厚生労働省が2024年3月8日に発表した2024年第10週(3/4-3/10)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」によると、全国の定点当たり報告数は6.53。前週(2/26-3/3)の6.99と比べて、減少しました。多くの都道府県で、微減若しくは横ばいとなっていますが、なかなか減り切らない状態です。また、同日に発表された「インフルエンザの発生状況について」によると、2024年第10週(3/4-3/10)のインフルエンザの定点報告数は、16.14。前週(2/26-3/3)の13.96から再度、増加に転じています。北海道では前週27.35から、当週は35.01と大きな増加をみせ、定点報告数が35を超えています。また、多くのエリアで増加しているため引き続き、注意が必要です。現状について、感染症に詳しい医師に聞きました。

感染症に詳しい医師は…

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は「インフルエンザは、都道府県によって、まちまちな状態です。しかし、春休み期間に入れば、子ども同士での感染は減っていくと予測しています。しかし、全国の定点報告数も、低いとは言い切れず、春休み期間明けも、一定の患者報告数があれば、ゴールデンウイーク辺りまで、流行が続く可能性もあります。一方、新型コロナについては、大阪府でも減少傾向であり、全国的にも減少していくとみています」としています。

【2024年】3月に注意してほしい感染症!インフルエンザ・新型コロナ共にピークアウトの兆候も…要注意はRSウイルス感染症(https://www.youtube.com/watch?v=Y_KOE4y71GU)

新型コロナウイルス感染症とは

新型コロナウイルス感染症は、発熱・鼻水・のどの痛み・咳などといった、風邪のような症状から始まります。また、頭痛や強い倦怠感などが良く見られる症状です。下痢や味覚・嗅覚障害を伴うことも少なくはありません。感染者の口や鼻から、咳、くしゃみ、会話等のときに排出される、ウイルスを含む飛沫又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接的に接触することにより感染します。一般的には1メートル以内の近接した環境において感染しますが、エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまりうることから、長時間滞在しがちな、換気が不じゅうぶんであったり、混雑した室内では、感染が拡大するリスクがあることが知られています。最も重要な対策は、咳エチケットと手洗い・アルコール消毒など手指衛生を徹底することです。手洗いが大切な理由は、ドアノブや電車のつり革など様々なものに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があるからです。外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗いましょう。また、感染拡大を防ぐため、人と人との距離を保つことが重要です。

インフルエンザ症状と対策

インフルエンザは、1〜4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快するが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。くしゃみ、咳、会話等で口から発する飛沫による飛沫感染が主な感染経路です。他に接触感染もあるといわれています。飛沫感染対策として、咳エチケット。接触感染対策としての手洗いの徹底が重要であると考えられますが、たとえインフルエンザウイルスに感染しても、全く無症状の不顕性感染例や臨床的にはインフルエンザとは診断し難い軽症例が存在します。これらのことから、特にヒト−ヒト間の距離が短く、濃厚な接触機会の多い学校、幼稚園、保育園等の小児の集団生活施設では、インフルエンザの集団発生をコントロールすることは、困難であると思われます。

引用
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」「インフルエンザの発生状況について」令和6年第10週、インフルエンザQ&A、新型コロナウイルスに関するQ&A
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏