「情報漏えい指示の可能性」斎藤知事否定 第三者委委員長「結論に自信」「知事の証言採用は困難」

神戸新聞NEXT6/16(月)8:30

「情報漏えい指示の可能性」斎藤知事否定 第三者委委員長「結論に自信」「知事の証言採用は困難」

斎藤元彦知事の対応などについて受け止めを話す第三者調査委員会の工藤涼二委員長=神戸市中央区多聞通4

 兵庫県の斎藤元彦知事らへの告発文書問題で、知事の側近幹部による告発者の私的情報漏えいを認定した第三者調査委員会で委員長を務めた工藤涼二弁護士(75)が、15日までに神戸新聞のインタビューに応じた。知事の指示で漏えいが行われた可能性が高いとした報告書に斎藤知事が真っ向から否定し続ける現状に「正直言って残念としか言えない」と述べ「その後の知事のご発言を見ても不自然さは否めず、やはり証言を採用するのは困難と思う」とした。

 第三者委が5月27日に公表した報告書は、井ノ本知明(ちあき)前総務部長=停職3カ月の懲戒処分=が昨年4月、告発文書を作成した元西播磨県民局長(故人)の公用パソコンにあった私的情報を印刷した紙を見せたり、口頭で説明したりして県議3人に漏えいしたと認定。井ノ本氏と片山安孝元副知事、別の側近幹部の証言を基に「知事と元副知事の指示で行われた可能性が高い」と結論付けた。

 井ノ本氏は当初漏えい行為自体を否定していたが、今年2月に県人事課に出した弁明書で一転して県議に話したと認め、斎藤氏の指示を新たに証言した。この変遷に工藤氏は「この時点では井ノ本氏の供述の価値は非常に低かった」と振り返る。

 評価が変わったのは、片山氏が認めたことだったという。「自身の責任問題にもなりうる立場ながら、自然と認められた。受け答えの態度にも創作性は感じられない」と工藤氏。幹部3人と異なり、聞き取りに唯一指示を否定した斎藤氏の説明への疑義が浮き彫りになった。

 「(斎藤氏が)『予算などは事前に議会との情報共有を指示することはあるが今回は何もしていない』と言うのは、告発文書に対する直前の対応、つまり『徹底的に調べてくれ』と言っていたことと整合しない」

 供述の信用性の比較であって報告書で断定はしなかったが、元裁判官の経験から「民事の判決だったら10割認定してもおかしくない」と感じたという。「われわれは悩みつつも自信を持って出した結論。報告書公表後の知事のご発言を踏まえても、知事の供述の採用は困難と思う」

 斎藤氏が自ら設置した第三者委の結果を取捨選択する姿勢はどう映るか。工藤氏は「いち県民の意見」と断ってこう話す。「私の周りでは知事の政策を評価する声も聞く。謝るべきところは謝って、県政を円滑に進められる状態を早く取り戻してほしいと強く思っている」

 県が「知事の指示があったと信じていた」との前提で井ノ本氏を懲戒処分した点や、斎藤氏が「県保有情報の管理責任を取る」と県議会に提出した給与減額条例案の評価については、いずれも「コメントする立場にない」とした。(井上太郎)

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