2022年12月21日に開かれた厚生労働省の専門家会議に提出された資料によると、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、北海道・東北などで、減少傾向にあるものの、西日本では増加しており、全国的にも増加傾向が続いているとされています。

 今回、取材したのは、中国地方に住む、39歳・会社員の男性です。

 男性は、同僚の感染が確認されたのち、在宅勤務をしており、発症後に、慌てて薬局などで抗原検査キットを探したものの、在庫がなく、医薬品ではない「研究用」を量販店で購入せざるを得なかったと言います。

39歳・男性の発症と経過

 11月22日火曜日の夜、のどに違和感を感じました。

 前週の週末に、一緒に働いていた同僚の感染が判明していたため、「あれ、もしかして?」と言う、気持ちになりました。

 このような状況だったので、念のため、出社は控えていました。

 翌23日の夜に発熱。体温計で測ったところ、38.7℃ほどでした。

 発熱のほかに、咳と胸の上部に痛みと何とも形容しがたい違和感などの症状があったため、近所の量販店で購入した、市販の抗原検査キット(研究用)で検査したところ、「陰性」。

 家族で胸をなでおろしました。

 11月24日午前中 念のためかかりつけ医で、PCR検査。

 妻も、私の発熱があったため、この日から、出社は控えました。

 11月26日 かかりつけ医でのPCR検査結果は「陽性」。

 家族は、「え?本当に?」と驚いた様子で、ついに来たかという感じでした。感染した同僚との接触から3日後の発症だったのと、研究用とはいえ抗原検査で陰性だったことから、違うのではないかとの思いが強かったため、驚きも大きいものでした。

 11月27日、37℃台の微熱が続く。

 この間、咳と胸の痛みが続きました。また、のどの渇きが続き、のど飴をなめたり、水分補給をしなければならない状態が続きました。

 ただ、病院で処方された咳止めと解熱剤を飲んでいれば、そこまでしんどいという感じではありませんでした。

 12月1日に出社。しかし、その後、12月5日まで胸の痛みは続き、更に、その後も、口内の渇きや痰・咳が続き、ガラガラ声でした。

 後遺症かどうかは、定かではありませんが、いわゆる隔離期間を過ぎても、口内の渇き・痰・咳は続き、「いったい、いつになれば症状が治まるのか」とやきもきしました。

 しかし、出社してから、2週間以上経過した、12月17日頃、ようやく症状は治まって来て、胸をなでおろしました。

家族の症状はそれぞれ 大人の方が重い?

 新型コロナには、初感染でしたが、関節痛などはなく、症状としては、インフルエンザの方が重い印象でした。

 しかし、隔離期間後も続く、のどの渇きは、コロナの後遺症の情報を検索しても該当する項目は無く、私だけの症状なのか、不明点も多いです。

 今回の反省点としては、PCR検査の結果が出るまでに時間を要した間に対策が取れなかったことや、抗原検査キット(研究用)の結果を鵜呑みにしたことで、妻と子ども2人まで、感染させてしまったことです。

 妻は、家族の中で、もっとも症状が重く、38℃台の発熱で、4-5日間は、ぐったりしていました。

 一方、5歳の子(ワクチン2回接種済み)は、38.1℃の発熱があったものの、しんどそうにしていたのは1晩だけで、その他の症状は軽い咳と食欲減退が少々といった程度でした。

 また、3歳の子については、1回目のワクチン接種を検討しているさなかでの感染でした。37.1℃の発熱はあったものの、至って元気な印象でした。

 家族の誰かに、発熱があった時点で、陰性の家族を避難させるなど、予め考えておいた方がいいかもしれません。

感染症の専門医は…

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は「研究用の抗原検査キットの感度がどれほどなのか分かりません。しかし、医薬品の抗原検査キットであっても、PCR検査と比べて感度は低いです。抗原検査キットは、午前中に『陰性』が出ても、午後に『陽性』が出る例も多くあります。一度の検査で、『陰性』であったとしても、安心しないでください。今回の男性の方は、同僚の感染が判明していると言った周囲の情報があったかと思います。自身が体調不良を感じた時点で、家族との接触を避けるなどの対応が考えられます。胸の上部に違和感があり、続いたとのことですが、診断をしていないのでわかりません。咳が、続いたことで気胸になっていた可能性も考えられます。」としています。

まとめ

 新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、今後、年末年始にかけ増加していく可能性があります。

 人との接触も多くなる時期ですので、近い距離で会話するときのマスクの着用や、室内のこまめな換気を心がけてください。

引用 第111回(令和4年12月21日)新型コロナウイルス感染症対策
アドバイザリーボード提出資料

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏