前の生活安全部長など現職警察官ら4人が逮捕され、揺れる鹿児島県警本部。

そんな中、鹿児島地検は5日、現職警察官の処罰を免れさせるために、野川本部長が事件を隠ぺいしたなどとする2件の刑事告発について、不起訴処分としたことを明らかにしました。


鹿児島地検によりますと、2件の刑事告発はそれぞれ別の人物から届けがあったものです。

1つ目の告発は、警察の疑惑を報じたウェブメディアに対する家宅捜索や差し押さえが、強制性交等事件の犯人などを匿うためのものだったとして、県警本部や野川本部長を告発するものです。

これについて地検は、県警本部は罪の対象にならず、野川本部長に対しては「嫌疑なし」として不起訴処分としました。

もう一つの告発は、枕崎署員による盗撮事件や、霧島署員によるストーカー事案など5つの事案について、現職警察官の処罰を免れさせるために、いずれも野川本部長が捜査を行わなかったり、隠ぺいをしたなどとして告発するものです。

これについて地検は、枕崎署員による盗撮事件については「嫌疑不十分」、その他の4件に関しては「嫌疑なし」として、不起訴処分にしました。

地検は、「必要な捜査を尽くした上で判断した」とコメントし、ウェブメデイアへの家宅捜索についても「警察の捜査を含めて、捜査に違法性はなかったと判断している」としています。