ラドフォード「タイプ62−2」に注目が集まるのは当然です。かつてはポール・マッカートニーやリンゴ・スターのクルマも手掛けていた由緒あるコーチビルダーでした。タイプ62−2も購入には審査が必要のようです。

予想以上の人気!? 購入審査が必要となったラドフォード「タイプ62−2」

 2021年9月20日、既報のラドフォード「タイプ62−2」が、グッドウッド・リバイバルでワールドプレミアされた。この会場に登場したのは、12台のみ生産される「タイプ62−2 JPS(ジョン・プレイヤー・スペシャル)」だった。

 ラドフォード・タイプ62−2は、かつてロータスが製造していたレーシングカー「タイプ62」のオマージュとしてつくられたものだ。

 いわゆるグレードは、リアのダックテールがない「クラシック」と、ロータスを象徴するといっていいゴールドリーフのカラーリングに敬意を表した「ゴールドリーフ」、そして最高出力600bhpを発生するV型6気筒3.5リッタースーパーチャージドエンジンを搭載する、「JPS」という3タイプが用意されており、それぞれ、オーナーの要望に沿ったワンオフのカスタマイズが施されることになる。

 このクルマを開発したラドフォードという会社は、かつてセレブのためのクルマを製造していた同名のコーチビルダーからインスピレーションを得て活動をしている。

 本拠としている英国には、同じようなコーチビルダーが多数存在していて、それがひとつの文化として成り立っている。もともとコーチビルダーというのは、馬車の時代に、貴族階級がその地位をアピールすべく、オリジナルを求めたことから生まれたものだ。

●自分だけのオリジナルを持つということ

 馬車の時代から自動車の時代になっても、ベースとなるクルマに新たな表情・新たな個性を与えるコーチビルダーは、現在もあたり前のものとして存在している。それは、オーナーにとって特別なクルマ、同じものがないオリジナルなクルマをつくるということこそが、コーチビルディングの真の意味であるということに他ならない。そしてこれこそが、ラドフォードのポリシーだ。

 タイプ62−2JPSの発表会場には、かつて存在していたラドフォード社が手掛けた3台のクルマも展示されていた。1台はビートルズのメンバーであり英国のナイトでもあるサー・ポール・マッカートニーが所有していた1965年式の「Mini de Ville “S”」。

 残る2台は、やはり英国のナイト、サー・リチャード・スターキー、世界的に知られている名前でいうとリンゴ・スター氏が所有していた、1966年式の「Mini Cooper S」と1966年式の「アストンマーティンDB5 シューティングブレーク」だ。

 ラドフォード社の共同経営者であるアント・アンステッド氏は、次のようにコメントしている。

「タイプ62−2に対する需要がこれほどまでに高まるとは予想できませんでした。このクルマのオーナーになる方は、本当に特別なクルマを手にすることになります。同じものはふたつとありません。これこそがコーチビルディングの真の意味であり、私たちがここにいる理由です。現在も予約を受け付けており、年明けにはタイプ62-2のオーナーを厳選するプロセスを開始する予定です」

 つまりこのタイプ62−2は、お金を支払いさえすれば誰でも手に入れられるものではないということだ。

 オーナーになりたいと思うなら、まずラドフォードに購入予約をし、予約金を納めたのち、オーナーたるにふさわしいかどうかの審査を受けるということになる。

 これまで、アンステッド氏がいうところの「オーナーを厳選するプロセス」という部分への言及はなかった。この言葉が出てきたということが意味するのは、62台という生産台数に対して、購入希望者はキャパオーバーしているということなのことだろう。

 かつてのロータスのファンに加えて、自動車の将来を考えたときに、内燃機関の特別なクルマを買うなら今しかないと考えている人が多いのかもしれない。それが、タイプ62−2に対する人気の高さとなって現れているのだろう。