トヨタのハイブリッド専用車「プリウス」は、2019年の登録車販売ランキングで首位となった人気モデルですが、じつは軽自動車には、プリウス並みの販売台数を誇るモデルがひっそりと存在するといいます。隠れた人気の理由とはいったい何でしょうか。

ダイハツの軽自動車、じつはプリウス並の人気モデルだった

 2020年1月9日に、日本自動車販売協会連合会は2019年の登録車年間販売台数を公表し、トヨタ「プリウス」が12万5587台を販売して2019年にもっとも売れた登録車となりました。

 2018年12月のマイナーチェンジの効果もあり売れ行き好調なプリウスですが、じつはプリウスとほぼ同じ販売台数を記録する軽自動車が存在します。なぜそのモデルは高い人気を誇っているのでしょうか。

 2019年の登録車年間販売台数は1位:プリウス、2位:ノート(11万8472台)、3位:シエンタ(11万880台)という結果となり、プリウスは2年ぶりの年間首位奪還を果たしました。

 そんななか、2年以上マイナーチェンジがおこなわれていないのにも関わらず、プリウスと同程度の販売台数を見せる軽自動車が、2019年に12万2835台を販売したダイハツ「ムーヴ」です。

 現行ムーヴは2014年12月に発売され、2017年8月に一度マイナーチェンジがおこなわれました。2019年当時の段階で、すでに最新モデルとはいえない車種となっています。

 しかし、現行モデル発売後の2015年は販売台数12万835台を記録した後、2016年は10万2410台、2017年は14万1373台、2018年は13万5896台と、2019年まで大きく年間販売台数を落とすことはありませんでした。

 人気のホンダ「N-BOX」をはじめとする背の高いモデルに隠れながら、堅調な販売台数のムーヴは、ユーザーからどのような点が好評となっているのでしょうか。

 ムーヴについて、ダイハツの販売店スタッフは次のように話します。

「ムーヴは、正直他社の軽自動車に比べて、直近では大きな改良を施していません。しかし、お客さまからはお求めやすい価格である点や、シンプルで操作もしやすい点などで、好評を頂いております」

 また、ダイハツの別の販売店スタッフに話を聞くと、次のような意見も聞かれました。

「ムーヴシリーズには、標準モデルのほかに『ムーヴキャンバス』というモデルが存在します。

 ムーヴキャンバスは両側スライドドアを装備する点が標準モデルと異なるほか、個性的で可愛らしい外装デザインやカラーが特徴です。内装デザインも、外観に合うよう可愛らしく仕上げられています」

 ムーヴキャンバスは、標準のムーヴとボディ形状が大きく異なることから、一見しただけで別のクルマと分かります。

 しかし、軽自動車の販売台数を発表する全国軽自動車協会連合会では、同一の名前(通称名)を持つモデルは合算して集計することから、ムーブとムーブキャンバスは合算して集計されるのです。

 ムーヴシリーズとしてさまざまな個性を持っているからこそ、隠れた人気車という立ち位置を確立できたといえるでしょう。

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 2019年の新車市場を振り返ると、軽自動車の売れ行きが好調な傾向は前年から変化がありませんでした。

 登録車と軽自動車を合算した2019年の新車販売台数(519万5216台)のうち、軽自動車が占める割合は36.8%にのぼります。これは2018年の割合(36.5%)とほぼ同じです。

 また、売れ筋モデルという点でも同様で、登録車・軽自動車をあわせた販売台数の総合ランキング首位は年間25万3500台を販売したN-BOXとなったほか、2位以下もダイハツ「タント」(17万5292台)、スズキ「スペーシア」(16万6389台)、日産「デイズ」(15万7439台)とプリウスを超える販売台数のモデルが続きます。

 2020年に発売される新型車種によって、この売れ筋モデルの顔ぶれにどのような変化が起きるのか、注目されます。