ザクセンリンクでMotoGP第9戦ドイツGPが開幕。初日のプラクティスでは、アプリリアのマーベリック・ビニャーレスが最速タイムを記録した。

 サーキットは曇り空に覆われ、気温、路面温度はそれぞれ18度、26度と低めのコンディションでセッションが行なわれた。

 FP1ではホルヘ・マルティン(プラマック)がトップタイムで発進。このザクセンリンクを大得意とするマルク・マルケス(グレシーニ)は終盤に転倒があり2番手タイムだった。

 プラクティスが始まると、マルケスはFP1と同じように1周しただけでピットイン。マシンに何か不満があるようで、チームのドゥカティスタッフらと言葉をかわしていた。

 マルケスはその後時間をさほど空けずにコースへ戻ったが、ターン11でハイサイドを喫し大クラッシュ。体を路面に打ち付けたため、一瞬グラベルでうずくまったが、その後は自力でコースを後にした。なおターン11ではマルケスの前にマルコ・ベッツェッキ(VR46)も転倒していた。

 序盤10分の段階ではフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が1分20秒649で暫定トップタイム。チームメイトのエネア・バスティアニーニが2番手に続いた。

 なおマルケス以外にもハードな転倒は続いた。ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46)が残り40分を切った頃に、ターン1で転倒……衝突したマシンでバリアが破損したため、修復のため赤旗中断となった。

 ディ・ジャンアントニオはこの転倒で体を痛めた素振りを見せた。ただその後のメディカルセンターでの検査の結果、復帰に問題はないと診断され、セッション再開後には再び走行している。

 バリアの修復が終わり、セッションは残り約37分から再開。マルケスもディ・ジャンアントニオ同様に復帰した。

 大クラッシュの後でもマルケスは全くひるんでおらず、体を慣らしたあとにアタックすると暫定トップを更新する1分20秒384をマークする速さを示した。その後マルケスは一度モーターホームに戻ってスーツからチームウェアに着替えて走行を切り上げ、メディカルセンターへと向かった。転倒の影響が心配されたが、走行に問題はないと診断された。

 プラクティスの再開後も転倒が続発。中上貴晶(LCRホンダ)、ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ)、ペドロ・アコスタ、ラウル・フェルナンデス(共にGASGAS)らが再開から10分ほどの間に転倒してしまった。

 残り15分を前にアタックが活性化し、タイム更新が連発。ビニャーレスの記録した1分20秒035が暫定トップタイムとなった。それ以降も断続的にアタックが続き、残り8分でビニャーレスが1分19秒622を記録。レコードを更新する速さを見せた。

 プラクティスの終了直前にも予選と見紛うばかりの激しいアタック合戦が繰り広げられたが、トップタイムを更新するライダーは現れず。プラクティスのトップはビニャーレスとなった。2番手はマルティン、3番手はミゲル・オリベイラ(トラックハウス)だった。

 FP1はスロースタートだったフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)は5番手でしっかりとQ2直接進出を決めた。

 走行を早く切り上げたマルク・マルケスはライバルのタイム更新に押しやられ、最終的に13番手タイム。”ザクセンリンクの王”の異名を持つマルケスだが、予選はQ1スタートが決まった。

 アレックス・リンス(ヤマハ)の代役で参戦するレミー・ガードナーは、終盤に転倒を経験。タイムはトップから1.78秒差の20番手だった。

 ホンダ勢はヨハン・ザルコ(LCRホンダ)が16番手で陣営トップ。中上は18番手タイムだった。