シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Tさん(神奈川県・40代女性)

Tさんの息子は高校生の頃、江ノ電の車内で嘔吐してしまったことがある。

ティッシュもハンカチも持っていなかった彼は、どうしていいかわからず......。

通学に使っていた江ノ電(画像はPhotoACより)

<Tさんの体験談>

大学3年生の息子が高校生だった頃の話です。まだコロナ禍ではなかったその頃、鎌倉の高校に通うのに使っていた平日の江ノ電は、学生や地元の方、観光客でいっぱいでした。

外国の方からも人気があって、車内では外国語の会話も飛び交っていたそうです。

混雑する電車の中で嘔吐してしまい...

その日、体調が悪かった息子は、とにかく早く帰りたいと一人で電車に乗っていました。

そして、途中で吐き気が強くなり、吐いてしまったそうです。

混雑した電車の中で...(画像はイメージ)

周囲に頼れる友人も居ないし、ティッシュもハンカチも持っていなかった息子。

吐き気が収まることもなく、他の乗客からの目もあって、どうしていいか分からなくなったそうです。

そんな彼の前に、いくつものティッシュが差し出されました。何人もの乗客の方が、体調を心配して声を掛けてくれたそうです。

息子は帰ってきてから「本当にありがたかった」と私に話してくれました。

一際目を引いたポケットティッシュ

息子が頂いたもののなかに、ちょっとかわったポケットティッシュがありました。

見たことのないポケットティッシュが(画像は投稿者提供)

初めて見る形とデザインだったのでどんなものか気になり、ロゴをネットで検索してみると、中国で販売していることが分かりました。

おそらく観光で日本に来て、江ノ電から見えるキレイな景色を満喫していたところ、嘔吐して放心状態になっている高校生が目に付き、助けずにはいられなかったのではないかと思います。

当時息子は具合が悪かったため名前をたずねる事もできませんでしたし、中国から観光に来られていた方なら尚更、お礼や恩返しができません。

だから息子には、具合が悪くなった人を助けることで、「恩送り」しなさいと話しました。

1か月後の恩送り

それから1か月後 、江ノ電に乗っていた息子は、女子高生らしき方が吐いてしまったところに居合わせたそうです。「すかさずポケットティッシュを差し出したんだよ」と、恩送りをするために毎日持ち歩くようになったポケットティッシュが役に立ったと、誇らしげに話してくれました。

あれから常に持ち歩くように(画像はイメージ)

中国から来た親切な方をはじめ、息子にポケットティッシュを差し出してくれた皆さんに本当にありがとうございましたと伝えたいです。

そして、あなた方から頂いた恩を息子はこれからも多くの人に送っていくと思います。

その時のティッシュは、捨てずに今もとっています。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度〜)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)