ショウガ栽培&育て方!初心者もプランターでOK、病害虫に強い

独特の辛みと香りが特徴で、料理の隠し味や薬味として重宝するショウガ。病害虫に強く、しかも半日程度、日が当たる場所があれば栽培できます。また生長段階によって、筆ショウガ、葉ショウガ、新ショウガ(根ショウガ)も収穫できますよ。

生長ごとに収穫できる

ショウガは収穫時期によって名前が変わり、それぞれ食べることができます。

●筆ショウガ
葉が3〜4枚開き、草丈が15cmほどで、まだ根が小さい状態で収穫したもの。
●葉ショウガ
葉が6〜7枚ほどついてショウガが小指くらいのサイズになった状態のもの。葉をつけたまま出荷され、7〜8月頃に出回ります。
●根ショウガ(新ショウガ)
初夏に出回る、茎の付け根が紅色をしているものと、秋に霜が降りる前に根が十分に太った状態で収穫したもの。どちらも皮の色が薄く、みずみずしいのが特徴です。
旬の時期以外に店頭に並んでいるのは、新ショウガを貯蔵して翌年に出荷したもので、新ショウガと区別するために「古(ひね)ショウガ」と呼ばれ、通年で出回っています。

葉ショウガや新ショウガのイラストを見る

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筆ショウガや葉ショウガは水分を含んでいて辛みが少ないので、生のまま味噌をつけて食べたり、甘酢漬けにしたりして味わいます。新ショウガは甘酢漬けなどで楽しめますが、収穫して時間がたつと辛みが強くなるので、薬味や魚の煮物や肉の臭い消しなどに用いられます。

用意するもの

市販の種ショウガ

深さ20cm程度の丸鉢かプランター

培養土

鉢底石

移植ごて(小型の園芸用シャベル)

ジョウロ

園芸用ハサミ

化成肥料

種ショウガの用意と植えつけ

ショウガの生育温度は25〜30℃と寒さに弱いので、十分に暖かくなってから植えつけを行います。
大きな塊になっている種ショウガは、芽が2〜3個ついた状態に切り分けます。小さくしすぎると発芽のための栄養が足りなくなるので注意しましょう(大きさの目安は下の画像を参照)。

プランターに鉢底石を敷いて培養土を入れ、種ショウガの芽を上に向けた状態で並べます。種と種の間は3〜5cmほど空けましょう。
芽先(芽の先端)から3〜4cmの深さまで土をかぶせたら、手で土を軽く抑え、底から水が流れるまでたっぷりと水を注ぎます。

大きな種ショウガは切り分ける

発芽と追肥

植えつけから20日ほどで発芽します。
その間も土の表面が乾いたら、水をたっぷりと与えましょう。ショウガは多湿を好むので、土が乾きやすい夏場は水切れに注意してください。

植えつけから1カ月半後、化成肥料10gを全体にパラパラとまきます。以降、2週間に1回を目安に同量を追肥します。

収穫

1.筆ショウガ

葉が3〜4枚出た頃が筆ショウガの収穫のタイミング。収穫の際は、種ショウガまで抜かないように手で土を押さえながら茎の根本を持って引き抜きます。

2.葉ショウガ

筆ショウガの収穫から約1カ月後、葉が6〜7枚出た頃が葉ショウガの収穫時期。
収穫後は軽く追肥をします。株が倒れたり根が表面に出たりするのを防ぐため、2cmほど増し土(培養土を盛る)しておきます。

3.根ショウガ(新ショウガ)

10月下旬頃に収穫できます。気温が10℃以下になると腐りやすくなるので、霜が降りる前に全株を引き抜いて収穫しましょう。
収穫した根ショウガは茎を切り、土を洗い流して乾燥させ、新聞紙などで包んで冷暗所に保存します。
最初に植えつけた種ショウガもひねショウガとして利用できます。

霜が降りる前に根元から引き抜いて収穫

収穫したショウガの保存

冷蔵庫には入れず、新聞紙などに包んで13〜15℃の場所に保存しましょう。 

最後に

収穫時期に応じていろいろな楽しみ方ができるショウガ。採れたてのショウガを味わってください。

ショウガのレシピ別皮のむき方はコチラ


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藤田 智

藤田 智

恵泉女学園大学教授・副学長

1959年秋田県湯沢市生まれ。宮澤賢治に憧れ、岩手大学農学部に入学し、同大学院修了。向中野学園高校教員、恵泉女学園園芸短期大学助教授を経て、現職。専門は、園芸学、野菜園芸学。野菜栽培に関連する著書は140冊を超え、「NHK 趣味の園芸 やさいの時間」や日本テレビ「世界一受けたい授業」などのTVにも多数出演する。家庭菜園や市民農園の指導、普及活動を通じて、野菜づくりの楽しさを広げる取り組みを行っている。
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[ショウガ]栄養や選び方、保存、包丁不要の簡単な皮のむき方

[ショウガ]栄養や選び方、保存、包丁不要の簡単な皮のむき方

さわやかな辛みと香りが料理をキリッとひきしめてくれるショウガ。
生のショウガにはたんぱく質を分解する酵素が含まれていて、肉をやわらかくする効果があります。チューブ入りのショウガは加熱処理をされているため、酵素があまり働かず、肉をやわらかくする効果は期待できません。

最終更新:2023.05.10

文:アーク・コミュニケーションズ
写真(撮影):谷山真一郎
監修:藤田智、カゴメ
参考文献:
『ベランダですぐ始められる コンテナで野菜づくり』藤田智(日本文芸社)
『NHK趣味の園芸 やさいの時間 藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修・NHK出版編(NHK出版)
『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』白鳥早奈英・板木利隆監修(高橋書店)