太平洋戦争末期、沖縄戦へ出撃した特攻隊員の霊を慰める慰霊祭が、鹿児島県南九州市で行われました。

かつて本土最南端の旧陸軍基地があった南九州市知覧町からは、多くの若者が特攻隊員として出撃しました。

基地の跡に建つ知覧特攻平和観音堂で行われた慰霊祭は、今回が70回目の節目で、全国から特攻隊員の遺族ら約630人が参列。

知覧特攻慰霊顕彰会の会長を務める南九州市の塗木弘幸市長が「特攻隊員の遺志を継承し世界の恒久平和を訴え続けます」と追悼しました。

そして、石川県の桂撤男さんが21歳のときに知覧から出撃し、亡くなった兄へ誓いの言葉を述べました。

遺族代表・桂撤男さん(石川県)
「戦後79年、残された家族や関係者も高齢化している。私たち遺族は、特攻有志の尊い犠牲があったことを忘れることなく、今後も引き続き、御霊らの慰霊祭を行うとともに、命の尊さを語り継いでいくことを誓います」

参列者は花を手向けたり、手を合わせたりして、戦没者の霊を慰めていました。

県外から参列した遺族
「家族の誰かが慰霊祭に参列して御霊を(慰める)。死にたくて死んだわけではないので冥福を祈りたいと思って毎年参加している」