八代海の赤潮による漁業被害が2億3000万円を超え、拡大しています。

 熊本県によりますと、今年5月に有害プランクトン・シャットネラが警報発令基準を超えて確認され、八代海全域に赤潮警報を発令しました。

 これ以降、八代海では有害プランクトンのヘテロシグマやコクロディニウム、カレニアミキモトイが基準値を超えて相次いで確認され、この10年で初めて4種類のプランクトンによる赤潮警報が同時に発令されている状況になっています。

 天草市と上天草市では、新たにカンパチやシマアジなど約8万4000匹が死んだと報告があり、これまでの被害は9万匹を超えました。被害額は2億3000万円余りにのぼります。

 県は、漁業者らに餌止めや赤潮駆除剤の散布など対策を呼びかけています。

 赤潮の調査を進めている県水産研究センターによりますと、4種類のプランクトンは増殖の仕方が違うので同時に大量発生するのはまれなケースで、現時点で、原因はわからないとしています。

 一方、県はこうした赤潮に迅速に対応するためAIを使った自動係数システムの開発を検討しています。

 これまで手作業で行っていた計測を、AIによる画像認証システムで有害プランクトンの数や種類を自動で判別する仕組みで、迅速な発見や省力化につなげたいとしています。