバンペラは、今季オジェとマシンをシェアする形でパートタイム参戦しており、今回はオフの予定だった。

 ロバンペラはジェットスキーの整備、コ・ドライバーのヨンネ・ハルトゥネンはエストニアでタトゥーを彫っていたところ、トヨタのチーム代表であるヤリ-マティ・ラトバラから火曜日の夜にポーランド行きの飛行機に飛び乗るようにとの連絡を受けたという。

 ふたりは、事前のテストや車載ビデオでの事前学習といった通常の準備なしにポーランドに向かい、急きょステージの下見をすることになった。そんな状況にもかかわらず、ロバンペラはトヨタのチームメイトであるエルフィン・エヴァンスに28.3秒差をつけて勝利を飾った。

「確かに(優勝について)今はそれほど変わった感じはしない。僕たちはずっと働いてきたし、ハードワークの結果に過ぎないんだ」

「でも、後になって(自分が何をしたのか)気づくことになるだろう。すごくタフだったから今はただすごく疲れているけど、最終的にここにいられて嬉しいよ」

「もちろん、ヘルメットをかぶるたびにベストを尽くそうとするけど、それほど多くを期待していたわけではないと言わなくてはいけない」

「チャンスは常にあるものだけど、自分自身のことを頼りにするしかない。常に前進し、挑戦し続けなければならないんだ」

 ロバンペラは、いつものような綿密な準備なしにステージに臨むことが怖かったこともあったと認めたが、この1週間で最も苦労した点としては疲労からの回復を挙げた。

 23歳とまだまだ若いロバンペラだが、夜遅くまでペースノート作成に取り組んだ後、ノートパソコンを開きながら眠ってしまったと明かした。

「一番大変だったのは寝不足で、週末を迎えた時には疲れ切っていたことだ」

「その前の週末はよく眠れなかったし、月曜日は友人とNHLの決勝を見ていて、翌朝はレッキに向かうために起きていた」

「ドライビングの面では、そのステージを初めて走る時にはマージンを残そうとしていた。予想していた通りだけど、何ヵ所か驚く場所があったしね」

「ハードにプッシュするのはそう簡単ではなかった。リスクを冒す場所を選ぶ必要があったんだ」

「(自分の走り方は)かなりクレバーだったと言わざるを得ない。ミスはなかったし、すべてが思い通りに運んだ」

 ロバンペラはラリー・ポーランドを終えてもオフになるわけではない。すぐにポーランドからイモラに向かい、月曜日の朝8時からポルシェ・カレラカップ・ベネルクスのテストを行なう多忙なスケジュールとなっている。