マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界第十九回 「マルタイラーメン」のカップ麺 文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」を食べてレビューする連載の第十九回目です。今回は、「棒ラーメン」でおなじみ福岡県のご当地商品、「即席マルタイラーメン」のカップ麺バージョンを紹介していきます。

マルタイラーメンのカップ麺 マルタイラーメンのカップ麺

「棒ラーメン」でおなじみ

マルタイラーメンは、福岡県のマルタイが製造する、登録商標「棒ラーメン」の愛称でおなじみの即席麺です。棒状ラーメンはマルタイ以外にも、サンポー食品(佐賀県)の「三宝ラーメン」や五木食品(熊本県)の「アベックラーメン」などがありますが、知名度ではマルタイが他社を大きく上回っており、店頭で最も多く見かけるのではないかと思います。

おなじみの棒ラーメン「即席マルタイラーメン」 おなじみの棒ラーメン「即席マルタイラーメン」

棒状ラーメンは、マルタイラーメンと三宝ラーメンが1959年、アベックラーメンが1960年に発売。1971年に世界初のカップ麺として発売されたカップヌードルより10年以上古い歴史があります。

棒ラーメンとしておなじみのマルタイラーメンですが、実はカップ麺もラインアップされています。しかもどんぶり型とタテ型の2種類も!

どんぶり型は棒ラーメンとパッケージのデザインが共通。タテ型は色合いは似ていますがデザインは異なっています。どんぶり型が150〜200円程度、タテ型が100円ちょっとくらいで売られており、価格差があるようです。

現在マルタイは、看板商品の棒ラーメンと皿うどんのみを自社製造し、カップ麺含む他の商品はサッポロ一番でおなじみサンヨー食品に製造を委託しています。今回の2つのカップ麺も、サンヨー食品によるOEM商品です。

左:どんぶり型 右:タテ型 左:どんぶり型 右:タテ型

マルタイラーメンカップ麺の内容物を確認

どんぶり型とタテ型のカップ麺2種について、まずは内容物を確認していきます。棒ラーメンはノンフライ麺ですが、カップ麺はどちらも油揚げ麺を使用。麺量はどんぶり型65グラムに対してタテ型が50グラムとなっています。

どんぶり型には粉末スープ、かやく、調味油の3袋入っていました。タテ型に別添袋はなく、カップに予めスープ粉末やかやくが入っています。上の写真は左のどんぶり型の粉末スープとかやくを開けた状態で、具は明らかにどんぶり型が充実。タテ型のスープ粉末は濃い色をしています。

棒ラーメン 棒ラーメン

本家の棒ラーメンはこんな味

まずは本家棒ラーメンの味を確認します。豚骨ベースのあっさり醤油味に別添のごま油を加えたスープで、ほんのりとかつおの風味を効かせています。麺はストレート形状のノンフライ細麺。具は入っていないので、必要な場合は自分で用意して入れる必要があります。今回は入れませんでした。

何と言っても生麺食感のノンフライ麺が特徴的です。ごま油の香ばしさがアクセントになっていて、最後まで飽きないおいしさ。麺もスープも昔ながらの長浜豚骨ラーメンを思わせるものがあります。あっさり味ながら本格的な味わいで、インスタント麺で棒ラーメンがいちばん好きだという人がいる理由がよくわかります。

それぞれ異なるスープの味わい

続いて、カップ麺2種を食べていきます。どんぶり型とタテ型ともに「マルタイラーメン」を冠していますが、両者のセールスポイントは異なっていて、それぞれパッケージに、どんぶり型は「5種の彩り野菜」「カップで味わうマルタイラーメン」、タテ型は「ごま油の香りとカツオの旨みがきいたあっさり醤油スープ」と書かれています。

どんぶり型カップ麺 どんぶり型カップ麺

どちらのスープも豚骨ベースのあっさり醤油味ですが、どんぶり型のスープは醤油が濃く、棒ラーメンと比べるとパンチがあります。棒ラーメンが醤油味とも豚骨味ともつかないのに対し、どんぶり型のスープは明らかに醤油味です。

棒ラーメンが昔ながらの長浜ラーメンなら、どんぶり型は素朴な醤油ラーメンという印象を持ちました。棒ラーメンとはまた違う魅力のあるスープです。

タテ型カップ麺 タテ型カップ麺

一方のタテ型のスープは、どんぶり型に比べるとおとなしい味ですが、棒ラーメンよりもかつおが強めで、こちらは魚介醤油味。あっさりやさしい味です。

両カップ麺とも、棒ラーメンの特徴であるごま油の風味が感じられます。どんぶり型は別添袋でごま油を加えて風味が強いのに対し、タテ型はほんのり香る程度。ごま油が強い分、どんぶり型の方が棒ラーメンに近い味でした。

麺 上:どんぶり型 下:タテ型 麺 上:どんぶり型 下:タテ型

麺や具にも違いがある

両者同じような細さの油揚げ麺が使われていますが、湯戻し時間はどんぶり型が3分でタテ型が2分半となっています。どんぶり型の縮れが強く、タテ型は緩やか。どんぶり型よりもタテ型は食感がソフトでした。

棒ラーメンの再現性については、食感ではちょっとかためのどんぶり型が近く、形状では縮れ緩やかなタテ型が近かったですが、棒ラーメンがノンフライ麺なのに対してカップ麺は両方とも油揚げ麺という違いがあり、どちらも棒ラーメンとはまったくの別物でした。

具 上:どんぶり型 下:タテ型 具 上:どんぶり型 下:タテ型

両者に共通して、ナルト、ねぎ、かきたま、メンマ、そぼろ肉を模した乾燥油脂が入っています。ナルトはタテ型が多く、ねぎはどんぶり型が充実。他についてはそれほど大きな違いはありません。

共通して入っている具の他に、どんぶり型には大きめのカニカマが入っています。パッケージに「5種の彩り具材」と強調されているだけあって、どんぶり型の方が具は充実していました。タテ型の方は100円程度で買える価格なりのボリュームといったところでしょう。

カップ麺2種にはそれぞれ棒ラーメンとは違う魅力がある

「マルタイラーメン」のカップ麺2種を食べてきましたが、両者ともノンフライ麺を使用して生麺食感が味わえる棒ラーメンとは別物ではあるものの、それぞれに強みがありました。

どんぶり型は、素朴ながら比較的濃いめの醤油味で具も充実しており、棒ラーメンとはまた違った魅力を打ち出せています。タテ型は魚介を強めに感じられることと、安価で購入できるコスパが魅力。

棒ラーメンは比較的手に入りやすいですが、カップ麺は九州以外で見かけることはあまりないのではないかと思います。九州を訪れた際には九州土産にでも購入して、棒ラーメン含めた3種のご当地の味を食べ比べてみると面白いのではないでしょうか。

筆者:オサーンカップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。Twitter(@ossern)