文京区を走るコミュニティバス内などに置かれているフリーペーパーが、一部の人々に深く刺さると話題になっている。

その雑誌の名前は、「beople」。注目を集めているのは、「2021年春号」(21年3月発行)。

「日常に棲む文京七不思議」と題されたその号の表紙が、こちらだ。

どう見てもアレだ...(画像は編集部撮影)

なんだか非常に既視感がある......。

ピラミッド型にデザインされた「ビー」というタイトル、そして両脇に青字で書かれた「SUPER MYSTERY MAGAZINE BEOPLE」と「文京区の謎と不思議に挑戦する」というこちらも見覚えのあるキャッチコピー。

特集されている「七不思議」も

「暴かれた妖怪の正体 井上円了」
「切支丹 300年の叫び 宣教師シドッチ」
「危うし、憑かれ坂 猫又坂」

など好奇心をくすぐる、オカルティックな雰囲気漂うものばかり。

このディープな情報誌に、ツイッターでは

「ムッ!! これは!!!」
「刺さる!」
「心惹かれるデザイン」
「なんとも、手に入れたい一冊だわん」
「読んでみたい クオリティー高ッッ」
「こんなん無意識に手に取っちゃうじゃんか」

といった反応が寄せられている。

どんな内容なのか、読んでみたい――。気になったJタウンネット記者は、文京区役所で、現物を入手してきた。

表紙へのこだわりは「内容と同じか、それ以上」

このフリーペーパーの名前は「ビー」...ではなく、「beople(びーぷる)」。文京区内を「千駄木・駒込ルート」と「目白台・小日向ルート」の2路線でまわる区のコミュニティバス「B−ぐる」の沿線情報を紹介する無料情報誌だ。

早速、入手した「beople」を読んでみると、丸ノ内線(東京メトロ)の線路を潜る頭をぶつけてしまいそうなほど天井の低い「抜け穴」や、区内でそこだけ山手線の内側から飛び出している「三角地帯」の謎......といった情報が、現地の写真や地図と共に紹介されている。

文京区に馴染みがない記者(神奈川県出身・在住)にとっては、初めて知ることばかりで非常に面白い。

冊子を手に区内を歩いてみたくなるものばかりだ。

デイープな情報(画像は編集部撮影)

「beople」を発行しているのは、B−ぐると文京区を愛するボランティアの人たちで構成されている「B−ぐる友の会」。

Jタウンネット記者は4月20日、同誌の編集責任者である沼田洋一郎事務局長(58)に詳しい話を聞いた。

「B−ぐる友の会」には現在は10人の会員がおり、情報誌の発行だけではなく、夏休みに実施される「B−ぐる洗車ツアー」や、区内のイベントでB−ぐるに関連したグッズの販売などを行っている。

情報誌「beople」は、毎回異なるテーマで年に3回ほど発行され、B−ぐるの車内や区役所をはじめとした区内の公共施設に置かれる。

「どんな特集にするのか、そのアイデア提案や情報収集は会員みんなで、記事の執筆や取材など、編集に関することは主に私と2人の会員の計3人で行っています」

と沼田さん。

元々はB−ぐる車内に設置されているモニターの補助的な役割だったというこの冊子。

しかし、18年から現在の形となり、独自の内容を発信しはじめた。

「B−ぐるの沿線情報誌として、いろいろなお店や観光スポットを紹介しています。
しかし、読者の方の多くは文京区民の方。それならばお届けするのは月並みの情報ではダメだ、ということで区民の方でも知らないような情報を発掘することをモットーに作成しています」(沼田さん)
文京七不思議(画像は編集部撮影)

内容はもちろん、表紙のデザインにも力を入れている。

「毎回、内容と同じか、それ以上にこだわっています」

と沼田さん。たとえば、19年冬号は文芸作品、19年夏号はワールドツアーをテーマとしていたため、それぞれその特集を意識したデザインにしたそうだ。

どちらも、思わずクスリと笑ってしまう仕上がりになっている。

これは...「○○る」?(19年冬号、B−ぐる友の会の公式ウェブサイトより)
「beopleの発行のときにお世話になっている区内の印刷会社のデザイナーさんと相談して、いつも決めています」

とのこと。

今回、beopleがツイッター上で話題となったことに対し、沼田さんは

「こういったことは初めてなので、とても興奮しています。

中身もさることながら、表紙は普段からとても頭を使って、いろいろ考えているので、それを話題にしていただけてとても嬉しく思います」

とコメントした。

ちなみに次回の発行予定は、8月とのこと。

なお、今回の号も含めてバックナンバーはB−ぐる友の会の公式ウェブサイトで読むことができる。