球場での野球観戦に興味はあるけど、一歩踏み出す勇気がない......。

こんな思いから、けっきょく自宅のテレビで応援している野球ファンも多いのではないだろうか。

特に、好きになってから日が浅い場合は、球場に足を運ぶことに不安を感じるかもしれない。

ツイッターでは、そんな球場での野球観戦のハードルを下げてくれる冊子が話題になっている。

その名も「はじめてのスワローズ 観戦ガイド 2021」。タイトルの通り、「東京ヤクルトスワローズ」が発行している冊子だ。

観戦ガイド(画像は安藤かなみ@kanamiandoさん提供)

2021年6月7日、フリーライターの安藤かなみ(@kanamiando)さんが自身のツイートで

「全球団でやってくれでしかない」

とこの冊子を紹介すると、1万を超えるいいね(11日夕時点)を集めるなど、注目の的になっている。

安藤さんが投稿した冊子の中には、

「東京ヤクルトスワローズはこんなチームです」

と、球団の歴史や球団名の由来、変遷について分かりやすくイラストつきで説明されていたり、

「野球のこれなに? ちょこっと解説します」

と野球のルールについての説明がされているなど、初心者にも有難い内容。

確かにこれは全球団でやってほしい......。

この冊子に対し、他のツイッターユーザーたちからも

「ヤクルトすてき!これ全球団欲しい! 交流戦だとセ・パそれぞれあまりわからなかったりするから、対戦チームの分の配布もあると一層よき」
「素晴らしい取り組み こういうのが大事なんだよ」
「素敵すぎる ちびっこにも良さそう」
「野球ってルールがややこしいとこあるからこういうのあるとファン層広がると思う」

といった称賛の声があがり、他球団のファンからは「うちでも作ってほしい」といった要望が寄せられている。

入手したのは6日の交流戦

Jタウンネット記者は8日、投稿者の安藤かなみさんを取材し、冊子について詳しく聞いた。

安藤さんによれば、入手したのは6日、明治神宮野球場(新宿区)で実施された埼玉西武ライオンズとの交流戦。

「この日はレディースデーというイベントが行われていて、女性向けの催しがたくさん。この冊子も、その一環だったのかなと思います」(安藤さん)

安藤さんは、母親の影響と、大学が神宮球場に近かったことからずっとヤクルトを応援している。また、17年から2年間、埼玉西武ライオンズの主催試合を中継するラジオ番組「サンデーライオンズ」(NACK5)でレポートを担当していたため、同チームも熱烈に応援しているとのこと。

そんな熱烈な野球ファンの安藤さんに、この冊子の感想を尋ねた。

「良い点は、まず絵がかわいい!ほっこりします。東京ヤクルトってなに?というところから、野球のルール、本拠地・神宮球場の豆知識まで、初心者にもすでにファンの人にもわかりやすく説明されていて、読み応えがありました。
観戦したことないけど、行ってみたいという友人にぜひ読んでもらいたいです」(安藤さん)
絵がかわいい(画像は安藤かなみ@kanamiandoさん提供)

また、安藤さんが一番感動したのは、「全選手を年代別にわけて紹介してあるところ」だそう。

その理由は

「『誰を応援しようかな』と思ったときに、自然と同級生を応援してしまうので...(笑)」

とのことだった。

「スワローズに興味を持ってもらえるきっかけ」に

Jタウンネット記者は、冊子についてもっと詳しく知るべく、ヤクルト球団にも取材し、9日に球団の広報担当者から回答を得た。

まずこの「観戦ガイド」の発行経緯を尋ねた。

「6月5日、6日埼玉西武戦では『Swallows LADIES DAY』を実施しました。
LADIES DAYという企画をきっかけに、神宮球場に野球観戦をしに来てほしいという想いと、野球のこと、スワローズのことをよく知らない人が、何かをきっかけに興味を抱き、楽しめるような『何か』を提供したいと思い、『はじめてのスワローズ観戦ガイド』を制作いたしました」(広報担当者)

毎年発行しているものではなく、今回の「LADIES DAY」にあわせて制作したものとのこと。

ただ、同球団では18年に観戦に関する冊子「つばめガイド」を作成しており、「はじめてのスワローズ観戦ガイド」はこの「つばめガイド」の内容を参照した部分もあるそうだ。

ではこの「はじめてのスワローズ観戦ガイド」、どのような内容で、どんなことをこだわって作られたものなのだろうか。

そう聞くと、担当者は

「『はじめてのスワローズ観戦ガイド』を読んでくれた人が、少しでもスワローズに興味を持ってもらう、きっかけづくりの一冊にしたかったです」

との思いを述べた上で、以下のように語った。

「制作するにあたって、こだわったことは3つです。
・イラスト中心にして、説明文は添える程度にすること
・野球の専門用語ばかり並べるのではなく、スワローズファン、野球好きなら知っている『基本的なこと』を伝えるイメージで構成
・全体のページ数は少なめにし、パラパラとめくっても、ある程度の内容が分かるようにすること

裏表紙にも記載しましたが、まだまだスワローズの魅力はこの観戦ガイドでは紹介できていないので、少しでも興味をもっていただけたのであれば、これからは、自分なりの楽しみ方をたくさん見つけてほしいと思っています」(広報担当者)
「基本的なこと」を分かりやすく(画像は安藤かなみ@kanamiandoさん提供)

なお、「はじめてのスワローズ観戦ガイド」がツイッターで話題となったことについて、担当者は

「話題になっているという実感はありませんが、SNSなどで試合当日に来場された方が楽しんで読んでくださったこと、他の方(第三者)へ紹介している投稿を拝見しました。

来場者向けに実施したアンケートでも、『初めて野球観戦に行く友人と観戦し、観戦ガイドでとても楽しんでもらうことができた』、『親しみやすい観戦ガイド』、『初めてじゃない人も楽しめた』などの意見をいただきました。

制作当初に想い描いた理想像を現実にすることができ、大変嬉しく感じています。
想い描いたイメージをカタチにしてくれたデザイナーをはじめ、協力していただいた方々にはとても感謝しています」

とコメントした。

元々はLADIES DAYを実施した2日間限定での来場者向けの配布を想定していた冊子だが、好評だったことを受け、18日に神宮球場で行われる中日ドラゴンズ戦での配布が決まっている。

その先の配布についてはまだ未定のようだが、もしかすると手に入れられる機会が増える可能性もある......かもしれない。

球場での野球観戦にハードルを感じているという方、まずはこの冊子をお目当てに足を運んでみてはいかがだろうか。

6月15日12時50分追記:記事初出時、内容の一部に不足がありましたので修正いたしました。