夏の暑い日はもちろん、春先の暖かくなったころからアイスクリームがおいしくなりますよね。
アイスクリームが好きなかたは、秋・冬でも食べることもあるでしょう。
私もアイスクリームが大好きです。
アイスクリーム好きなかただけでなく、多くのかたに食べてみてほしいジェラート店が倉敷市玉島地区にあります。
その名は「ジェラート オブラーテ. (GERATO OBLATE.、以下 オブラーテ)」。
店主はジェラート発祥の地であるイタリアはフィレンツェで、ジェラートづくりを学びました。
玉島市街地で本場の味のジェラートを楽しめるのです。
かつて牛乳配達の仕事をしていた店主がイチオシする、木次(きすき)乳業の牛乳を使ったジェラート。
イタリアのシチリア産ピスタチオをふんだんに使ったジェラート。
おいしそうなジェラートが、なんと10種類以上ラインナップしています。
さらに新商品や時季限定商品も定期的に登場し、ラインナップも変わっていくのも魅力です。
そんな魅惑のジェラート専門店・オブラーテについて紹介します!
オブラーテは本場イタリア・フィレンツェの味が楽しめるジェラート専門店

オブラーテは、玉島中心部にあるジェラートの専門店です。
代表のジェラート職人・西野 大輔(にしの だいすけ)さんは、ジェラートの本場・イタリアに行き、修業をしました。
しかも修業先は、ジェラート発祥の地・フィレンツェ。
本場仕込みのジェラートが、玉島で味わえるのです。
オブラーテのジェラートは、イタリア出身のかたが食べて「イタリアに負けない味」と絶賛したほど。
▼また、オブラーテは外観も特徴です。

店主が「まるで海外にいるかのよう」と思える雰囲気を意識してデザインしました。
淡い青緑色の外壁、水色の看板がかわいらしいと思います。
白い柱や木目もいい感じです。
実は外観の塗装は、店主が塗っているのです!
店内も木の雰囲気あふれる暖かな空間。

▼冷陳ケースには、おいしそうなジェラートが並びます。

店内にはイタリアを思わせるオブジェクトも。

▼修業先・フィレンツェを象徴する世界遺産「ドゥォーモ」の絵画

▼ドゥォーモの模型

▼修業先のアカデミア・リアチ(Accademia Riaci)の修了証

オブラーテの店舗外には、ベンチがありました。
店内での飲食はできませんが、ベンチに座ってジェラートを楽しめます。
また店舗東側(正面に向かって右側)にも、飲食できるスぺースも設置。

さらに、オブラーテのスタンプカードもユニーク。
▼オブラーテの外観をイラスト化したもので、かわいいです。

しかも、1個目のスタンプは車の形ですが、2個目以降、それぞれスタンプの形が変わるそう。
何が押されるかは、押してからのお楽しみです。
ジェラートとはどんなもの?

ジェラートという言葉を聞いたことがあっても、「具体的にどんなものかわからない」「アイスクリームとは違うのか」という疑問もあるかもしれません。
そこで、オブラーテを紹介する前に、ジェラートについて簡単に紹介します。
「ジェラート」という言葉は、イタリア語に由来する外来語です。
ジェラートは、イタリアのフィレンツェで生まれました。
イタリアではジェラートとはアイスクリーム・シャーベッツ全般を指しますが、日本ではアイスクリームとジェラートは区別されています。
定めているのは、「食品衛生法」にもとづく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」。
日本では、ジェラートは「アイスミルク」の一種となります。
名称 | 乳固形分 | 乳脂肪分 |
---|---|---|
アイスクリーム | 15%以上 | 8%以上 |
アイスミルク | 10%以上 | 3%以上 |
ラクトアイス | 3%以上 | 3%未満 |
アイスミルクは、製品に含まれる乳固形分が10パーセント以上・15パーセント未満、乳脂肪分が3パーセント以上・8パーセント未満のものと決まっているのです。
そしてこれらを総称して「アイスクリーム類」と呼びます。
なお、ほかに「氷菓(ひょうか)」というものもあります。
ジェラート(アイスミルク)は、アイスクリームよりも乳固形分・乳脂肪分が少ないですが、これによってジェラート独自の特徴が生まれるのです。
ジェラートは乳固形分・乳脂肪分が少ないぶん、素材の味わいをダイレクトに生かせます。
またジェラートは空気の含有量が少ないので、滑らかな食感となるのです。
オブラーテのジェラートはシングルとダブルがあり、カップとコーンが選べる
2023年6月時点の情報。 価格は消費税込
オブラーテのジェラートは、盛り付けるものを「コーン」と「カップ」の2種類から選べます。
種類 | 価格(税込) |
---|---|
シングル | 400円 |
ダブル | 500円 |
なお、コーンもカップも価格は変わりません。
ただし、「ピスタチオ」のみ100円増しです。
▼コーン

▼カップ

コーンは食べたあとにゴミが少なくなること、片手で食べられることが利点です。

「ジェラートらしい」ビジュアルもポイント。
子供はコーンのほうが喜ぶそうです。
コーンだと写真映えもします。
チョコ系のジェラートだと、コーンとジェラートの味のハーモニーにこだわるかたもいるとか。

カップは食べやすいのが利点。
コーンだと溶けたジェラートが垂れてきますが、カップだと手が汚れにくいです。
またオブラーテのジェラートは、ひとつの種類を盛り付ける「シングル」と、2種類を盛り付ける「ダブル」があります。
なおダブルは、同じ味を2つぶん盛り付けるのもOKです。
オブラーテのジェラートは、こんもりと高く盛られます。
とてもお得な気分です。
でもジェラートの後口がサッパリしているので、食べ終えて量が多かったと思いません。
実際に食べてみて、適度な量だと思いました。
ただし、ダブルをコーンで食べる場合は垂れやすいので注意してください。
とくに暑い日にダブルを食べるときは、カップのほうがおすすめです。

さらに、持ち帰り用のカップ入りやジェラート ダクワーズも販売しています。
持ち帰り用の内容量は、約90ミリリットルです。
また、ジェラート ダクワーズは、ダクワーズ生地でジェラートを挟んでいます。
種類 | 価格(税込) |
---|---|
持ち帰り(フタ付き) | 380円 |
ジェラート ダクワーズ | 380円 |
ホットコーヒー ブラック(単品) | 200円 |
ホットコーヒーとジェラートのセット | ジェラート価格 + 170円 |
コーン単品 | 20円 |
保冷剤 | 20円 |
保冷バッグ | 150円 |
保冷剤・保冷バッグは持ち帰りを買ったとき、必要であれば利用してください。
種類が豊富にラインナップ!オブラーテのジェラート

オブラーテは、ジェラートの種類がとても豊富!
いつも10種類以上をラインナップしています。
取材時は、13種類のジェラートがそろっていました。
なお、時季によってジェラートのラインナップは変わります。
「しあわせミルク」のようなレギュラー商品もありますが、時季限定で登場するジェラートも。
さらに、店の代表でジェラート職人である西野さんが研究しておもしろい商品が出たら、ラインナップに加わります。
不定期にラインナップの入れ換えがおこなわれているのです。
「新商品は出ているかな」とチェックしに、定期的にオブラーテへ通いたくなりませんか。
オブラーテのすべてのジェラートは、もちろんオブラーテの自家製。
別にあるジェラート工房でつくられたものです。
またオブラーテのジェラートは「イタリアン クラシコ」など一部のジェラート以外は、鶏卵をいっさい使っていません。
アレルギーのかたでも食べられます。
▼取材時のジェラートのラインナップは、以下のとおりです。

- しあわせミルク 【人気】
- 進化したいちごミルク
- イタリアン チョコレート 【人気】
- ヘーゼルナッツ チョコレート
- ピスタチオ(100円増) 【人気】
- ビスコッティ
- アマレーナチェリー
- イタリアン クラシコ
- あのときの苺(いちご)ソルベ
- チコリコーヒー
- 梨ソルベ
- フランボワーズ
- やさしい安納芋(あんのういも)
それぞれ見ていきましょう。
▼しあわせミルク

「しあわせミルク」は、オブラーテの看板ジェラートで、人気商品です。
木次乳業の2種類のミルクを使っており、ミルクの風味が濃厚で、後に引かないほどよい甘さが楽しめます。
木次乳業の牛乳は、低温殺菌牛乳です。
時間をかけてゆっくりと殺菌するので、牛乳本来の風味や栄養素が残っています。
さらに味わいもスッキリ。
ちなみに、イタリアも低温殺菌牛乳が多いそう。
しあわせミルクは、ミルクのコクとまろやかさが味わえるジェラートです。
▼進化したいちごミルク

「進化したいちごミルク」は、名前のとおりイチゴとミルクの味わいのジェラートです。
以前出していたいちごミルクをアレンジし、よりおいしくなったのが、進化したいちごミルク。
前はイチゴソースがジェラートに練り込まれていましたが、改良してラズベリーソースに変わりました。
ミルクの風味とイチゴのさわやかな甘さが感じられます。
▼イタリアン チョコレート

「イタリアン チョコレート」は、3種類のカカオをブレンドした本格派のチョコレート風味ジェラートです。
深い焦茶色の見た目なので、ビターな印象をもつかもしれません。
でも苦みはあまりなく、生チョコのような濃厚な甘さを楽しめます。
▼ヘーゼルナッツ チョコレート

「ヘーゼルナッツ チョコレート」は、ジェラートの本場・イタリアでは老若男女幅広い人気のあるスタンダードなジェラートです。
名前のとおり、ヘーゼルナッツをチョコレートに練り込んでいます。
そのためチョコのまったりとした甘さのなかに、ヘーゼルナッツ特有の香ばしい風味が広がります。
▼ピスタチオ

「ピスタチオ」は、オブラーテのジェラートのなかで入気急上昇中の注目商品です。
イタリア産のピスタチオをふんだんに使い、濃厚なピスタチオの風味が口の中に広がります。
イタリアでピスタチオの名産地であるシチリア島産のピスタチオを使っているのです。
ピスタチオとヘーゼルナッツのナッツ系同士をダブルにして、2種類のナッツの風味を楽しむかたもいるそう。
なお、ピスタチオは価格が100円増しです。
▼ビスコッティ

「ビスコッティ」は、ビスケット風味のジェラートです。
ビスケットはキャラメル風味。
まるでビスケットを食べているかのような、芳醇で濃厚な甘さが楽しめます。
リピーターが続出中の、注目のジェラートです。
▼アマレーナチェリー

「アマレーナチェリー」は、イタリアのブラックチェリーのシロップ漬けです。
それをソースにしてジェラートに混ぜ、砕いたものも混ぜています。
さらに上からチェリーの欠片も。
アマレーナチェリーの濃い甘みと、果肉の弾力があるプチッとした食感は、良いアクセントになります。
▼イタリアン クラシコ

「イタリアン クラシコ」は、イタリアで古くから親しまれている「ブオンタレンティー」という種類のジェラートです。
ブオンタレンティーはミルク風味のジェラートで、1970年にフィレンツェのジェラートの大会で賞を取りました。
以来、フィレンツェでしか食べられない昔ながらの”街の味”になっています。
牛乳・生クリーム・卵黄・練乳を使った、滑らかな食感のジェラートです。
しあわせミルクとはまた違ったコクのある甘さが楽しめます。
イタリアン クラシコとしあわせミルクをダブルにして、食べ比べてみるお客さんもいるそう。
イタリアン クラシコは、どちらかといえば中年以上の男性に人気があります。
▼あのときの苺ソルベ

「あのときの苺ソルベ」は、ほかのジェラートとは少し違った味わいです。
ソルベとは、フランス語でシャーベットのこと。
そのためイチゴの甘みや酸味を、ダイレクトかつ濃厚に味わえます。
ネットリとしたような、でも滑らかさもある独特の舌触りも、ほかのジェラートとは違った特徴。
これはソルベシリーズでしか楽しめません。
またソルベは、ミルクをいっさい使っていませんので、牛乳アレルギーのかたも楽しめます。
▼チコリコーヒー

「チコリコーヒー」は、コーヒーと名前が付いていますがコーヒーは使っていません。
「チコリ」という葉物野菜の一種からつくられているのですが、コーヒーとほぼ同じようなビターな風味が楽しめます。
食べた瞬間、キャラメルのような味わいを感じたあと、コーヒーのような苦みがやって来ました。
通常のコーヒーよりも奥深い味わいがした気がします。
ちょっとコーヒー濃いめのコーヒー牛乳のような印象。
コーヒーが苦手でも食べられる味です
▼梨ソルベ

「梨ソルベ」は、秋季限定のジェラート。
名前のとおり、ナシのソルベ(シャーベット)です。
まるでナシを食べているような、風味豊かでみずみずしい甘さが楽しめます。
また、ソルベ特有の滑らかな食感も魅力です。
梨ソルベの登場を心待ちにしているお客さんも多いそう。
▼フランボワーズ

フランボワーズとは、ラズベリーのこと。
つまりラズベリーのソルベです。
なんだか酸っぱさそうなイメージをもつかもしれません。
実際に食べてみると、意外と酸っぱさは強くありませんでした。
さわやかな甘みに、適度な酸味がアクセントとなっています。
▼やさしい安納芋

「やさしい安納芋」は、時季限定のジェラートです。
取材時は10月でしたので、まさに旬の味わい。
安納芋特有の風味豊かでコクのある甘さは、日本人なら惹かれてしまうのではないでしょうか。
まるで菓子のスイートポテトのような味わいです。
安納芋の甘さが生かされたジェラートになっています。
人気の看板商品「しあわせミルク」をシングルコーンで

人気商品で看板メニューの「しあわせミルク」をコーンで食べました。
もともと牛乳屋だった西野さんがほれこんだ木次乳業の牛乳を使っている、自慢のジェラートです。

しかも、ホルスタインとブラウンスイスの2品種の牛乳を使っています。
2品種の牛乳それぞれでジェラートをつくり、2つのジェラートをブレンドさせているという、手間暇をかけてつくられているジェラートです。
ホルスタインはあっさりとした風味、ブラウンスイスはコクのある風味なので、2つを合わせることで奥深い味わいを生み出しています。

しあわせミルクは、口の中にミルクの風味が濃厚に広がります。

そしてコクのある甘さを楽しめますが、食べたあとに甘さが後に引きません。
人気急上昇中の「ピスタチオ」をシングルカップで

しあわせミルクと同じくらい人気商品なのが「ピスタチオ」。
緑色のジェラートなので一見、抹茶やメロン味をイメージしてしまいます。
食べてみると、濃厚でありながらサッパリした甘さを感じたあと、ほどよく香ばしいピスタチオの風味が口の中に広がりました。

そして、ジェラートの表面にまぶされたピスタチオの欠片(かけら)のコリコリとした食感がアクセントに。
噛んだときに広がるピスタチオの風味も心地よいです。

本当に甘さの加減が絶妙で、私のような甘党も納得する甘さでありながら、甘すぎない、後に引かない甘さでした。

そしてピスタチオの風味もほどよく味わえます。
もうひとつ食べたくなる衝動にかられました。
「イタリアン チョコレート」と「イタリアン クラシコ」をダブルコーンで

しあわせミルクやピスタチオに次ぐ人気があるという「イタリアン チョコレート」と、店主・西野さんがぜひ食べてみてほしいという「イタリアン クラシコ」をダブルのコーンで食べました。
イタリアン チョコレートは、濃厚なチョコの風味と濃い甘さが特徴です。

さらに、ネットリとした舌触りが印象に残ります。
チョコの甘い香りも楽しめました。

「イタリアン クラシコ」は、取材時のジェラートのなかでは唯一鶏卵を使っているジェラートです。

乳・生クリーム・卵黄・練乳がおりなす風味は、しあわせミルクとは少し違った味わい。

しあわせミルクはミルクの風味がグッとくる感じでしたが、イタリアン クラシコは卵が入っているので卵のコクが印象的です。

甘さがあとに引かないのは同じですが、イタリアン クラシコのほうがよりサッパリした感じがしました。
濃厚な甘さのイタリアン チョコレートとまろやかな甘さのイタリアン クラシコの組み合わせは、なかなか相性がいいんじゃないかと思います。
「ビスコッティ」と「アマレーナチェリー」をダブルカップで

西野さんおすすめの「ビスコッティ」と「アマレーナチェリー」をダブルのカップで食べました。
「ビスコッティ」は、キャラメル風味のビスケットを練り込んだジェラートです。

さらにジェラートの上には、キャラメル風味のビスケットの欠片も入っています。
キャラメルの芳醇で濃厚な甘さがクセになりそう。

そしてキャラメルの風味を邪魔しない、ほのかに感じるシナモンの風味もアクセントになっていました。

ダブルで盛り付けられた、もうひとつの「アマレーナチェリー」。

チェリーのシロップ漬けでソースをつくり、それをジェラートに練り込んでいます。
さらに果肉もジェラートに入れ、ジェラートの上から果肉の欠片を載せてありました。

大人な味わいのコクがある甘さ、そして果肉のプチプチとした弾力ある食感とチェリーの濃い風味がアクセントになり、クセになる味です。

どこかラムレーズンっぽさも感じました。
「進化したいちごミルク」と「やさしい安納芋」をダブルカップで

前にあったいちごミルクを改良した「進化したいちごミルク」と時季限定の「やさいしい安納芋」をダブルのカップで注文してみました。
▼淡い桃色と淡い黄色の組み合わせがポップな印象です。

▼進化したいちごミルクは、イチゴとミルクを思わせる色合いです。
食べると、ミルクの濃厚な風味とイチゴのさわやかな甘さが口の中に広がります。

ラズベリーソースが混ぜられていると聞きましたが、ラズベリーの甘酸っぱさは控えめ。

むしろ、イチゴとミルクの風味が際立っていた印象です。
▼秋から冬限定の「やさしい安納芋」。

焼き芋のようなまったりとしたサツマイモの甘みが、ミルクの風味とマッチしていました。
焼き芋やスイートポテトなど、サツマイモ好きはたまらない味だと思います。

やさしい安納芋は、秋らしい季節を感じるジェラートです。
続いて、オブラーテの代表でジェラート職人である西野 大輔 (にしの だいすけ)さんにインタビューをしました。