現在、日本の自動車市場では、販売台数の上位に位置するクルマはほぼ固定されています。しかし、ヒットしていないクルマでも、存在感がすごいモデルも存在。そこで、国内メーカーの現行ラインナップのなかでもトガッたクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

見た目や性能にこだわった個性的なクルマを振り返る

 近年、日本の自動車市場ではSUV人気が続いており、新型車の多くはSUVで占められている状況です。また、常に販売台数のランキングで上位に位置するクルマといえば、軽ハイトワゴンやコンパクトカー、ミニバンで占められている状況が続いています。

 これらのモデルのなかにはそれぞれ個性を主張して、ライバル車との違いをアピールしているケースも見られます。

 しかし、あまりにも個性的なモデルはユーザーから敬遠されることもあるため、ヒットしているクルマは見た目やコンセプトが比較的オーソドックスな印象ではないでしょうか。

 一方で、所有しているだけでも一目置かれそうな、個性的なモデルも存在。

 そこで、国内メーカーの現行ラインナップになかでもトガッたクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「スカイライン 400R」

 50年以上もの長い歴史をもつ日産「スカイライン」は、現行モデルが2014年に発売された13代目で、2019年に大規模なマイナーチェンジがおこなわれた際に、ハイブリッドモデルではハンズオフ走行が可能な安全運転支援システムを導入。さらにガソリン車ではスカイラインシリーズ最強の出力を誇る「400R」が登場しました。

 このスカイライン 400Rは国内でも屈指のスポーツセダンであり、エンジンは最高出力405馬力を誇る3リッターV型6気筒ツインターボを搭載。

 このパワーに見合うようにシャシ性能も向上しており、足まわりでは新開発の電子制御ショックアブソーバーの採用、ブレーキは4輪にアルミ製対向ピストンブレーキキャリパーの装着、専用にチューニングされた「ダイレクトアダプティブステアリング」を搭載し、高い運動性能を実現しています。

 これほどの高性能モデルながら外観は派手な演出は控えめで、スタンダードな「GT」系グレードとの明確な差異は「400R」のエンブレムくらいです。

 スカイラインといえばかつてはモータースポーツでの活躍があり、歴代のモデルはどれもスポーツマインドあふれるコンセプトでしたが、400Rはまさに究極のスカイラインといえるでしょう。

●レクサス「RC F」

 2000年代以降、ニーズの変化から日本では2ドアクーペの人気が低下してしまいましたが、セレブのパーソナルカーとしての需要と、趣味のクルマとしての需要は一定数あります。

 その両方のニーズを満たす高額かつ高性能な特別なクーペといえば、レクサス「RC F」ではないでしょうか。

 RC Fは歴代のレクサス「F」シリーズと同じく、ラグジュアリーなモデルながらサーキット走行も視野に入れて開発されたFRスポーツカーです。。

 ハイライトはエンジンで、「LC500」と共通の5リッターV型8気筒自然吸気を搭載。最高出力481馬力を誇り、トランスミッションは2速以上のギアすべてでロックアップでき、最短0.1秒の変速速度を可能にした8速ATが組み合わされます。

 ボディサイズは全長4710mm×全幅1845mm×全高1390mmという体躯で、大きく張り出した前後フェンダーによってロー&ワイドの迫力あるフォルムを実現しつつ、サイドラインは美しさを表現した2ドアクーペを体現しています。

 さらに、よりアグレッシブな外観となる“Performance package”では、ボディにカーボン製のフロントスポイラーとリアウイングが装着され、サーキット走行における高い空力性能を発揮します。

 なお、2021年9月2日に一部改良がおこなわれ、“Performance package”の内装に「F」シリーズのイメージカラーであるブルーのアクセントが採用され、ホイールも新デザインとなりました。

●トヨタ「ハイラックス Z“GRスポーツ”」

 国産メーカーのラインナップには1990年代まで、ビジネスユースだけでなくレジャー用途に適したピックアップが数多くラインナップされていました。

 なかでも本格的なオフロード性能を誇る4WDのモデルが主流で、クロスカントリー4WD車のベースにもなっていました。

 ところが次第にニーズは低下し、一時は国内メーカーのラインナップからピックアップトラックは消滅してしまいました。

 しかし、トヨタは2017年に、タイで生産されたミドルサイズのピックアップトラック「ハイラックス」を輸入して、日本市場で復活させました。

 日本で展開されているハイラックスは4WDのダブルキャブのみで、エンジンは最高出力150馬力を発揮する2.4リッター直列4気筒ディーゼルターボを搭載。トランスミッションは6速ATのみです。

 外観は機能的なスタイリングに力強さがみなぎるフロントフェイスを採用し、曲面を多用したボディは「働くクルマ」をイメージさせないデザインとなっています。

 また、強固なラダーフレームにボディを架装した構造と、パートタイム4WDながら自動で駆動力を適切に配分する「アクティブトラクションコントロール」を装備するなど、クロカン車と同等の悪路走破性を誇ります。

 2021年10月8日には一部改良と同時に、よりスポーティな内外装にカスタマイズされた「ハイラックス Z“GRスポーツ”」を追加ラインナップ。

 専用のオーバーフェンダーを装着して全幅1900mmの迫力あるワイドボディとし、専用のフロントバンパーやグリル、ブラック塗装+切削光輝を施した18インチアルミホイールを装着しています。

 内装では「GR」ロゴを刺繍した専用合成皮革+スエード調スポーツシートに、スモークシルバーの加飾を施した専用本革巻きステアリングホイールと、パドルシフトを装備。

 走りについてもステアリングの応答性向上や、フラットで快適な走りを実現する専用サスペンションが奢られています。

 現在、ハイラックスは日本で唯一正規販売されているピックアップトラックとして、存在感を高めています。

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 高性能なクルマや、特殊な用途のモデルはほかにもありますが、今回、紹介した3車種はかなり個性的なモデルといえるでしょう。

 とくにハイラックスはライバル不在ですので、目立つこと間違いありません。

 ただし、ひとつ注意が必要なのがボディサイズで、前出のZ“GRスポーツ”の場合、全長5320mm×全幅1900mm×全高1840mmと国内モデルのなかでも屈指の大型ボディですから、狭い道や駐車場ではかなり気を使うことになります。