バイエルン・ミュンヘンのスローガンは「ミア・ザン・ミア(独立独歩の意)」、ハンブルガーSVは「ブンデスの恐竜」、シャルケでは「4分間だけの王者」など、時にはネガティブなことも独自性を打ち出すためのPRの手法として使われることがある。それはタスマニア・ベルリンにとっても同じことであり、ブンデスリーガ最長の未勝利記録となる31試合連続を保持しているところだ。

 それゆえに現在CEOを務めるアルミール・ヌミッチ氏が、今年の1月17日より未勝利が続くドイツの名門、FCシャルケ04の状況を危惧していることに大きな疑問を抱く必要はない。シャルケのファンたちも「残り7」に迫った不名誉な記録を話題にしているが、ヌミッチ氏は別の意味で脅威を感じている。「これは長年にわたって我々が保持し続けてきた記録なのだ。これはタスマニア・ベルリンを表現する象徴的な一部分だ」とコメント。いまやシャルケファンでは、「タスマニア・ハンター」と描かれたTシャツさえ踊っている。

 ただそれでも特筆すべきは、タスマニア・ベルリンはその31試合連続未勝利を、わずか1シーズンのうちに成し遂げてしまったということだ。1965年8月21日の第2節から始まったこの記録は、第33節までという1シーズンのうちのほぼ全てで生み出されたものであり、一方でシャルケは昨シーズンから継続されてきたもののため、単純に両者の記録を比較することは難しい。ただシャルケファンにとっては、そんなことはどうでも良いことだろうが。

 ちなみにその歴史的な道のりで立ちはだかるハードルは、今節のグラードバッハ、レヴァークーゼン、アウグスブルク、フライブルク、ビーレフェルト、年が明けてヘルタ・ベルリン、そしてTSGホッフェンハイムということに。そしてその1週間後となるフランクフルト戦は、新記録樹立がかかった試合というだけでなく、前述に記した最後にシャルケがブンデスリーガで勝利をおさめた日より、1年以上にわたり未勝利が続くという事態をも招く結果となるのだ。