毎年9月21日から「秋の全国交通安全運動」が始まってます。春にも同様のものが開催されていますが、全国交通安全運動とはどのようなものなのでしょうか。また、街中で見かけるテントにいるおじさん・おばさんは何者なのでしょうか。

秋の全国交通安全運動が9月21日から実施!

 毎年、秋には全国交通安全運動が実施され、期間は9月21日から9月30日までの10日間です。なお、9月30日は「交通事故死ゼロを目指す日」として定められています。
 
 春におこなわれるものと基本的には同じですが、全国交通安全運動とはどのようなものなのでしょうか。

 内閣府は、全国交通安全運動の目的として、公表している「令和3年秋の全国交通安全運動推進要綱」にて次のように説明しています。

「本運動は、広く国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けるとともに、国民自身による道路交通環境の改善に向けた取組を推進することにより、交通事故防止の徹底を図ることを目的とする」

 運動の重点としては、「子供と高齢者を始めとする歩行者の安全確保」、「夕暮れ時の夜間の事故防止と歩行者等の保護など安全運転意識の向上」、「自転車の安全確保と交通ルール遵守の徹底」、「飲酒運転等の悪質・危険な運転の根絶」の4つが挙げられてます。

 運動の実施に関しては「各団体によって地域住民が参加しやすいように創意工夫し、参加や体験・実践型を取り入れるなどさまざまな活動についての展開し、又は支援するもの」とされています。

 このため、各地域によって交通安全に関する啓発方法は異なり、東京都内の小学校では全国交通安全運動期間中の週末に、参加型の交通安全のキャンペーンをおこなう予定のようです。

 全国交通安全運動について、都内の警察署交通課担当者は以下のように話します。

「全国交通安全運動は、各地域によってさまざまなキャンペーンを打ち出しながら、みなさんに交通安全の周知を図るためにおこなわれてます。この運動を機に少しでも交通事故防止に繋がればと思っています」

 また各省庁は、それぞれの実施計画をホームページで公開しており、国土交通省では2021年7月27日に「令和3年秋の全国交通安全運動国土交通省実施計画」を発表。

 計画内容は、自転車の整備形態に応じた「1.自転車通行空間の通行ルールの周知徹底」、「2.交通安全施設等の点検」、「3.道路の利用の適正化等」など、計11項目が挙げられています。

 国土交通省の担当者は「あくまで全体では内閣府が取りまとめをおこなっていますが、国全体として交通安全の啓発をおこなっています」と話しています。

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 全国交通安全運動は、毎年春と秋におこなわれており、春は毎年4月6日から15日までの10日間、秋は前述の9月21日から9月30日までの10日間となっています。

 なお、全国交通安全運動がおこなわれる背景について、内閣府の担当者は次のように話しています。

「1948年(昭和23年)の国家地方警察本部による『全国交通安全週間』を起源とし、1952年(昭和27年)以降は春・秋の年2回の実施となっています。

 現在は、中央交通安全対策会議(会長:内閣総理大臣)が決定した『全国交通安全運動の推進に関する基本方針について』(2000年12月26日中央交通対策安全会議決定)に基づき、交通対策本部(本部長:内閣府特命担当大臣)が、実施の都度、推進要綱を定めて推進しています」

 また、現在では春秋においての実施重点として、内閣府のホームページでは次のような趣旨を説明しています。

 春は「入学や進級を迎える4月以降に小学生の歩行中の交通事故が増加する傾向にある」とし、秋は「秋口における日没時間の急激な早まりとともに、例年夕暮れ時や夜間には、重大交通事故につながるおそれのある交通事故が多発する」といった項目を挙げています。

 なお、各省庁や都道府県により独自の交通安全運動(週間)も実施されることがあり、国を上げて交通安全に対して取り組んでいることがわかります。

交通安全運動では何をする? テント内にいるおじさん・おばさんは誰?

 全国交通安全運動では、内閣府をはじめ各省庁や協賛団体などが連携して展開しているほか、地域の交通安全についてはそれぞれの地域交通安全協会にておこなわれています。

 例えば、東京都の地域交通安全協会は、丸の内、築地、赤坂など100を越える安全協会が設けられています。

 これは東京都交通安全協会とは別組織となるものの、地域住民による交通安全のボランティア団体で、各警察署単位に設置されており、それぞれ独立した組織として地域にあった交通安全活動を展開しているといいます。

 前出の内閣府の担当者は、地域によって異なる交通安全キャンペーンについて、次のように話しています。

「自治体でおこなった事例として、春においては小学生、とくに新1年生を意識して運動をおこなっています。例えば、令和3年の鳥取県米子市では『横断歩道一斉ストップキャンペーン』を実施しています。

 これは、通学時の安全を確保するため、市内全小学校周辺の横断歩道において、子ども達の保護・誘導をおこなったほか、ドライバーに横断中や横断しようとする者がいる横断歩道における一時停止のルールを周知しました。(広報:テレビ局、ケーブルテレビ局)

 また、同じ期間に佐賀県では『ランドセルカバー配布』をおこない、新1年生(佐賀県内約7000名)にオリジナルデザインのランドセルカバーを配布し、ドライバーへの注意を促し、交通事故防止を図っています。(NHK佐賀、サガテレビ、佐賀新聞・西日本新聞)」

 では、テントにいて啓発をおこなっている人は、どのような人なのでしょうか。

 関係各所に確認してみたところ、交通安全協会や町会、ボランティアで集まった人だといい、若年層から年齢層まで幅広くいるようです。

 しかし、平日の昼間に集まることが多いため、年配者が多くなる傾向にあるといいます。

 全国交通安全運動の期間中は、各地域でテントを設置して年配者が交通安全の啓発をおこなっている様子が見受けられ、テントを含めた期間中に用いる備品については各協会や町会にて管理をおこなっているそうです。

 ただし、新型コロナウィルスの影響により一時的に啓発をおこなうボランティアの人がいるものの、以前よりはテントを立てている場所は減っているようです。