中国ホンダは、「アコード」がマイナーチェンジ後1か月で3万5000台を予約受注になったと発表しました。日本では影が薄くなりつつあるアコードですが、なぜ中国では人気があるのでしょうか。

中国向けホンダ アコード MC後1か月で3万5000台を超える予約

 2021年11月24日、ホンダの中国での現地合弁会社「広汽ホンダ」は、同年10月にマイナーチェンジを施したばかりの「アコード(中国名:雅閣)」が最初の1か月ですでに3万5000台を超える予約があったと発表しました。

 なお、日本におけるアコードの販売台数は近年、月間平均200台以下だといい、単純計算すると日本で販売される約15年分を中国では1か月で受注した計算になります。

 現在、日本を含めたグローバルで販売されているアコード(10代目)は2017年7月に発表され、中国向けモデルは2018年4月の北京モーターショーで発表されました。

 中国では広汽ホンダが製造・販売を担当しており、2021年9月に中国向けでは初となる現行モデルのマイナーチェンジが、同じ月に開催された天津モーターショー2021にて発表されています。

 ちなみに、ホンダの東風汽車との合弁会社「東風ホンダ」からはアコードの姉妹車が「インスパイア(中国名:英仕派)」として販売されており、これも10月にマイナーチェンジを受けています。

 新しくなったアコードは、フロントとリアのデザイン刷新、ボディカラー「極速緋紅」と「極夜流銀」2色の追加(それぞれメテオロイドグレー・メタリックとプレミアムクリスタルレッド・メタリックに相当と予想)、10.25インチセンターディスプレイの採用、コネクテッド技術Honda CONNECT 3.0の搭載、そしてトラフィックジャムアシスト(TJA、渋滞運転支援機能)の搭載などが新しい点となります。

 2021年9月に発表され、10月9日に発売されたこの新しいアコードですが、販売開始からたったの1か月でオーダー数が3万5000台を超えたとのことです。

 その要因のひとつに挙げられるのが品質の高さで、さまざまな商品やサービスの顧客満足度に関する調査やコンサルティングをおこなう企業、J.D.パワーによる自動車初期品質調査(IQS)というものがあります。

 これは新車がどれほど不具合を抱えているかをその新車購入者に対して調査し、そのクルマの「壊れにくさ」や「使いにくさ」を車両100台あたりの不具合箇所数で公表するものとなっています。ここにおいても、広汽ホンダとアコードはそれぞれ高い評価を得ています。

 2021年のデータでは広汽ホンダが主流ブランド部門にて、100台あたりの不具合数が184件と、もっとも不具合が少ないブランドに輝きました。

 また、アコードそのものは3年連続でミドルサイズ・アッパー部門のトップに君臨し続けています。

 こういった点も中国内での評価を左右するポイントとなります。

 中国向けアコードは大きく分けて、L15B型1.5リッター直列4気筒VTECターボエンジンを搭載する「SPORT TURBO」モデルと、LFB型2.0リッター直列4気筒i-VTECエンジンを搭載する「SPORT HYBRID」モデルのふたつが存在します。

 前者は17万9800元(邦貨換算:約320万9200円)から21万5800元(約385万1700円)。

 ハイブリッドの後者は19万9800元(約356万6000円)から25万9800元(約463万7000円)で販売されています。

 もちろん、マイナーチェンジの影響で販売台数にブーストがかかっているということもあるかもしれませんが、アコードは以前からも中国国内で売れ筋のモデルとなっています。

 中国工業協会が発表した2021年9月における乗用車販売台数のデータを見てみると、アコードは1万9907台を販売し、ランキングでは9位の東風日産「アルティマ」、8位の一汽フォルクスワーゲン「ボーラ」を抑えて7位に入りました。

 また、広汽ホンダ内のラインナップでもアコードは売れ筋のモデルとなっています。

 広汽ホンダは2021年9月にて全体で7万2054台を売り上げましたが、そのなかでもっとも売り上げたモデルが1万9907台のアコードでした。

なぜ? 中国で爆売れの背景とは

 2020年の中国国内における乗用車の累計販売台数を見ても、21万574台を売り上げて中国国内でもっとも売れているミドルサイズセダンという称号を手に入れたわけですが、なぜアコードがそんなに人気なのでしょうか。

 もっとも大きい要因は前述の通り、その高い品質にあります。

 カッコよくてスポーティなルックスだけでなく、壊れにくいという点が中国国内では大きく評価されています。

 また、一汽フォルクスワーゲン「マゴタン」や上汽フォルクスワーゲン「パサート」、広汽トヨタ「カムリ」、東風日産 アルティマなどのライバル車と比較しても、燃費やリセールバリュー、価格、運動性能、信頼性のすべてにおいて、アコードが優っているという意見が多く聞かれます。

「ミドルサイズで迷ったらとりあえずアコードを選べ」といいたくなるほど、アコードは純粋に良いクルマであると認識されているのでしょう。

 一般的に、新車が登場し、数年が経つにつれて販売台数が落ちていきます。

 その落ちていく販売台数に再び勢いをつけるため、そしてライバル車に遅れを取らないためにもマイナーチェンジはおこなわれます。

 ですが、アコードの年別累計販売台数を見てみると、現行モデルの登場初年である2018年が17万6769台、2019年が22万3706台。

 そして2020年は新型コロナウィルス感染症の影響を受けたものの21万574台と、その販売台数は常に一定の台数を維持しています。

 ここからも中国では高い評価を得ているのが見てとれます。

 よりスポーティなデザインになっただけでなく、安全運転支援システムのアップデートや先進的なコネクテッド機能の搭載など、さまざまな要素を含んだ今回のマイナーチェンジでアコードの売り上げは今まで以上に加速することになるでしょう。

 アコードのこれからの大躍進に期待したいと思います。