2020年もさまざまなモデルが生産終了となりました。かつては絶大な人気を誇ったものや、鳴かず飛ばずなものまでありますが、そのなかからとくに印象的な3台を紹介します。

サヨナラ…2020年に生産終了となったクルマ達

 新車市場では、毎月のようにフルモデルチェンジやマイナーチェンジ、一部改良と、性能や機能を刷新したモデルが新たに発売されています。
 
 一方で、その新型モデル達の影に隠れて生産終了を余儀なくされるモデル達もおり、毎年何台かはメーカーの販売ラインナップから姿を消しています。
 
 今回は、そのなかから2020年に姿を消したモデルを3台紹介します。

●レクサス「GS」

 トヨタの高級ブランドとして北米から始まったレクサス。2005年からは日本市場でも展開され、2020年で15周年を迎えました。

 そのレクサスで、2020年4月に発表されたのが、同社のFRセダン「GS」の生産終了です。

 GSは1993年に初代モデルが発売されて以来、4代にわたり販売されてきました。日本市場においては、2005年のレクサス開業に伴い、3代目モデルから販売を開始しています。

 2012年にフルモデルチェンジした4代目となる現行GSは、昨今のレクサス車の共通デザインであるスピンドルグリルを初採用したモデルです。

 しかし、日本でのセダン市場縮小や欧州セダンの勢いに押されるなどにより、販売台数が芳しくなったこともあり、生産終了となりました。

 なお、GSの生産終了に伴い、ファイナルエディションともいえる特別仕様車「エターナルツーリング」が6月1日に発売。

 特別仕様車のベースとなるのはGS450h/350/300h/300“F SPORT”の4モデル。レクサスの走りの象徴である“F”から継承した、さまざまなアイテムが採用されています。

 外装はスピンドルグリルやアルミホイール、ドアミラーやリヤスポイラーなどにブラックを配色。GS450hとGS350(2WD)のエターナルツーリングには、オレンジブレーキキャリパーを採用。

 内装はアルカンターラ表皮やカーボンオーナメントパネルを採用したほか、ドアトリムやメーターフードなどにはブラックの内装色に映えるレッドステッチを施し、さらにドアトリムとステアリングの一部にもフレアレッドの表皮を配しています。

 レクサスインターナショナルプレジデント佐藤恒治氏は、GSについて次のようにコメントします。

「グローバルで27年間にわたるお客さまのご愛顧への感謝とともに、GSが生産終了した後も、レクサスがこれまで創り上げてきたグランドツーリングへのこだわりを継承し続けていくという思いを込めたものです」

 なお、GSは2020年8月末で生産終了となっており、2020年11月時点で正規販売店などで新車で購入することは出来ないようです。

●ホンダ「シビック(セダン)」

 2020年8月に生産終了となったのが、ホンダ「シビック(セダン)」です。

 ホンダを代表するモデルでもあるシビック。初代モデルは、1972年に発売されましたが、9代目モデルは日本市場に導入されていませんでした。

 現行となる10代目モデルは2015年に北米で発表。その2年後の2017年にセダン/ハッチバック/タイプRが日本市場に再投入されました。

 セダンは埼玉製作所寄居工場生産で生産し、ハッチバック/タイプRはイギリスのスウィンドン工場で生産され日本に輸入されています。

 直近では、セダンとハッチバックは2020年1月にマイナーチェンジを実施しましたが、日本市場ではGS同様にセダンが厳しい状況でもあったこともあり、セダンは1年経たずに生産終了となりました。

 なお、ハッチバック/タイプRを生産していたスウィンドン工場は2021年に閉鎖されることが決定しており、残る現行のハッチバックとタイプRの存続も近い将来に生産終了が見込まれています。

 その一方で、ホンダの北米法人は、2020年11月18日(日本時間)に11代目となる次期型「シビック」のセダン(プロトタイプ)を世界初公開しました。

 11代目シビックは2021年春の終わり頃に北米市場で2022年モデルとして発売される予定で、最初にシビックセダンがデビューするといいます。

 その後、スポーティな「シビックハッチバック」、パフォーマンス重視の「シビックSi」、そして究極の高性能モデルとなる「シビックタイプR」の登場することが明らかになっています。

 日本市場には、どのタイプが導入されるかは未定ですが、今後の続報が期待されます。

あれ? 売れていたのに…気づかぬうちに生産終了なあのクルマ

 2020年も多くのモデル生産終了となっていますが、その理由のほとんどは販売台数の低迷や後継モデルの登場というのがほとんどです。

 しかし、2020年9月に売れているのにも関わらず、ひっそりと姿を消したモデルも存在しました。

●トヨタ「タンク」

 トヨタのコンパクトハイトワゴン「ルーミー/タンク」は、ダイハツ「トール」のOEM車として2016年に登場。スバルでは「ジャスティ」という車名で販売される4兄弟でした。

 2019年の年間販売台数は、ルーミーが7位(9万1650台)でタンクが11位(7万4518台)となっており、両車合わせて年間16万台以上を販売する人気を誇ります。

 これまで、ルーミーはトヨタ店とカローラ店、タンクがトヨペット店とネッツ店という販売チャネルごとに取り扱いが分かれていましたが、2020年5月1日から販売チャネルに関係なく全店舗で全車種の取り扱いが始まりました。

 また、以前からトヨタは「国内のラインナップを半減する」という方針を打ち出していたため、現在ラインナップされている兄弟車がマイナーチェンジなどのタイミングで車種が減るのではないかといわれていました。

 2020年9月15日のルーミーのマイナーチェンジの際に、トヨタの公式ホームページからもタンクの名前は消滅。

 タンクはルーミーのグレードのひとつとして、外観デザインとして残される形となりました。

 なお、マイナーチェンジ後のルーミーでは、フロントフェイスのデザインが一新されており、標準モデルは旧来のタンクのデザインを引き継ぎ、カスタムは従来のルーミーらしい特徴的なグリルデザインが採用されました。

 ルーミー/タンクについて、トヨタの販売店スタッフは以下のように話します。

「タンクについては、8月中頃から近隣店舗も含め受注数の制限を設け、受注を終了していました。

 その終了からマイナーチェンジまでの間に購入を希望されているお客さまからは、『タンク』の名前が無くなるのは寂しいという声もありました。

 また、マイナーチェンジが発表された日の夕方にはルーミーに関するお問合せをいくつか頂きましたが、デザインや機能など改良された部分の質問を頂くものの、タンクに関する話はなかったです」

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 2020年には、これらの3台以外にもホンダはセダン「グレイス」やステーションワゴン「ジェイド」、スズキのコンパクトカー「バレーノ」、スバルのセダン「レガシィB4」などのモデルが生産終了となりました。

 2021年には、どのような新型モデルが登場し、そして姿を消していくのか、注目せずにはいられません。