派手顔のミニバンや軽自動車が支持されていますが、それらとは真逆のレトロなモデルも徐々に増えているようです。カスタムパーツでレトロ調を演出したモデルを紹介します。

派手顔に飽きたらレトロカスタムはいかが?

 ミニバンやSUV、軽自動車などには、メッキを多用した派手顔のフロントマスクを持つモデルが存在しますが、それらとは対照的にレトロなフロントマスクのモデルも最近は増えてきました。

 また、パーツを取り付けてレトロなデザインを表現するカスタムも流行っているようです。そんなレトロなカスタムを施したモデルを紹介します。

 商用バンの代表格であるトヨタ「ハイエース」は、仕事で使う人はもちろん、アウトドアレジャーを趣味とする人にも愛用されています。

 カスタムベースとしても人気があるハイエースに、レトロなカスタムを施したモデルが発売されました。

 今回登場したのは、フォルクスワーゲンが1979年に発売したトランスポーター「T3(Transporter 3)」、通称「VANAGON(ヴァナゴン)」のフロントフェイスをハイエースのフェイスに取り付けた「VANACE(ヴァナス)」というモデルで、オートモーティブジャパン(神奈川県横浜市)が開発しました。

 このヴァナスは、ヴァナゴンのアナログな角ばったフロントフェイスと、ハイエースの機能性を両立したモデルとなっています。

 ちなみに、ヴァナスという名称は、「VAN」と「HIACE」を組み合わせたといいます。

 エクステリアパーツは、欧州風の「ヴァナス-Type1:丸目2灯」、南アフリカ風の「ヴァナスType2:丸目4灯」、北米風の「ヴァナス-Type3:角目2灯」の3種類を設定。そのほか、フロントオーバーバンパーが用意されます。

 インテリアは、オリジナルのハンドルやシート(チェック柄)、荷台には無垢のウッド仕様やクォーターガラス内側に有孔ボード設置するなどのカスタムも可能です。

 ハイエースと並び、トヨタの商用車として支持を得ている「プロボックス」。このプロボックスを昔の欧州車風にカスタムしたモデルも注目です。

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 ハイエースとランドクルーザーの専門店を全国で展開するフレックスは、「Renoca(リノカ)」というクルマのリノベーションプロジェクトをおこなっています。

 そのなかで、営業車の代表モデルであるプロボックスをベースに、レトロ調のカスタムを施した「ユーロボックス」を開発しました。

 ベースとなるプロボックスは、多目的に使える広い荷室や高い経済性など、商用車に求められる要件を徹底して追求していますが、ユーロボックスでは商用バンをオシャレにカスタム。

 外観デザインは、往年の欧州車のような丸目のヘッドライトや樹脂製バンパー、オレンジウインカーなど、クラシカルに仕立てられました。

 ボディカラーは、「ほとんど見かけないけども、奇抜でもない、地に足のついた色味」としてグレーやベージュなどの色を数パターン用意しています。

 内装は、プロボックスの魅力でもある機能重視のシンプルなデザインをより魅力的に見せるために、チェック柄のシート生地を採用しました。

軽自動車もレトロにカスタム!

 スズキ「ジムニー」をレトロ風にカスタムできるキットをエアロパーツメーカーのダムドが開発しました。

 東京オートサロン2020に出展して話題になったモデルですが、ダムドが発表したジムニー用ボディキットは、ジムニー専門パーツメーカーのアピオと共同製作した「JIMNY the ROOTS」です。

 無骨さが際立つJIMNY the ROOTSは、1970年の初代モデル発売から50年近い歴史を持つジムニーが、現代まで継承するその基本構造やコンセプトに宿る魂を表現したデザインです。

 標準モデルでは黒を基調としたフロントグリルですが、JIMNY the ROOTSではボディと同色のカラーリングとなっているほか、ウィンカーの位置変更やメッキ調の張り出したフロントバンパーもレトロな雰囲気を演出しています。

 最新のジムニーを古く見せるかにこだわり、エイジングと呼ばれる加工を施してさびや汚れなどを表現。筆や塗料を水で流すような技を用いて、職人が手作業で仕上げています。

 また、サイドに入れられた『自家用』という文字もフリーハンドで書いており、クラシカルなイメージを強調するアクセントとなっています。

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 2022年3月末での生産終了が発表され、最後の特別仕様車がすでに完売したホンダの軽2シーターオープンカー「S660」。

 ホンダ車の純正アクセサリーを手掛けるホンダアクセスが、レトロ調のボディキットとして「S660 ネオクラシックキット」を販売しています。

 S660 ネオクラシックキットは、ホンダアクセスが指定した店舗でのみ販売・取り付けがおこなわれます。

 変更されるボディパーツは、フロントフェイスやボンネット、フロント/リアフェンダーなど多岐にわたり、変更されないのは左右ドアやウインドウ類程。

 徹底したデザイン変更が施されることで、シャープなデザインのS660がレトロかつ可愛らしい雰囲気に一変します。

 なお、ボディキットを取り付けても軽自動車としてのサイズは変わりません。

 S660 ネオクラシックキットは2020年1月以降のマイナーチェンジモデルには対応していないことと、2021年5月末で受注終了となる点は注意が必要です。

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 通常のモデルでも、スズキ「ジムニー」やダイハツ「ムーヴキャンバス」など、レトロな雰囲気を特徴とするモデルは高い人気を誇ります。

 また、日産次期「フェアレディZ」は歴代モデルのモチーフを取り入れたり、ホンダの電気自動車「ホンダe」は初代「シビック」をオマージュするなど、「原点回帰」をキーワードに新型車を開発する事例もあります。

 ちょっと懐かしさを感じられる外観スタイルに、最新のコネクティッド機能や安全装備を盛り込んだモデルが今後は増えていくのかもしれません。