2021年6月10日に世界初公開されたトヨタ新型「ランドクルーザー(300系)」は、すでに中東やロシアなどでは発売されています。日本では同年7月上旬から先行受注が開始されたものの、同月中旬には受注停止となっているようです。なぜ、正式発売前から受注停止となっているのでしょうか。

トヨタ新型「ランクル」人気過ぎて…納車2年待ち?

 海外で発表されて以来、日本でも話題になっているトヨタ新型「ランドクルーザー(300系)」ですが、正式発表前となる2021年7月中旬の段階で、受注停止になるという異常事態が起きています。
 
 なぜ先行受注にも関わらず、300系の受注が停止する状況となっているのでしょうか。

 300系は、2021年6月10日の午前2時半(日本時間)に海外市場に向けて発表されました。

 日本市場に向けた正式発表は、7月23日現在では無いものの、同月1日には国内のトヨタ系ディーラーにて先行予約が開始され、8月上旬に正式発表されるといいます。

 しかし、それからわずか半月という7月中旬の段階で受注停止という事態になっているといいます。

 日本での正式発表を待たずして、クルマが買えないというのは、2018年7月に20年ぶりのフルモデルチェンジとして登場したスズキ「ジムニー」や、2020年6月に発売されたトヨタ「RAV4 PHV」といったごく僅かなモデルくらいです。

 300系の販売について、あるトヨタ系の販売店スタッフは次のように語ります。

「正式に何台で打ち止めかという台数は我々にも分かりませんが、RAV4 PHVの受注時には、納車まで1年越えという状態になった時に受注停止となりました。

 ですので、300系も、おそらく納車期間が1年を超えてしまったのではないでしょうか」

 ちなみに先代200系の販売台数を見てみると、2019年度は2650台、2020年度は1960台という実績です。

 2021年は受注停止となった6月までに約1000台が売れています。それから考えると、300系の月間販売目標台数は、約1500台に設定されている情報も頷けます。

 トヨタ系ディーラーで調べた300系の価格は、510万円から800万円と、国産SUVとしては高額なモデル。

 国内の販売状況を考えれば、控えめな目標台数であっても不思議ではありません。

 さらに300系のメインの市場は、中東やロシアなどの海外。製造しているトヨタ車体の生産能力を考えれば、そのキャパシティのほとんどが海外向けに注力されているのは自明の理です。

 ちなみに前出の販売店スタッフによれば、7月7日時点で約1万8000台の受注が入っており、日本で8月に納車されるクルマは都外にあるディーラーから事前予約された分のごくわずかな台数だといい、東京を中心とする関東近県からの発注分は納車時期さえ未定だといいます。

 なお、地方のディーラーから予約された分の納車が早いのは、販売チャネル内の事情があるようです。

 トヨタは2020年5月に、それまで販売チャネル毎に設定していた専売車を全国ですべての車種が販売できるようにしました。

 しかし、それから1年以上が経過していますが、旧販売チャネルの影響は色濃く残っているようです。

 例えば、200系は旧トヨタ店のみの取り扱いでした。オーナーとの付き合いも考えると、ほかの系列店だったトヨペット店、カローラ店、ネッツ店よりも営業面で圧倒的に有利なのと同時に、この3チャネルを展開する販売会社の苦戦が予想されます。

 オーナーとの付き合いが薄いこれらの店は、立地条件も含めて300系を購入しにくるユーザーが少ないというトヨタ本社の判断が働いたといいます。

 そのため、一部の販売会社は6月下旬からの先行予約を可能したことで、8月に納車される幸運な人もいるのではないでしょうか。

 都内にある複数の販売店に納車状況を確認しましたが、どの販売店も「まったく分からない」「場合によっては2年近く待っていただくかもしれない」ということでした。

 トヨタのことですので、スズキ「ジムニー」のように何年にも渡って納車1年待ちが続くとは思えませんが、現状では受注再開を気長に待つしかなさそうです。