トランクが閉まらないほど積載しているタクシーを見かけることがありますが、物が落ちないようにロープなどで固定すればこの状態で走行しても大丈夫なのでしょうか。

条件を満たせば車種によっては法律上問題がない

 荷物を積み過ぎてトランクが閉まりきっておらず、テープやロープで固定しているタクシーなどをときどき見かけます。

 では、トランクが閉まりきっていないクルマがそのままの状態で走行することは法律上問題ないのでしょうか。

 道路交通法第71条第4号第1項には「乗降口のドアを閉じ、貨物の積載を確実に行う等当該車両等に乗車している者の転落又は積載している物の転落若しくは飛散を防ぐため必要な措置を講ずること」とあります。

 そのため、ドライバーは人と物の両方について、車外に転落してしまったり、飛散してしまったりすることのないよう、なんらかの対策をおこなう必要があります。

 さらに、道路交通法施行令第22条第4項には「自動車の車体の前後から自動車の長さの10分の1の長さを超えてはみ出さないこと」と記載があり、トランクに荷物を積んだ際のはみ出しに関する規定もあります。

 トランクの開けっ放しの走行について、都内の警察署交通課の担当者は以下のように話します。

「トランクを開けっ放しで走行することは、万が一トランクに積んでいた荷物が道路に転落してしまうことで転落防止措置義務違反に該当します。

 また、トランクに積んで車体から大きくはみ出してしまうと別の違反に該当することもあります。

 トランクに荷物を積むときは長い、大きいものには気をつけて、ものが落ちないようにしっかりとロープで固定したりするようにしてください。

 仮に道路にものを落としてしまうことで、大きな事故に繋がる恐れもあるため、トランクに入り切らないものは積まないなどの措置を取るのが一番安全でしょう」

 仮に転落防止措置義務違反に該当すると、普通車の場合は違反点数1点、反則金6000円となります。

 なお、道路運送車両法でクルマの運行中はナンバープレートを判読できるようにすることが定められています。このため、トランクにナンバープレートがついているクルマの場合はトランクを開けるとナンバーの表示が上を向いてしまうため、この点においても抵触します。

車両の構造上、トランクの開けっ放し走行は厳禁!?

 では、車両の構造的にはトランクが閉まりきっていない状態での走行は問題ないのでしょうか。

 トヨタ「クラウン」や日産「スカイライン」の取り扱い説明書には、トランクに関する注意事項として「走行前にトランクが確実に閉まっていることを確認する」ことを警告しています。

 トランクを開けたままで走行すると、車室内に排気ガスが侵入し、一酸化炭素中毒になる危険があるとし、意識が薄れて事故につながるおそれがあるほか、死亡または重大な傷害といった深刻な事態の引き金になる可能性があるということです。

 トランクの開けっ放しについて、国産メーカーの販売店のスタッフは以下のように話します。

「トランクの開けっ放しは走行中に開いてしまう恐れはもちろん、後方視界を妨げる危険性があります。

 また、トランクが開いていることで排気ガスの進入してくることもあり、大変危険のため開けっ放しにするようなことは基本的にしないようにしてください」

※ ※ ※

 トランクが閉まりきらないほどの積載は、車外への放出以外に後方の視界に影響する可能性も考えられます。

 そのため、基本的にはトランクに収まる積載を心がけるようにしましょう。