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 30歳のニクラス・フュルクルークが歩んできたこの1年は、まさに劇的なものとなった。ヴェルダー・ブレーメンと共にブンデスリーガ昇格を果たした大型ストライカーは、そこで遂にブンデスリーガの舞台で開眼。得点を量産していき遂にはドイツ代表初選出も果たしたばかりか、そのままカタールW杯にも参加。そして最終的にはクリストファー・エンクンク(ライプツィヒ)と共に、ブンデスリーガ得点王に輝いたのである。

 「点取り屋としてこの栄冠は特別なこと」と喜びをみせた同選手だったのだが、ただ今シーズンではレヴァンドフスキやハーランドらが移籍、そして有力候補だったパトリック・シックの長期離脱や首位にあったエンクンクが負傷離脱したことも重なって、わずか16得点での受賞とあって「良い馬というのは、必要最低限にしか跳ばないものさ」と、障害物レースの競走馬に準えて笑顔でコメント。ただいずれにしても、昇格組としての得点王は見事なものだ。

  まさにこの上ないシーズンとなったが、それではこの夏はどういう動きがみられるのか?事実ブレーメン側からみれば昨年9月に契約を2025年まで更新したばかりではあるものの、先日フリッツ競技部門取締役は「財政的に興味深いものであれば、一緒に座ることになるあろう。ただそれを現時点でどうこういうことはできない」とコメント。移籍の可能性を否定してはいない。

フュルクルーク「移籍は特に考えていない」が・・・

 明白であることはヴェルダー・ブレーメンが移籍金を必要としていること、そして30歳のベテランストライカーがそこに大きく寄与するポテンシャルを持ち合わせているということだ。フュルクルーク自身は「特に考えてはいないね。これから数週間のうちに話し合いが行われて、それによって先が見え始めてくるだろう。そしてそれについてクラブ側から発言がなされるはずだ」と返答。

 特にこのことについて語ることはなかったが、実は今季の好調さに関係なく夏からサラリーが減少されるよう「延長当時にまだ最終年度を迎えたくなくて、それで自分で決めたことなんだ」という。いずれにせよ今は金銭面が問題ではなく、むしろドイツ代表としての立場を守っていけることも所属クラブ自体には求める状況となっており、ブレーメンに関しては昇格組ながら奮闘をみせたもののそれでも、より上位に食い込むために「動きに出る必要があるだろうね」と語った。