日本中どこにでもある「ブロック塀」。あまりにもありふれた存在で普段意識することは少ないかもしれないが、意外にもその世界は深い。

例えば、こんなブロック塀を見たことがあるだろうか。

透かしブロックが魚の柄になっている(画像はblockwork@greatblockworkさんのツイートより)

こちらツイッターユーザーのblockwork(@greatblockwork)さんが2022年5月24日に投稿した写真だ。

ブロック塀には、通気性や装飾性を確保するために穴の空いた「透かしブロック」と呼ばれるものがある。3つの山が重なったようなデザインになっている「青海波」と呼ばれるデザインが代表的だが、投稿に映っている透かしブロックは、なんと魚のデザインになっているのだ。

この写真はblockworkさんが、北海道函館市内で撮影したものだという。海の幸が豊富な北海道ならではのデザインなのかもしれない。

よくぞ見逃さなかったと感心してしまうが、blockworkさんにはある趣味があるのだ。

まだまだあった驚きの「透かしブロック」

blockworkさんの趣味は「ブロック塀」探索。

15年ほど前からこれまでに、5000以上のブロック塀を撮影してきたと語る。しかも、全国各地で。

その記録を見ていくと「透かしブロック」がいかにバリエーション豊富なのかがわかる。

鳥の透かしブロック(画像はblockwork@greatblockworkさんのツイートより)

こちらは島根県にあったブロック塀。青海波の上に設置されているのは鳥の透かしブロックだ。青海波と鳥の組み合わせで縁起の良いとされる「波に千鳥」を表しているのだろうか。

動物のデザインもインパクト抜群だが、植物の柄でも珍しいものがあるそう。続いて紹介するのは、徳島県内で出会ったという、チューリップ模様の透かしブロックだ。

チューリップの透かしブロック(画像はblockwork@greatblockworkさんのツイートより)

洋風なデザインでちょっとメルヘンチック。自分の家にも同じデザインのものを取り付けたくなるようなおしゃれさだ。

ごくごく限られた地域でしか見られないデザインも

透かしブロックには、底知れない魅力がある。

blockworkさんの投稿を見て、Jタウンネット記者はそのことに気付いた。

ではblockworkさん自身は、どんな経緯で透かしブロックの世界の奥深さを知ったのだろう。本人に尋ねてみると

「旅行などで各地に出かけるうちに、コンクリートブロックに地域ごとの特徴があることに気がついて集めてみることにしました」

と教えてくれた。blockworkさんの過去の投稿を見てみると、「(透かしブロックの模様部分に)つぶつぶの浮き彫りが入ったものは山口の一部でとても多く見られます」「福井でのみ見られるS字のもの」といったかなり限定された地域で使われているデザインもあれば、「(窓拭きっぽい模様のブロックは)関東甲信ではまず見ないけど少なくとも関西から東北にかけては多く存在します」「南関東でそこそこ見かける菱形を丸い穴で挟んだような透かしは鳥取の一部でもまとまって見られます」と説明されるような広い範囲で見られるものもあるらしい。もちろん、全国レベルで分布するデザインもあるという。

山口県で撮影した花と葉の模様の透かしブロック。「個性の強いブロック群がいくつか見られる山口県ですが、特に美しさにおいて際立った存在です」(blockwork@greatblockworkさんのツイートより)

狭い範囲だけで見られるデザインは「地元メーカーが作ったものなのだろうか」という気がしてくるが、「南関東と鳥取」のように離れた場所で使われているものがあるのは非常に不思議だ。

15年で、一番驚いた透かしブロックは?

ところで、ブロック塀を15年ほど観察し続けているblockworkさんが、これまでに最も驚いた透かしブロックはどんなものなのだろう。

「最もというのは難しいですが、最近見た中では稲妻のようなZが2つ重なったようなものがびっくりしました」(blockworkさん)
石川県内で撮影した稲妻のような透かしブロック(画像はblockwork@greatblockworkさんのツイートより)

稲妻のような、米ロックバンド・ZZ Topのロゴを想起させるような、不思議なデザインだ。エッジが効いていて、こんなものもあるのかと驚いてしまう。

最後に改めて、ブロック塀の魅力についてblockworkさんに聞くと、こんな答えが返ってきた。

「コンクリートブロックはどこに行っても見られるのですが、地域によってブロックや積み方に特徴があるところが大きな魅力です。塀を作る職人さんと施工主が相談して、手に入るブロックで組み上げたものと考えると想像が膨らみます」(blockworkさん)

読者のみなさんの身近にあるブロック塀も、実はご当地限定の珍しいスタイルかもしれない。

遠出したときはぜひ、その土地のブロック塀と見比べてみてほしい。