「駐車」は運転する以上は避けては通れないものですが、苦手な人も多いでしょう。駐車枠に上手く収まらずに斜めに停まっているクルマも見られますが、上手に駐車するコツはあるのでしょうか。

駐車枠に斜めに停めると周囲のクルマにも迷惑になる

 クルマを運転する以上、「駐車」は避けては通れません。この駐車は初心者に限らず、苦手意識を持つドライバーは意外と多いようです。

 駐車枠に対して斜めに停まっているクルマも見られ、そうなると隣のクルマとの間隔が狭くなってしまっていることも多々あります。

 上手く駐車できないと周囲のクルマに迷惑をかけるだけでなく、自分もドアを開けて外に出づらかったりするのですが、駐車の枠内にきれいに収めるコツはあるのでしょうか。

 都内の教習所で教官として勤務した経験があるKさんによると、車庫入れや縦列駐車、方向転換などは初心者にとって難しい運転技能だといいます。

「教習所では手順を説明し、だいたいの目印も教えていたのですが、やはり教習生の皆さんは緊張のあまり、ハンドル操作が遅れることが多かったです」

 通常、駐車スペースにバック駐車する場合、入りやすいようにハンドルを切りつつ前進するものですが、初心者はその加減が分からず、入れやすい進入角度にならないまま後進してしまうそうです。

 そうなるとハンドル操作も遅れてしまい、1回バックしただけでは駐車枠に収まらなくなってしまうといいます。

 K氏いわく、クルマの向きをどう変えれば駐車枠に入れやすくなるかという意識が足りないのが原因だろうとのことです。

「駐車枠の中央に入れるための車両感覚をつかめていないので、左右どちらかに偏った位置に停める教習生も多かったです。

 これは駐車スペースの枠線をサイドミラーで視認する作業が十分できていないため、左右のスペースを上手に調整できていないことが原因でしょう。このあたりは慣れという部分もありますが」(教習所の元教官 Kさん)

 また駐車枠に斜めに停めてしまいがちな人は、よほどバック走行が苦手なのか、周囲のクルマへの配慮が足りずに停めてしまうケースが多いようです。

「混雑した駐車場で何度も切り返すのを嫌う人ほど、しっかりと駐車枠にクルマを収められないことが多いです。

 確かに後続車に迷惑をかけたくない気持ちは分かりますが、しっかりと駐車枠に停めないと降車時にドアをぶつけてしまったり、周囲のクルマが出にくくなってしまったりすることもあります。

 慌てずに何度か切り返して、きちんと枠内に収める習慣を身につけると良いでしょう」(教習所の元教官 Kさん)

運転席側の後方を意識すれば、助手席側に余裕が生まれる

 都内の中古車販売店のスタッフFさんは、業務として毎日数多くの在庫車を移動させたり駐車したりしています。

 中古車店ではさまざまなクルマが商品として並んでおり、コンパクトカーやセダンだけでなくSUVミニバン、スポーツカーなど幅広い車種を移動・駐車する必要がありますが、駐車するときはどのようなことに気をつけているのでしょうか。

「目新しいことはないのですが、目視することを心掛けています。バックカメラによるモニター映像は補助的なものとして、基本は目視とサイドミラーで確認します。

 ほかにも、運転席側の後部の視界を意識しており、右ハンドルなら右側のサイドミラーで後方に映るボディの向きを大切にしており、自分が停めたい架空のラインを想定して駐車枠に収めるようにしています。

 クルマを枠線まっすぐ入れたいときは、窓を開けて顔を出し、直接目で見て停めています」

 本来は助手席側のサイドミラーで助手席側の車体の向きを視認するものですが、実際は見えにくいこともあります。

 それよりよりも、近い距離にある運転席側のサイドミラーや、窓から顔を出して目視で確認することで、駐車枠内にまっすぐ停められるようになるというわけです。

 もし運転席側が枠内ギリギリだったとして、逆に助手席側はまだ余裕があるということ。一度枠内に収めてから左右の枠線の間隔が均等になるように切り返して微調整すれば、ドアを開けたときに隣のクルマと接触する心配も減るといえます。

「AT車を駐車するのであれば基本的に『クリープ現象』を使って車両を動かすのでアクセルは使わず、足はブレーキのみの操作で済みます。

 そうすると踏み間違いもなくなり、アクセルを踏み過ぎて急発進するという事態も避けられるでしょう」(中古車販売店のスタッフFさん)

 ミニバンや軽スーパーハイトワゴンなどの全高が高いクルマは、車両上部にも注意が必要です。

 屋内駐車場では、意外なところに壁や突起物、障害物があるものです。ミラーやバックカメラには映らない障害物もあるので、一旦クルマから降りて駐車スペースを確認してから駐車するのが安全です。

※ ※ ※

 駐車後に配慮したいのが、ハンドルをまっすぐに戻しておくことです。

 最近のクルマでは壊れることはほとんどありませんが、ハンドルを切ったまま駐車するのはパワステやタイヤにとって良くない行為。

 過去のクルマでは常識といわれていたものの、最近ではあまり問題視されていませんが、そもそもタイヤハウスからタイヤが斜めに飛び出ていると、接触の危険性などもあって周囲のクルマにも迷惑がかかります。

 ハンドルはできる限りまっすぐにしてから下車する習慣を身につけておくと、結果としてクルマを労わることにつながります。