テレビ東京の韓流プレミアで放送中の大河ドラマ『太宗 イ・バンウォン〜龍の国〜』も、いよいよ終盤を迎えてきた。チュ・サンウクが演じる李芳遠(イ・バンウォン)とパク・ジニが扮する閔氏(ミンシ)の夫婦関係が完全に冷めきってしまったが、代わって、息子たちの争いが激化してきた。

ドラマに登場する息子は3人だ。年長から譲寧(ヤンニョン)大君、孝寧(ヒョニョン)大君、忠寧(チュンニョン)大君となっている。実際には四男として誠寧(ソンニョン)大君がいたのだが、ドラマにまったく出てこない。あくまでも、李芳遠の息子は3人という設定である。
1394年に生まれた譲寧大君は長男として世子になっているが、勉強に身が入らず放蕩を繰り返していた。逆に、三男の忠寧大君は幼いころから頭脳明晰でとても真面目だった。その間にはさまっていた孝寧大君は優しい性格で親孝行だった。性格が申し分のない息子だったのである。
李芳遠は「家督を継ぐのは長男」という儒教の原則を守り、長男の譲寧大君が世子になることにこだわってきた。それなのに、肝心の息子は勉強嫌いで遊び癖がついていた。そのことを父親の李芳遠はとても不快に思っていた。
すると、徐々に彼は、譲寧大君より忠寧大君のほうに国王の資質を強く感じるようになった。明確に、李芳遠に迷いが生じてきたのだ。

次期の王位をめぐる争い

彼は譲寧大君を何度も叱りつけたのだが、効果はなかった。激怒した彼はついに重大な決断を下した。それは、譲寧大君の他にも世子にふさわしい人物がいることを宣言したのだ。その様子は、テレビ東京で5月15日に放送された第29話でも描かれていた。すると、世子の座を失いたくない譲寧大君が勉学に励むようになった。彼も必死だったのだ。
今後の『太宗 イ・バンウォン〜龍の国〜』は、世子の座をめぐって譲寧大君と忠寧大君が争う展開になる。そのときに李芳遠はどんな決断を下すだろうか。次期の王位をめぐる争いがドラマのクライマックスにつながっていく。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)