最新レッカー車の驚きの機能とは? いざという時に頼もしい「働くクルマ」が抱える問題

最新レッカー車の驚きの機能とは? いざという時に頼もしい「働くクルマ」が抱える問題

クルマで出かけてトラブルに見まわれた時にお世話になるのがロードサービスです。バッテリー上がりからタイヤのパンク、軽微なものから重大な事故まで、大小さまざまなトラブルに駆けつけてくれる頼もしい存在。そんなレッカー車も日々進化しています。

オーダーメードが多いレッカー車はなんと6000万円オーバーの車両も!

 クルマで出かけてトラブルに見まわれたとき、お世話になるのがロードサービスです。

 そんなトラブルの最前線で活躍するレッカー車(ロードサービス)のイベントが山梨県で開催されました。

 日本でのレッカー車の元祖というのは、もともとは軍用から発想されたそうです。

 元になったといわれるのが、米軍基地内で爆弾を運ぶトラック「BombTruck」と呼ばれる車両で、後部に爆弾を吊り上げて運ぶためのブームやウインチなどを搭載。「そうした米軍のトラックからインスピレーションを得て、日本のレッカー車が産み出された」そうです。

 レッカー車というと、後方まで伸びたウインチブームを覚えている人も多いと思います。今ではそのスタイルのレッカー車はほぼ見かけませんが、故障車をリアから伸びたブームとウインチでフロントを吊り上げたまま固定して走行してました。

 そんなレッカー車ですが、大型から中型(8t限定)、それに準中型の免許で乗れる車両があります。

 レッカー車は、標準タイプ(カタログモデル)は用意されますが「そこから細かい仕様が入ることが多いです。とくに大型レッカー車に関してはほぼオーダーメードなので、これも価格については個別となるケースが多いですね」(関係者)とのこと。

 参考までにとレッカー車メーカーが教えてくれたのが、標準タイプだと車両価格は1430万円から。大型レッカー車になると約4500万円。そして、今回紹介する日本初上陸となるモデルは、6000万円オーバーというから驚きです。

※ ※ ※

 レッカー車で一番威力を発揮する装備は、それはレッカーブーム、またはクレーンブームと呼ばれるアームです。

 クレーンブームは、建築・建設現場で使われる自走式のクレーン車と同様、「吊り上げる、あるいは吊り上げて旋回する」という機能があります。3段から4段のブームで伸縮するようになっています。

 一方、レッカーブームも3段(あるいは4段)の伸縮式となっていますが、先端にはウインチ機能がついたふたつのフックが備わっています。この機能は「吊り上げる、引っ張る」のほか「引っ張りながら、吊り上げる」という事もこなせます。

 レッカーブームは用途が幅広いことで、一見万能タイプに見えますが、ブーム自体もクレーンのそれと比べて強固に製作されており、装置自体も大型で重量のあるタイプがほとんどです。クレーンブームだと装置も小型で、搭載できる車両も小型から大型までサイズを選ばないという利点があります。

 レッカー車を所有するロードサービス会社も、小型のレッカー車ではクレーンブームで統一し、大型モデルだとレッカーブームを装備と、地域性やトラブルの案件に応じた車両を用意しています。

 今回、このイベントで日本初のお披露目となったレッカー車がありました。

 この車両は、トルコ製の「WorldPower Erkin」ブランドによるレッカーブームを搭載。アンダーリフトと一体化した装置で、最大の特徴はレッカーブームの起伏角度が変えられることです。今までのレッカーブームだと直線にしか伸びなかったのが、3本の油圧シリンダーで0〜89°まで自在に変えられます。旋回することも可能です。

 もうひとつポイントがあり、それは安全装置が組み込まれていることです。吊り上げ能力が設定以上の重さや、旋回させたときに負荷が大きかったりすると装置が働き、作業がストップするようになっております。

 この装置について、日本でもトップクラスのレッカー車の製造・販売を誇る、城南ホールディングスの中村貞明会長は「この装置があることで、無理をしない作業ができるようになった。これでロードサービスの現場において、安全で確実な作業が普及するようになる」と、コメントしました。

けん引ではなく「積載」することで高速道路も走れるように

 最近では、バイクにも対応したロードサービス車もあります。1BOXタイプの荷室にそのままバイクを積載できるタイプや、車幅が広い大型バイクにも対応したトラックタイプまでラインナップしています。

 また、荷台が後方にスライド・地面に設置して故障車を積載できる「セーフティローダー」もありました。

 最近ではロードサービスの依頼に「フロント部分をアンダーリフトで持ち上げてけん引するタイプのレッカー車と比べると、クルマをそのまま積むので安心感があるのか、ローダーでの要請が多い」(ロードサービス関係者)そうです。

 今後のレッカー車の製作や装備内容について、城南ホールディングスの中村会長に聞いてみました。

「今、アンダーリフトはリアからアームが伸びた状態で運用していますが、今後はそうしたアンダーリフトも全長サイズからなるべく飛び出さないように、折りたたまなければいけないようになるでしょう。恐らく1年から2年先には、そうした法整備がおこなわれるはずです。弊社では折りたたみタイプのアンダーリフトをラインナップしております」。

 ロードサービスの今後についても聞いてみました。

 じつは、これからのロードサービスに非常に強い危機感を抱いているそうです。というのも、経験がモノをいう職場でもあるにも関わらず、そうした人たちが減っているというのです。

「現場ではベテラン勢が少なくなって困っています。いったん現場に出ると、そのまま長時間対応する場面も多く、労働時間も不規則になってしまうという現状があります。それでは働く人たちがいなくなってしまいます。弊社では、レッカー業務そのものを見直すために『けん引陸送』という新しいコンセプトの車両を開発しました」(中村会長)とのことです。

 故障したクルマを積載するために生み出したのが「けん引陸送」というコンセプトです。

 クルマを積載するのはセーフティローダーがありますが、それは普通〜中型車両に限ってのこと。大型車両にあたってはそもそも、積載できる車両も限られております。

 また、積載ではなくレッカー車でけん引すればよいのでは思われますが、現在の法律では故障したクルマをレッカー車でけん引する時は、高速道路(自動車道)走行が禁止となっています。これは高速道路は最低速度が定められており、けん引時だと基準速度に達することができないためです。

 一般道ならOKですが、遠方からの車両回送も多く、その場合は現場で働く人たちの拘束時間も長くなってしまいます。

 しかし、けん引ではなく車両を積載することで、高速道路を使用して労働時間を短縮。一方で4.1mという高さ制限もクリアしております。

 今後は、こうしたけん引陸送のコンセプトの車両がロードサービスの現場に増えていくことになりそうです。


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