「高速でパトカーに追跡されたら、下道に降りれば追ってこない?」という噂を耳にしたことがありますか。その噂はホントなのか調べてみました。

高速道路から下道に降りたらパトカー は追ってこない?

 巷でまことしやかに「高速でパトカーに追跡されたら、下道に降りれば追ってこない?」という噂を耳にします。
 
 警察の管轄が高速道路と一般道路で変わるために下道に降りれば逃げ切れるというイメージが原因ですが、本当に下道に逃げてしまえば追跡を振り切れるのでしょうか。

 パトカーは、道路交通法の第39条1項と同法の施工例第13条によって公共の緊急車両に規定されています。

 一般車両と異なり、赤色ランプを点灯させて緊急走行をしなければならない場面において、右側走行が許されていたり、停止義務が免除されていたりと、法令によってさまざまな優先・特例の規定が定められています。

 なかでも、交通違反の取り締まりをおこなうのは、一般道路を担当する交通機動隊(交機)と、高速道路や有料道路を担当する高速道路交通警察隊(高速隊)に分けられます。

 このことから、高速道路で違反をしても下道に降りてしまえば、管轄が変わるためパトカーによる取り締まりは降り切れると言われていますが、実際はどうなのでしょうか。

 栃木県警察の担当者は、取り締まりの内情について、以下のように話します。

「警察の部隊には、交通機動隊と高速隊に分かれており、交機は一般道路を主にパトロールしている部隊であり、その一方で高速隊は高速道路をメインにパトロールをおこなっています。

 そのため、高速道路で追われていて下道におりてもずっと追われるということはありません。

 しかし、交機と高速隊は必要があれば連携するため、下道におりたら交機が追ってくる可能性があります」

 とはいえ、そもそもパトカーはスピード違反などである程度は追跡しますが、「これ以上追跡すると、他のクルマと事故を起こしてしまい、二次被害になりかねない」と判断された場合は、追跡を取りやめることもあります。

 しかし、だからといって、「パトカーの追跡を振り切ったから検挙されない」ということではありません。

 パトカーはカメラによる撮影などによって、追尾中の様子を記録していることが多くなっています。

 つまり、検挙するための証拠を集めながら運行しているため、違反した車両をその場で停止させる必要性が薄くなっているのです。

 上手く振り切って自宅に辿り着くことができたとしても、オービスや映像などの証拠が残っていれば出頭要請が出されるケースもあります。

 基本的に現行犯で取り締まる速度超過などの違反はもとより、飲酒運転による検挙逃れや盗難された車両などの明確な逃走に対しては、追尾ではなく別動隊の緊急配備による、逃走車両の停止および検挙なども実施されます。

 以上のことから、高速道路から下道に降りてパトカーを振り切ったとしても、別の部隊から追跡されたり、オービスや映像などの記録によって、のちに検挙される可能性があるため、確実に“逃げ切る”ことはほぼ不可能といえます。

 また、パトカーを振り切ろうとして無謀な運転をした結果、事故に繋がったというニュースも後を経たないのが現状です。

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 ちなみに、前出の担当者は、県境を越えてパトカーから逃げた場合について「県内で追われ、県外に逃げたとしても、県外まで追いかけることは可能です。また、県外でも検挙することができるため、逃げ切れることはほとんどないといえるのではないかと思います」と話します。

 県を跨いだことで厳密な管轄は変わることになりますが、隣接する県の警察同士で交通の円滑及び危険の防止を図るため、相互の県警に所属する警察官が、交通の取締りなどの職権を行使することができることになっているのです。