軽自動車でありながら本格派クロカンとして支持されるスズキ「ジムニー」は、カスタムベースとしても人気です。ジムニーのカスタムにはどのようなものがあるのでしょうか。

ジムニーのカスタムには4つの方向性がある

 昨今注目が集まる国産車としてスズキ「ジムニー」があります。

 現行モデルは、直線的なボディラインと愛くるしい丸目2灯ヘッドライトを取り入れた愛くるしいルックスと、軽自動車でありながらラダーフレーム採用し、パートタイム式四輪駆動を備えた高い悪路走破性が特徴です。

 これまのジムニーといえば、仕事で使うプロユースやオフロード好きな男性向けといったイメージが強かったのですが、現行ジムニーは愛嬌のあるデザインになったことで、SUVやクロカンに興味がなかった女性たちも支持。「ジムニー女子」なる熱烈なファン層も誕生しています。

 そんなジムニーが、アウトドアブームによってさらに人気となって幅広い層に支持されているほか、自分好みに仕立てるジムニーカスタムが盛り上がっています。

 ジムニーのカスタムには4つの方向性があるようです。

 ジムニーが持つ高い悪路走破性をさらに引き上げ、オフロード走行性能を高めるためのパーツや仕様にしていく「本格的クロカン・カスタム」や、高い基本性能はそのままに、より洗練された外観へと進化させる「ドレスアップ・カスタム」があります。

 また、女性に人気のカスタムとして、ジムニーを人気の大型クロカンのようなイメージに仕上げられるようにパーツを装着する「モディファイ(レトロ)・カスタム」や、手軽なものから車中泊を楽しむための装備を追加するものまで、アウトドアに出かけるのが楽しくなるような実用性も併せ持つ「アウトドア・キャンパーカスタム」があります。

 さまざまなジムニーのカスタムが存在するなかで、定番なのがオフロード性能のレベルアップです。

 各専門店がパーツを開発していますが、なかでも4WD専門店「オフロードサービスタニグチ」(兵庫県姫路市)は、多数のオリジナルパーツを販売してきました。

 そんなオフロードサービスタニグチの代表 谷口氏に、ジムニーをさらに魅力的なオフローダーに仕立てるカスタムについて聞いてみました。

「現行ジムニー(JB64/74型)で人気のカスタムといえば、やはりリフトアップです。

 リフトアップさせた上で外径の大きいタイヤを履けば迫力も出ますし、オフロードの走行性能も向上します。

 ただ乗り心地も変わるため、リフトアップを検討するなら、アップ量だけではなく、サスペンションの性能にも注目して選んでほしいです」

 リフトアップ+外径の大きいタイヤの組み合わせは定番の人気カスタムのようです。

 さらにバンパーなどのエクステリアを変えることで、オリジナリティあふれるジムニーを作り出すことができるのもジムニーカスタムならではの魅力だといいます。

 実際にオフロードサービスタニグチで人気のカスタムパーツは、サスペンションの「ACEシリーズ」。

 このサスはリフトアップだけでなく、街乗りからオフロードまで幅広く対応した乗り心地に仕上げられたオリジナルとなっており、コイルそれぞれに乗り心地の違いを持たせ、オリジナル設計の14段調整式ショックアブソーバーによってより細かく好みの仕様に仕上げることができるそうです。

 また、便利グッズ系のカスタムパーツも人気で、ドリンクホルダーやルーフラックなどの収納系パーツにも注目が集まり、実際に装着されるユーザーも増えているといいます。

「たとえば、リアドアがどの位置でも止まる『フリーストップドアオープナー』や、専用設計で土や泥などがこぼれにくい『立体ラバーマット』、リフトアップしたときに乗り降りがしやすくなる『2段調整サイドステップ』などが売れ筋商品です。

『テールランプガーニッシュ』も、手軽にリアの雰囲気が変えられると注目されています」(オフロードサービスタニグチ代表 谷口氏)

 老舗ショップだけに、本格仕様のカスタムばかりかと思いきや、意外にも手軽なカスタムも人気のようです。

 今後のジムニーのカスタムについて聞いてみたところ、若い女性にも注目されている車種なので、インスタ映えするエクステリアパーツや不便を解消する便利な商品のほか、オフロード初心者向けとして、ガード系パーツやLSDなど駆動系パーツにも注目が集まりそうだとのことです。

ビギナーには「オーバーランドスタイル」がオススメ!?

 現行ジムニーは、今までの本格的な4WD機構と堅牢なボディにオンロードでの快適性を加えたことで幅広い層に人気です。

 イベントなどではガッツリとカスタムしたモデルに注目が集まりがちですが、実際のユーザーはどうなのでしょうか。

 そこで4WD&SUV専門として人気が高いアフターパーツ・メーカーの「JAOS」(群馬県榛東村)の広報担当 内田氏に話を聞いてみました。

「イベント会場や各メディアから受けた個人的な印象ではありますが、現行ジムニーに関しては派手にモディファイされる方は少ないように感じます。

 それより1990年代の2代目(JA11型)に近いネオクラシカルなデザインを気に入っている現行型オーナーが多く、少しレトロなイメージをさらに強調するデザインのホイールやグリルを組み合わせたプチカスタムが、実際のカスタムの主流だと思います」

 なかでも、アウトドアブームに起因する「オーバーランドスタイル」が注目されており、ルーフラックなどキャンプなどの荷物を効率的に積載できるパーツの人気が高いそうです。

「ビギナーにお勧めするなら、オーバーランドスタイルを感じさせるグリルやホイールの交換など、ワンポイント・カスタムから始めるのが良いと思います。

 それだけでも雰囲気がだいぶ変わって、より愛着が湧くと思います」(JAOS広報担当 内田氏)

 実際、JAOSの製品では、乗り心地と車両安定性を両立させつつ約40mmのほどよいリフトアップを実現させた「BATTLEリフトアップセット」など足回りのパーツが人気なのはもちろん、ルーフ全体を覆うようなデザインで機能拡張性を持たせたオリジナル・ルーフラックの「JAOSフラットラック」も好評だといいます。

「ジムニーに限らず、4WDやSUVは中古車が潤沢に出回りはじめると、サスペンションやプロテクターなどオフローディングに役立つパーツが好まれ始める傾向があります。

 ジムニーはいまだに納車にかなりの時間がかかる人気車ですが、それでも初期の車両はそろそろ最初の車検を迎える時期ですので、一歩ディープに踏み込んだカスタマイズが増えてくるかもしれません」(JAOS広報担当 内田氏)

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 やはりジムニーのカスタムは、リフトアップなど足回りのカスタムでオフロード性能を追求することはもちろん、グリルやホイールの換装だけでも十分にアウトドア感が楽しめるのも、ベース車両の魅力があってこそ。

 現行ジムニーは、クラシカルな雰囲気にも、本格派オフローダーにも変化させていく楽しみが味わえる名車といえそうです。