東京オートサロン2022にて、初の輸入EV軽トラとなる「ELEMO-K」が展示されました。新たな仕様となるELEMO-Kとはどのようなものなのでしょうか。

初の輸入EV軽トラ「ELEMO-K」の特別仕様がオートサロンでお披露目!

 東京都に本社を置く「HWエレクトロ」が販売する次世代の小型EVトラック「ELEMO」。
 
 3年前の東京オートサロン2019にて中国のタイヤブランド「グッドライド」が参考出品したことで日本でのキャリアが始まりました。
 
 当時、日本での具体的な導入計画は存在していませんでしたが、予想に反して反響が大きく市販に向けて動き始めたといいます。

 2020年に輸入販売を担当するHWエレクトロが設立され2021年4月には日本の公道を走るための保安基準をクリアし、ナンバープレートも取得しました。

 そして2022年1月、東京オートサロンに「凱旋」し、正式な日本仕様車として展示されました。

 HWエレクトロが販売するELEMOは、アメリカに本社を置く「セントロ」が販売する「メトロ」という小型EVトラックをベースとし中国浙江省の工場で製造されています。

 タイヤブランド「グッドライド」の日本法人、「グッドライドジャパン」の代表を務める蕭偉城(ショウ・ウェイチェン)氏をCEOとして設立したのがHWエレクトロです。

 HWエレクトロはメトロの日本導入に際し、右ハンドルモデルを輸入、欧州仕様には設定されていないエアコンや、アクセルとブレーキの踏み間違い防止などの装備を取り付け、ショックも交換し、日本仕様のELEMOを完成させました。

 2020年11月に静岡県の朝霧高原にある「あさぎりフードパーク」にて、電気自動車の集会「Japan EV Meetup」が開催されましたが、そこにELEMOが展示され来場者からの注目を集めました。

 現在、ELEMOはふたつのモデル、3つのボディスタイルで展開されています。

 容量と航続距離の異なる2種類のバッテリーが用意され、それぞれ「ELEMO 120」と「ELEMO 200」としてラインアップを形成。

 そこから、真っ平で何も搭載されていない「フラットベッド」、三方開きの荷台を搭載する「ピックアップ」、そしてハコ型の荷室を有する「ボックス」の3スタイルが選択可能となっています。

 航続距離は短く、車体も小型であると思う人も多いかもしれませんが、考え方としては「電気で走る軽トラ」のような物と考えると、その用途と使い勝手には無限の期待を抱けます。

 そして2021年11月には、日本の軽自動車規格に収まるように全長を52cm短縮、軸重他軽仕様に調整させた「ELEMO-K」が販売開始となりました。

 今までのモデルは4ナンバーの「小型貨物自動車」登録でしたが、この「ELEMO-K」は黄色いナンバープレートを装着する正真正銘の軽自動車。輸入車としては初のEV軽トラとなります。

 ELEMO-Kは、ELEMO 120と同じ容量13 kWhのバッテリーを搭載、EV軽トラながらも120キロの航続距離を実現。

 特筆すべきなのはそのサイズだけではありません。踏み間違い防止装置やABS、4輪ディスクブレーキ、RSR製サスペンション、そしてバッテリー管理システムなど、その装備にも抜かりはありません。

 現在はアルミ合金製のピックアップ荷台を搭載するモデルのみの展開ですが、通常のELEMOにも設定されているボックスタイプやフラットベッドタイプも近日中に投入予定となっています。

 気になるサポート体制ですが、2021年10月には全国でカー用品店「オートバックス」を展開する株式会社オートバックスセブンと資本提携を締結。

 今後は全国のオートバックス店舗にてELEMOの販売のみならず、メンテナンスも提供検討するとしています。

 オートバックスは全国で600店舗近くを展開していることもあり、実車購入後のサポートも手軽に受けられることとなるでしょう。

オートサロンには試作仕様のELEMO-Kが展示されていた

 今回の東京オートサロン2022では、三栄が運営する自動車メディア「モーターファン」が幕張メッセ 北10ホールにて展開したブースにて、ELEMO-Kが展示されました。

 モーターファンのブースではELEMO-K以外にも、ヒョンデの燃料電池車「ネッソ」や、CFRP製品を手掛ける「東レ・カーボンマジック」が手がけたコンセプトモデルも展示されました。

 HWエレクトロの蕭偉城CEOによると、当初は東京オートサロン2022への出展の予定はなかったものの、ブースの出展者側からの提案で実車の展示が実現したといいます。

 また、実際に展示されたELEMO-Kは、通常のELEMOにも存在しない荷室を搭載していましたが、これはHWエレクトロが独自に開発した「HWE-KJスワップ」というスタイルです。

 このまったく新しい荷台は、ロック装置を解除し、フォークリフトのツメを差し込むことで、荷台ごとスワップが可能となります。

 まだ試作段階であり、今後は開発とクオリティの向上をおこないながら、最終的には商品化を目指すとのことです。

 日本導入の決め手となった東京オートサロン2019にて受けた来場者からの反応を大きく超えて今回の出展ではポジティブな意見が多数聞かれたそうで、「EV商用車」の知名度向上も感じられたと蕭偉城CEOは振り返ります。

 自由なカスタマイズ性のみならず、ラストワンマイル配送やキッチンカー、農業・漁業での運搬、工事現場での資材運搬、敷地内のパトロール、そして災害時の電力供給源など、ドローンと組み合わせれば無限に広がる活躍シーンにも対応できる使い勝手の良さ。

 さまざまな特徴を兼ね備えるELEMOは東京・南青山6-2-7にて国内初となるショールームも2021年12月にオープンさせ、より一層身近な存在となりました。今後ますます目にする機会が増えることでしょう。

 また、HWエレクトロは2022年後半からはより多くのニーズに対応するためにHWエレクトロ独自の小型EV商用車を展開していく計画だといいます。

 日本におけるEV商用車市場を切り拓いていく同社の今後には、自動車業界はもちろん、物流や運送、移動販売、そして農業の世界からも大きな期待が寄せられています。