レクサス新型「NX」が2021年6月12日に世界初公開されました。レクサスには複数のSUVが設定されていますが、NXの弟分にあたる「UX」とはどのような違いがあるのでしょうか。両車を比較してみます。

レクサスSUVのデザインがそっくり!? 新型NXとUXを比較

 2014年に登場したレクサス「NX」がフルモデルチェンジし、2代目となる新型モデルが2021年6月12日に世界初公開されました。

 7年ぶりに新型が登場するNXですが、次世代レクサス第1弾として大幅な進化を遂げています。

 レクサスには複数のSUVがラインナップされますが、そのなかでもっとも新しい2018年にデビューした弟分ともいえる「UX」と新型NXの違いはどのようなところなのでしょうか。両車を比較してみます。

 新型NXのデザインは、レクサスの象徴であるスピンドルグリルを垂直に立てることで塊感を強調するとともに、この直立したグリルは効率的に空気を取り込みラジエーターの冷却性能が向上しました。

 また、グリルのメッキ枠を廃止して塊感を強調することで、シンプルな構成と軽量化を実現。初代NXではヘッドランプの下にL字型のクリアランスランプを配置していましたが、新型NXは一体型デザインを採用し、全体を黒基調に変更しています。

 グリルパターンは、標準仕様は立体感のある縦長U字形ブロック、スポーティグレードの「Fスポーツ」はメッシュタイプとしました。

 リアは、最近のレクサス車をはじめ、トヨタ車やほかのメーカーでも採用例が多い横一文字のリアコンビネーションランプを採用。

 L字ライト(左右)を組み合わせて新型NXらしい演出を施しているほか、リア中央のレクサスの「L字エンブレム」は「LEXUSエンブレム」に変更され、次世代レクサスの幕開けを感じさせるデザインとしました。

 対するUXのデザインは、NXと同じくスピンドルグリルを装着し、縦方向に厚みをもたせたボディによって安心感のあるタフな力強さと俊敏な走りをイメージさせる大胆かつ洗練されたエクステリアを実現しています。

 三眼LEDヘッドランプは上部にL字のクリアランスランプを配置することで、精悍な表情を演出。このヘッドランプ形状は、新型NXに採用されたデザインとよく似ています。

 UXのグリルパターンは通常仕様はブロックメッシュ形状、Fスポーツはメッシュ形状としました。

 リアもスピンドルをテーマとし、凝縮感とシャープさを強調。リアコンビネーションランプは左右一体の翼形状とし、両端を立体的な縦フィン造形にすることで、走行安定性に寄与する空力性能を確保するなど、独創的なデザインを実現しながら機能美も追求しています。

 新型NXのインテリアはコンセプトカー「LF-30エレクトリファイド」で発表した新たなコックピットデザイン「Tazuna Concept」に基づき設計。

 人が馬を操る「手綱」に着想を得て、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを連携させ、視線移動や煩雑なスイッチ操作をすることなく、運転に集中しながら各種機能の制御が可能な空間を実現しています。

 UXはクロスオーバーらしいシルエットでありながら、走りを予感させる低いドライビングポジションとステアリングを中心に配置した操作系により、ドライビングの高揚感を演出するコクピットを実現。視覚的な開放感を両立したインテリアとしました。

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 外観デザインはよく似ている新型NXとUXですが、新型NXはトヨタ「ハリアー」「RAV」「カムリ」などに搭載される「GA-Kプラットフォーム」、UXはトヨタ「C-HR」「プリウス」などに使用される「GA-Cプラットフォーム」を採用しており、ボディサイズが異なります。

 新型NXは全長4660mm×全幅1865mm×全高1640mm、ホイールベースは2690mm、UXは全長4495mm×全幅1840mm×全高1540mm、ホイールベースは2640mmと、新型NXのほうがひと回り大きいボディを持っていることが分かります。

新型NXとUXはそれぞれレクサス初となるパワートレインを設定

 新型NXとUXは、パワートレインにも特徴があります。

 まず新型NXは、レクサス初のPHEVを含めた全6種類のパワートレインが用意されました。

 エンジンは2.5リッタープラグインハイブリッド、2.5リッターハイブリッド、2.5リッターガソリン、2.4リッターターボに、駆動方式はPHEVとターボ車がAWD、HVとガソリン車はAWDとFFが設定されるなど、多彩なラインナップから選択することができます。

 新型NXの目玉となるPHEVは、大容量・高出力リチウムイオンバッテリー(18.1kWh)、フロント・リアモーターを搭載。クラストップレベルのEV走行可能距離と十分なパワーを両立しました。

 走行モードはスイッチ操作で4つ(EVモード/AUTO EV・HVモード/HVモード/セルフチャージモード)から選択が可能。

 さらにAUTO EV/HVモード選択時にナビを設定すると、電池残量や交通情報といったデータをもとにエネルギー効率の高い走りを実現する先読みEV/HVモード切りかえ制御をレクサス初採用しました。

 また、新開発2.4リッターターボでは、同じく新開発のDirect Shift-8ATおよび電子制御フルタイムAWDを採用。

 エンジンはTNGAの高速燃焼システムに加え、レクサス初のセンター噴射直噴システムやターボと触媒の近接配置などにより、年々厳しくなる排気・燃費規制への対応を図りつつ、カーボンニュートラルを意識した取り組みを実施しています。

 トランスミッションは、低回転から高トルクを発生できるターボエンジンに合わせて最適化し、新開発のシフト制御技術によってドライバーの意図に忠実な加減速や、気持ち良いシフトスケジュールを実現しました。

 一方、UXのパワートレインは2リッターガソリンと2リッターハイブリッドを用意。駆動方式はガソリン車はFF、HVはFFとAWDが設定されています。

 ガソリン車は優れた動力性能と環境性能を両立するとともに、高回転域まで軽快に回る爽快な加速フィーリングと心地良いエンジンサウンドを実現。

 従来のベルトとプーリーによる駆動に加え、発進用のギヤを追加したDirect Shift-CVTと組合せ、CVT本来のスムーズな走りはそのままに燃費性能を向上。走行シーンに応じた気持ちの良い走りを可能にしました。

 また、HVはモーターによるアシストとエンジン回転数を最適化し、気持ちの良い加速フィーリングを味わえるとともに、WLTCモード燃費22.8km/Lという低燃費を実現しています。

 さらにUXには、レクサス初のEV市販車を設定。UXが持ち味とする個性的なデザインや、高い利便性、取り回しやすさはそのままにレクサスのEVならではの上質な走りと優れた静粛性を追求しています。

 ドライバーの運転感覚に寄り添った自然な加減速フィールと、高出力モーターによる優れた加速性能を両立したほか、大容量バッテリーの床下配置により、低重心化とWLTCモード航続距離367kmを実現しました。

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 レクサスは、2025年には全車種に電動車を設定し、電動車の比率がガソリン車を上回ることを目標としており、PHEVを設定する新型NXとEVを設定するUXは、レクサスの電動化戦略には欠かせないモデルだといえます。

 新型NXの日本での発売は2021年秋頃、北米では2021年第3四半期の生産開始を予定しています。