警察庁のデータによると、2020年の交通違反の取り締まり件数は2019年に比べて減少していました。しかしそんななか、2020年に最も増加していた交通違反や、1年で半減した交通違反もありました。

2020年の交通違反 最も増加したのは「一時不停止」

 警察庁が発表しているデータによると、2020年の交通違反の取り締まり件数は2019年に比べて減少傾向にあるといいます。

 警察庁交通局が作成した「令和2年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」を見ると、2020年の交通違反の全検挙件数は716万7365件と、2019年の731万7964件と比べ、15万599件(2.1%)減となっています。

 内訳では「携帯電話の使用等」の違反件数が大幅に減少傾向にあり、要因としては2019年12月1日から実施された「ながらスマホ」の厳罰化が考えられます。

 罰則を強化したことで、2019年の71万6820件に比べ、2020年は30万9058件と、40万件以上減少しています。

 一方で、2020年に増加した交通違反はどういうものだったのでしょうか。

 2020年の交通違反のうち、最も違反件数が増えていたのは「一時不停止」で、2020年の違反件数は160万4972件と、2019年の132万8154件よりも27万6818件(20.8%)も増加しています。

 この一時不停止に加え、2020年に3番目に多かった交通違反は「歩行者妨害」であり、こうした「横断歩行者妨害」が年々数値を増しているといいます。

 警察庁ウェブサイトによると、2016年から2020年の過去5年間で、自動車と歩行者が衝突した交通死亡事故は5451件発生しており、そのうち約7割の3900件が横断中の歩行者との事故です。

 横断歩行者等妨害等違反の取り締まり状況(件数)は、2016年の11万1142件に比べて、2018年には18万1290件、2019年には22万9395件、2020年には29万532件とこの5年間で件数は約3倍に増えています。

一時不停止や歩行者妨害の違反点数や反則金は?

 一時停止は、道路交通法第43条で「車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあっては、交差点の直前)で一時停止しなければならない」と定められています。

 仮に違反した場合は、違反点数は2点、普通車の場合の反則金は7000円が科されます。

 また、歩行者妨害についても、道路交通法第38条で、「クルマが横断歩道を通過する際は、停止できる速度で走行しなくてならない」と定められており、また、「横断歩道を横断中または横断しようとしている歩行者がいる場合は、横断歩道の手前で一時停止し、歩行者の横断を妨げないようにしなければならない」という規定があります。

 歩行者妨害で違反した場合は、違反点数は2点、普通車の場合の反則金は9000円が科されます。

 一時不停止に加え、横断歩道の歩行者との接触や、よく道の状況を確認せずにクルマを走らせてしまうことで大きな事故につながりかねません。

 警察署の交通課担当者は、一時不停止などの横断歩行者妨害について以下のように話します。

「交通事故の原因となる違反について、一時停止が必要な交差点での一時停止違反が非常に多くなっています。

 一時停止の標識がある場所では、自転車も含め必ず一時停止をしてください。

 一時停止の標識がない場所がありますが、代わりに道路に止まれと書かれている場所もありますので、標識がない場所であっても気を付けながら走行するようにお願いします。

 また、横断歩道で歩行者が渡ろうとしているときは、必ず一時停止して歩行者に道を譲るようお願いします。

 これは交通マナーとしても皆さまに意識していただきたいです」

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 こうした横断歩行者妨害について、警察は対策を強化しており、ウェブサイトやポスターはもちろん、直接の取り締まりについても厳しくおこなっています。

 横断歩道では、歩行者が横断している場合には必ず手前で停止し、歩行者を優先し、まわりに横断する人や自転車がいないかを確認してから走行するように心がけなければなりません。

「人がいなそうだから大丈夫」「誰もいないからこのまま走行しよう」といった安易な気持ちでいると大変危険なため、一時停止や横断歩道での交通ルールをしっかり守った運転をしましょう。