現在進行中のロシア問題、円安、コロナ禍に端を発した半導体不足。これらに共通して注目されているのが中古車市場の動向です。そこで、中古車販売店に影響があるか、リアルな声を聞いてみました。

ロシア問題や円安、半導体不足による中古車への影響はある?

 まだまだ終わりが見えないロシアによるウクライナへの侵攻。さらに円安が進んだことや、コロナ禍に端を発した半導体不足から自動車をはじめとする製造業への影響など、日本経済は大きな岐路に立たされています。

 そして、これらの問題に共通しているのが、中古車市場の動向です。

 これまでロシアは日本からの中古車の輸出先として1位の国でした。円安は中古車の海外流出を加速させるきっかけになり、昨年は半導体不足から中古車の価格が高騰したと報じられました。

 では、現状の中古車市場はどんな状況なのか、関東に店舗を展開する中古車店の代表M氏に、話を聞きました。

●ロシア問題による影響は?

――ロシアは中古車の最大の輸出先ですが、ウクライナ侵攻後の影響はありますか。

「弊社は商社を介してロシアにも中古車を輸出していました。人気の車種は三菱『パジェロ』やトヨタ『ランドクルーザー』などの4WD車、SUVですが、主力は過走行車や修復歴がある格安の物件です。

 たしかにロシアは大口の輸出先でウクライナ侵攻の影響も大きく、実際にオークションでも中古車の落札価格は下落しましたが、そうした格安な中古車はロシア以外にもアフリカや中東、東南アジア、南米など、顧客はほかにもあります。

 直近では季節変動の影響が大きいので、ロシア問題による売上への影響は限定的といえます」

●円安による高性能車の海外流出は?

――現在、円相場は1ドル120円台の後半、一時は130円台でしたが、海外のブローカーの状況はいかがですか。

「2015年頃にも1ドル120円台となって、日産『スカイライン GT-R(R32型)』をはじめとするネオクラシックな高性能モデルが、大量に海外へ流出しました。

 当時、弊社にも海外のブローカーからの問い合わせが数多く寄せられ、実際に販売した実績もあります。なにせ、それまで120万円だったクルマが100万円で買える計算でしたから、高額なクルマほど割安感があったのでしょう。

 しかし、今回の円安では海外からの問い合わせはほとんどありません。

 やはり、すでに物件数が少なくなってしまったことや販売価格が異常に高騰していることもあって、かつてのように買い漁るような状況ではなくなったからだと思います。

 一方で、円相場や中古車相場に関係なく、国内外を問わず高額なスポーツカーを買い求める層は一定数いて、先日も日本の方に30年ほど前の高級スポーツカーを販売しました。

 とはいえ、一部の富裕層の方以外には高嶺の花ですから、流通量は鈍化しています。

●半導体不足による中古車市場の影響は?

――半導体不足から新車の納期が長期化して、中古車を買い求めるケースはあると聞きますが、価格への影響はありますか。

「新車を検討していたら納期が半年待ちと聞いて、中古車を買うことにしたというようなお客様は、実際にいらっしゃいます。

 ただし、直近では先程申し上げた季節変動の要因が大きいといえます。2月から3月にかけて需要期なので価格が上昇し、4月からは落ち着く流れです。

 しかし、新車が納車されない状況では中古車の物件数にも大きな影響があり、とくに品薄で人気のクルマに限ると高値安定傾向にあります。

 業界内では半導体不足はまだまだ解消されないとの見方があって、中古車の流通量についてもコロナ前の状態に戻るのはかなり先になると予想されています。

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 M氏はほかにも昨今のガソリン価格の高騰から、中古車でも低燃費のクルマが人気で、ハイブリッド車やディーゼル車は取り引きが活性化しているといいます。

 今、日本を取り巻く状況は先が見えない状況で、さまざまな要因によって中古車に限らず、経済への影響は続く見通しです。