免許更新の際、持参した写真を使うことが出来ますが、これまで受理できない理由が不透明だったといいます。今回、国民の声が「縦割り110番」に寄せられたことで、警察署などでの窓口対応などが見直しされることになりました。

免許更新の二度手間が減る? 不適当な写真の例を見直し!

 運転免許は、3年もしくは5年ごとに更新することが義務づけられており、警察署や運転免許更新センター、運転免許試験場などで手続きが可能です。
 
 その際、顔写真も更新することになりますが、場所や曜日によってその場で撮影することや、持ち込んだ物を使用することができます。
 
 そうしたなかで、持ち込み写真の規定について「明確な基準」を求める声が多かったようですが、今回警察庁の通達でその基準が明確になりました。

 運転免許更新は、「免許センター」、「即日交付される拠点警察署」、「後日交付警察署」で実施されています。

 全国の現状では、後日交付箇所を設置していない茨城県・埼玉県・福井県・鳥取県・福岡県以外の42都道府県のうち、24都道府県の後日交付警察署では写真撮影がおこなわれず、持参を求められており、運転免許の写真は年間約270万人が提出していたといいます。

 こうしたなかで、2021年9月3日に内閣府の規制改革・行政改革担当大臣直轄チームは「規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)」にて、以下の要望を受けたことを公表しています。

「警察署に持参した写真が、影があるという理由で受理されず撮り直しを指示されたが、再撮影した写真と見比べても違いが分からなかった」→「持参した写真を、公表されている撮影基準の範囲内で審査してほしい」

 また、同日となる3日の閣議後会見にて、棚橋泰文国家公安委員長は次のようにコメントしています。

「個人識別が容易な写真は受け付けるという基本的な考え方に基づき、不適当な写真の例を見直すとともに、受理できない場合には理由を明確に説明すること、写真を持参せずに免許証を更新することが可能な窓口を拡大すること等を指示する通達を本日発出する」

 これらの結果を受けて、同3日に以下内容の通達が都道府県警察に発出されました。

 1.免許用写真の添付を要しない即日窓口の拡大
 2.免許用写真を添付した申請者に対する適切な対応
 3.免許用写真に関する情報の提出

 これらの内容によって、免許用写真の基準に基づいて、各警察署などのホームページに掲載している不適用な写真の例について見直すことが求められました。

 従来の運転免許証の写真の規定では、道路交通法施行規則第17条第2項第9号で、「申請前6月以内に撮影した無帽、正面、上三分身、無背景の縦の長さ3.0センチメートル、横の長さ2.4センチメートルの写真で、その裏面に氏名及び撮影年月日を記入したもの」と定められています。

 一方で、背景が赤や黒などの極端な原色であること、目の大きさや色が変わることからカラーコンタクトや瞳の縁を広げるコンタクトの使用は禁止事項となっています。

 また、宗教上、医療上の理由により、かつらや帽子、布、ウィッグなどを普段から使用している人は、個人識別の容易性が確保される範囲において使用することができ、事前に窓口に相談することが可能となっていました。

 今回、運転免許証写真の不適用な写真の例が明確化されたことで、警視庁のホームページでは適切な写真の例、不適切な写真の例について細かく見直しがなされています。

 不適切な例の写真では、顔を傾けているものや正面を向いていないもの、明るすぎたり、暗すぎたりする写真など、30個以上の写真が例として挙げられています。

今回の明確化は申請者の負担軽減に繋がる?

 さらに、警察庁運転免許課の通達で、次のような窓口対応を都道府県警察に求めています。

「運転免許証に使用される写真については、その目的に鑑み、写真上の容貌等は社会通念上、個人識別が容易にできるものでなければならないが、免許用写真を添付した申請者がその再撮影等を求められた場合の申請者の負担を踏まえると、申請者が添付した写真について、免許用写真として許容できるものであるにもかかわらず、これを免許用写真として受け付けないといったことがないようにしなければならない」

 こうした基本的な考え方に基づき、具体的な事例ごとの考え方については別添の「申請用写真及び直接撮影写真の容貌等に関する許容範囲」の資料を参照の上、各都道府県警察において免許用写真の基準を定め、公表することとしています。

この資料では、前述した道路交通法施行規則第17条第2項第9号の内容を大前提として、各規定についての補足的な詳細が示されています。

 例えば、無帽についての規定では、「ヘアーバンドの使用は、その形態によるが、一般的にはそのことをもって個人識別に支障があるとは考えられないことから許容できる」。

「スカーフ等の使用は、(病気等で髪の毛が抜けているなど)やむを得ない事情により使用している場合は許容できる」「かつらを使用している者や髷を結っている者など、それがその者の日常生活の形姿である場合は許容できる」と記されています。

 ほかにも、正面、上三分身、無背景、顔の表情等、眼鏡の使用について各項目が設けられ、一般的によく見受けられるケースやユーザーからの疑問が多いものについて主に記載されています。

※ ※ ※

 今回の不適当な写真の具体例について、各都道府県警察及び各警察署のホームページ上において、明確化されたことでユーザーの負担が軽減されることが期待されます。