東京オートサロン2022には、スズキ「ジムニー」に手を加えたさまざまなカスタムカーが登場しました。それぞれどのようなクルマだったのでしょうか。

オートサロンの「魔改造ジムニー」3選

 2022年1月14日から16日までの3日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「東京オートサロン2022」には、スズキの軽4WD「ジムニー/ジムニーシエラ」(以下、ジムニー)を存分にカスタムしたモデルが複数登場しました。

 その「魔改造」ぶりは、来場者の注目を絶えず引いていましたが、それぞれどのような姿だったのでしょうか。

 2018年7月に登場した現行ジムニーは、新開発のラダーフレームに、FRレイアウト、副変速機付パートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式サスペンションというジムニーの伝統を継承したモデルです。

 コンパクトながらも本格的な悪路走破性を誇り、スクエアボディなどの個性的な特徴とともに国内外で人気を集めています。

 販売されているのは3ドアワゴンですが、今回、かねてから噂のあった「5ドア仕様」を実際に造ってしまったのが、千葉県にある自動車専門学校「日本自動車大学校」(NATS)の学生たちです。

「NATS JIMNY kimun kamy」と名付けられた5ドア仕様ジムニーは、教員が所有するジムニーシエラ(2019年式)をベースとしたものです。

 5ドア化にあたりボディを400mm延長し、6インチのリフトアップを図っています。

 また、外装パーツとしてIPF製ライトバーやオリジナルアウターロールゲージを装着。足元は、BLACK RHINOの17インチホイールにTOYO TIRESのOPEN COUNTRYを履かせることでオフロード性を向上させています。

 エンジンは、GReddyのボルトオンターボキットやハイパフォーマンスECU、排気系はGReddyクロスエキゾーストなどでチューニングしたとのこと。

 NATS JIMNY kimun kamyについて、NATSの担当者は次のように説明しています。

「学生とオーナーである教員自らがフレーム&ボディをカットし、世界初の5ドア化ジムニーを製作しています。

 またオーナーのアウトドア車両にしたいという希望から各社ご協賛をいただき、宿泊もできる最強オフロード車が完成します」

 この要望を叶えるため、REGRESSカーサイドタープテントや、FELDON SHELTERクロウズネスト・ルーフトップテントも装着され、アウトドアもできる仕様になる予定だといいます。

顔はジムニー、体はキャリイの「ジムキャリー」も登場!

 5ドア化ジムニーが登場した一方で、後ろ半分を大胆にカットしたジムニーも披露されました。

 出展したのは、茨城県ひたちなか市に店を構える「石塚エンジニアリング」です。

 石塚エンジニアリングでは、ジムニーを中心に「ダブルミッション」という独自のトランスミッションや足回りのパーツなど、各種パーツのワンオフ製作を手掛けており、開発・製作・取り付け・セッティングを一貫しておこなっています。

 今回のモデルは、山梨県在住の個人オーナーが所有する2代目ジムニー(JA11型、1990-1995年)をベースに製作。

 代表の石塚氏は「オーナーが休日に岩山などの悪路を走行(ロッククローリング)するために製作した車両です。公道走行はできないので、山までは積載して運んでおり、完全に趣味に特化した車両となっています」と説明します。

 ボディは、後席部分をカットしつつもルーフなどの一部はそのまま使われており、ジムニーの面影もしっかりと残した車両になっています。

 マツダ純正の「ソウルレッドクリスタルメタリック」でカラーリングし、フロントやボディを支える強固なパイプ類は、くっきりとしたブラックで塗装しています。

 ボディの一部にはグラインダータトゥーも。また、タイヤはボディの左右に大きくはみ出すように付けられています。

 ジムニーらしく可愛いフロントフェイスながら、迫力とイカつさも持ち合わせた1台です。

 そして、こだわりは外見以外にも。展示されたジムニーの車内を見ると、一見シフトらしきレバーが4つも確認できます。

 石塚氏によると、これは「「弊社オリジナルのダブルミッション」だそうです。

 同じギア比の5速MTシフト2機に加え、トランスファー(4WDからFFへ変更)が1機、後輪操舵用のレバー1機となっているそうで、この5速MT2機のシステムをダブルミッションと呼んでいます。

 このダブルミッションによって、通常の1速時よりもさらに低速で走ることが可能になり、滑りやすい斜面など慎重さが求められる場所で、ゆっくりと少しずつ進むことができます。なお、スピードは人の歩く速さよりもゆっくりだそうです。

 また、このジムニーはロッククローリング向けのため、素材に堅牢な鉄パイプを使い、ダメージを受けても傷や凹みが付きにくいよう工夫もされています。

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 オートサロンの会場には、顔はジムニー、体は「キャリイ」という、その名も「ジムキャリー」が現れました。

 出展したのは、横浜市保土ケ谷区に店を構えるTSD Styleです。ジムニーと、スズキの軽トラック「キャリイ/スーパーキャリイ」(以下、キャリイ)を合体させました。

 キャリイは、1961年から60年近くにわたり代を重ねながら販売されている軽トラックです。直近では2021年8月に一部改良がおこなわれています。

 ジムキャリーは、現行ジムニーの純正フロントグリルや、フロントバンパーなどのカスタムパーツを装着しています。

 これにより、ヘッドライトがキャリイ本来の扇形から現行ジムニーの丸形に変わったほか、樹脂性バンパーによりオフロードテイストが加わりました。

 ジムキャリーはコンプリート販売もおこなっており、その場合は前述のグリル以外に灯火類や2インチアップキット、ネオチューンショック(純正ショック加工)が含まれています。

 このほか、フロントパイプガードや荷台に装着するリアパイプガード、スペアタイヤブラケットテールガードなど悪路走行も想定したパーツを展開するなど、より外観を進化させるカスタマイズが可能なようです。

 ジムキャリーキットを展開するTSD Styleの担当者は「ジムニー純正のグリルを使ってモディファイするキットを製作しています。軽自動車枠に収まるボディサイズなので、車検も対応していますが、今回の展示車はタイヤなどが車検未対応となっているショーモデルです」と話しています。