トヨタを代表するワンボックスカー「ハイエース」には、新型モデル(300系ハイエース)が国内投入されるという噂があります。キャンピングカーのベース車としても一定の人気を誇るハイエースですが、もし新型が投入されたらどのような状況になるのでしょうか。

国内投入ある? 300系ハイエース

 ついに“300系”がベールを脱ぎ、自動車メディアでは大きな話題となっていますが、これは中東UAEからオンライン形式でワールドプレミアされたトヨタ新型「ランドクルーザー」(300系ランドクルーザー)の話です。

 ランドクルーザーのフルモデルチェンジについては、搭載されるパワートレインの種類や正式発表時期について世界各地のメディアがこれまで、さまざまな噂を流してきました。

 そのなかで、日本のランドクルーザー需要はグローバルのうち1割程度と限定的ですが、日本では“オールドランクル”のファンを含めてヘビーユーザーが多く、今回の300系ランドクルーザー発表を待ち望んでいた日本人は大勢いました。

 一方、同様に300系の日本登場が待望されているのがトヨタ「ハイエース」です。

 新型ハイエース(300系ハイエース)はすでに2019年に東南アジア市場向けとして先行して発売され、キャブオーバー形状の200系ハイエース(日本の現行ハイエース)と違うセミボンネット形状の大型車となり、国内では乗用車仕様に改良された「グランエース」として発売されています。

 このグランエースとは別に、日本仕様ハイエースのフルモデルチェンジとしてセミボンネット化される可能性があります。

 一部の自動車メディアでは「300系ハイエース・2021年中に発売」という推論を展開してきましたが、ハイエースを製造するトヨタ車体の関連企業・岐阜車体工業がある岐阜県各務原(かかみがはら)市の周辺や、トヨタ関係の各方面からの声を筆者(桃田健史)が聞く限り、少なくとも2021年度中の日本仕様発表はないと思います。

 最近は2022年登場説がまことしやかにネット上で囁かれていますが、果たして……。

 現行の200系ハイエースは2004年から17年間に渡り商用ワンボックス車として他社を圧倒する好調な販売を維持しており、ハイエース(ワゴン)は直近の2020年度(2020年4月から2021年3月)で8737台と月700台ペースで売れ続けています。

 ハイエース販売好調の背景には、個人事業主からの絶大なる信頼に加えて、最近ではキャンプ・アウトドアブームによるバンコン(バンコンバージョン)需要が新型コロナ禍での三蜜回避などで後押しされ、バンコンの主流であるハイエースへの人気が改めて高まるという現象が生まれています。

 実際、2021年に入り関東圏の各地で開催された日本RV協会主催のキャンピングカー展示販売会を訪れましたが、バンコンのハイエース関連の新規モデルがまだまだ登場している状況であり、キャンピングカー製造販売企業の多くが200系存続を熱望しています。

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 200系ハイエースの一部改良が2017年11月に実施された際、東京・お台場のトヨタ関連商業施設・メガウェブでは、ハイエース生誕50周年を記念する式典が開催されました。

 その際にお披露目されたのが、トヨタ系のモデリスタが手掛けたキャンピングカー仕様のコンプリートカー「リラクベース」でした。

 現在も発売されている、mRT (マルチロールトランスポーター)をベースに、フォルクスワーゲンの「タイプII」を彷彿させるような大胆なエクステリアで架装した魅力的なモデルです。

 発表会場で当時のハイエース担当主査に直接話を聞きましたが、「トヨタの販売店の一角にキャンピングカーやアウトドアを扱うエリアを設けて、リラクベースのようなスペシャルモデルの販売も強化していきたい」と新たなビジネスへの可能性を示唆していました。

 残念ながら、リラクベースは期間限定車として短命に終わりましたが、あれから3年半以上が経過して全国のトヨタ販売店のなかでは、ハイエースを使ったオリジナルのキャンピングカー仕様を販売したり、アウトドアグッズの専門店を展開するなどの動きが本格化してきました。

 こうした市場の下地が整った状況で、早かれ遅かれフルモデルチェンジするかもしれない300系ハイエースでは、当然モデリスタ、またはGRとしてさまざまなメーカー系カスタマイズパーツやコンプリートカーが登場し、そのなかで「リラクベース復活」の可能性は十分にあるのではないでしょうか。