自動車大国である日本のクルマは、世界各国で認められています。海外では多くの日本車が走っており、海外専用車も存在。そのなかには日本に導入してほしい魅力的なモデルも多数あります。そこで、海外で販売されている人気の日本車を紹介します。

現地独自の進化を遂げた日本車が海外で人気に!

 世界的に見ても自動車大国の日本ですが、我々が思っている以上に日本車は世界で認められ、人気になっています。欧米はもとよりアジア諸国でも人気が高く、海外の街をたくさんの日本車が走っているのです。

 また日本では販売されていない海外専売モデルなども数多く、国内導入してほしい魅力的なモデルも存在。

 世界的に実力を認められた日本車のなかでも、とくに現地のニーズにマッチした海外専売モデルは販売ランキングでも上位に入るほどです。

 そこで、世界各国の市場で人気を博している日本車を5台ピックアップして紹介します。

●ホンダ「オデッセイ」(アメリカ)

 ミニバンを生み出したアメリカで、ホンダ「オデッセイ」が爆売れ中です。それだけでも十分インパクトあるニュースですが、2010年以降8年連続でアメリカのミニバン市場でもっとも売れたモデルなのですから、いかにオデッセイがアメリカで人気かが分かります。

 日本でもオデッセイは販売されていますが、アメリカのオデッセイは車名こそ同じですが別のモデル。アメリカ版オデッセイは2005年まで日本でも販売されていたフルサイズミニバン「ラグレイト」の実質的な後継モデルです。

 アメリカ版オデッセイのボディサイズは全長5200mm×全幅1990mm×全高1730mmと堂々としたサイズ。日本版とはふた回りほど大きなボディとなります。

 搭載されるパワーユニットは、280hpを発揮する3.5リッターV型6気筒エンジンで、パドルシフト付き10速ATを採用したFF駆動の大型ミニバンになっています。

 オデッセイが売れている理由は、ホンダらしいスタイリッシュなデザインとパワフルな走りが融合し、かつ7/8人乗車できる広い居住性です。

 アメリカの子供がいる家庭にとってミニバンは定番のアイテム。子供の送迎や家族での外出などで大きなクルマが必要とされています。その条件にぴったり当てはまったのがオデッセイだったというワケです。

●日産「キャシュカイ」(イギリス)

 近年はSUVが主力となっていますが、この傾向は日本だけでなく海外でも同じです。

 SUV人気を裏付ける人気モデルが日産「キャシュカイ」です。初代モデルは日本でも「デュアリス」として販売されていました。

 好調な販売を記録するキャシュカイですが、欧州で3代目へと進化。なかでもイギリスでは日産ファンも多く、キャシュカイはイギリスを中心に欧州全体でもっとも売れている日産車なのです。

 2021年にフルモデルチェンジされた3代目は、全長4425mm×全幅1838mm×全高1635mmと日本の「エクストレイル」と「キックス」の間くらいの大きさ。パワートレインは新開発の12Vマイルドハイブリッドを組み合わせた1.3リッター直噴ターボエンジンを搭載しています。

 ちなみに駆動方式は2WDと4WDがラインナップされ、2WDには欧州モデルらしく6速MTも設定。

 欧州では日本同様に道が狭いところやワインディングも多く、スポーティな走りやハンドリングの良さで定評のある日産車が人気なのも納得です。

 ちなみに「キャシュカイ」には、1.5リッターエンジンを発電用に搭載したシリーズ式ハイブリッド「e-POWER」モデルも今後追加予定となっていますが、日本への導入は未定です。

●スズキ「ディザイア」(インド)

 日本や欧州などではSUVが台頭するとともにセダンがその数を減らしていますが、アジアに目を向けるとまだまだ日常の足として小型セダンの需要は高いようです。

 狭い道でも入っていけるサイズと4ドアによる利便性、高い経済性が人気の秘訣だといえます。

 そんなのなか、インドでエントリーモデルとして人気になっているのが、スズキのインドでの子会社「マルチスズキ」が手がける「ディザイア」です。

 日本でも販売されている「スイフト」のセダン版で、インドのセダン市場で10年以上にわたり55%以上のシェアを誇る、もっとも売れているセダンです。

 2020年に新型へと切り替わったディザイアは、スイフトと共通のプラットフォーム「ハーテクト」を採用。ボディサイズは全長3995mm×全幅1735mm×全高1515mmとなっており、スイフトよりもワイドになっています。

 搭載されるパワーユニットは、最高出力90馬力の1.2リッター「Kシリーズ」デュアルジェットエンジンを搭載。ほかにも1.3リッターディーゼルも用意されています。

 またトランスミッションは5速MTとAGS(オート・ギア・シフト)と呼ばれる自動クラッチ付きMTを搭載しました。

 インドの物価指数は日本と比べて低めですが、高温な土地柄もあってクルマの需要は非常に高いといいます。

 インドといえば「タタ・モータース」が有名ですが、乗用車部門に限っては「マルチスズキ」のほうがシェアは高いという、国民的大人気ブランドになっています。

トヨタ車・レクサス車が人気の国は?

●トヨタ「RAV4」(ロシア)

 かつて社会主義国だったロシア(ソビエト連邦)ですが、現在は資本主義となり海外のメーカーがクルマを販売しています。そんななか、ロシアで着実にシェアを伸ばしているのがトヨタです。

 2020年1月から3月期では、前年比較+26.0%を記録。ロシア国内で5位にランクインしています。

 ロシアでの売れ筋モデルのなかには、寒冷地でも絶対的な信頼性がある「ハイラックス」なども含まれていますが、とくに「RAV4」の人気が非常に高まっているようです。

 もともとロシアでは「大きくて強い」ことが美徳とされており、タフなデザインへと生まれ変わったRAV4が高評価に繋がりました。

 ロシア版のRAV4は、左ハンドルになっている程度で基本的には日本仕様との違いはありません。全長4600mm×全幅1855mm×全高1685mmのサイズも一緒。ただし日本ではグレードによって19インチホイールまで装着できますが、ロシア版は225/65R17となっています。

 RAV4がロシアで人気の理由は、通貨のルーブルが何度か暴落したことと関係があるようです。ロシア国民は、買えるうち(貨幣価値が下がる前)に現金を資産化する文化があり、「資産」としてクルマを購入する傾向が強いといわれています。

 そんななか世界的なSUVブームもあって、人気が維持できそうなRAV4が売れるというわけです。

●レクサス「ES」(韓国)

 韓国車メーカーのヒュンダイは2001年に日本市場へ参入しましたが2010年に撤退(乗用車)。今では日本で韓国車を見かけることはめったにありませんが、韓国でも日本車が走っていることは非常にまれでした。

 しかし近年、韓国で日本車が躍進しており、とくにレクサスの人気が上昇中。なかでもラグジュアリーサルーン「ES」の人気が高いそうです。

 韓国で販売されているESは、ハンドルこそ左ですがほぼ日本仕様と同様で、全長4975mm×全幅1865mm×全高1445mmの堂々としたサイズに2.5リッターエンジン+モーターのハイブリッドシステムを採用したFFサルーンです。

 もともと韓国ではヒュンダイやキアなど自国のメーカーが強く、輸入車は「富の象徴」でもありました。

 とくにドイツメーカーのメルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン・アウディが人気を得ていましたが、日本車は欧州車より入手しやすい価格帯であることに加え、トヨタのハイブリッドシステムの優れた環境性能などが評価され、ESの人気が一気に高まったのだそうです。

 韓国では「見栄も大事だが、それより性能とコスパ」という新しい価値観を持った若年層が日本車を選ぶ傾向があるといいます。

 レクサスに手が届かない人はホンダ「アコード」のハイブリッド車などを買い求めているそうです。

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 海外でもその国のニーズにあった日本車が高く評価されています。

 アメリカでは日本車は輸入車扱すらされなくなってきているほど普及していますし、イギリスでも人気。ただし、ドイツではやはり自国メーカーが圧倒的なシェアを占めているそうです。