大阪市生野区でタクシーで歩行者らをはね、2人を死亡させた罪などに問われている男の裁判で、弁護人は「男は認知症だった」として無罪を主張しました。

去年3月、個人タクシーの運転手だった斉藤敏夫被告(76)は大阪市生野区で、赤信号で停止せず、横断歩道を歩いていた原井惠子さん(当時67)と松中英代さん(当時73)をはねて死亡させたほか、歩行者ら5人にけがをさせた罪に問われています。

15日の初公判に車いすで出廷した斉藤被告は、「言い訳しない。自分が100パーセント」と起訴内容を認めました。

斉藤被告は逮捕後の精神鑑定で、「認知症が運転に相当程度影響があったと思われる」とする結果が出ていて、弁護人は「過失責任は問えない」として無罪を主張しました。

検察は「赤信号だったがブレーキを踏まず、4人をはね、さらにろうばいのあまり衝突事故を起こした」と指摘し、裁判では過失の有無が争われます。